中古のタワマンは売れない?売れない理由と売るためにできることを解説

中古マンション 売れないマンション売却
すむたす売却
マンション売却ならすむたすのAI査定

タワーマンションの売却事情

一般的に、タワーマンションとは高さが60m以上で、階数にして20階以上の高層マンションを指すことが多いです。しかし、法令の定めはありません。

新築のタワーマンションは、強気の価格設定でも立地条件が良い場合や、高層階で眺望が良い場合など、ブランディングが成功していれば売れ行きは堅調です。しかし、タワーマンションというにはあまりにも低層階で、眺望や日照条件が悪い場合には、長期間売れ残ってしまうこともあります。

売れないタワーマンションには共通する原因があるものです。しかし、その原因を理解し売れるタワーマンションの要素を取り入れれば、売れるマンションへと変化させることができるのでしょう。

タワーマンションの売却が難しいとされる理由

タワーマンションの売却が難しいとされる理由はおもに下記の4つです。

価格が高い
マンションの供給過多
修繕費が高い
景気や社会情勢の変化

このあと各理由について詳しく解説します。

価格が高い

タワーマンションは他のマンションと比べて価格が高いため、メインの購買層は富裕層です。しかも、少数の富裕層に対してマンションの供給量のほうが断然多く、慢性的な買い手市場といえます。

マンションの供給過多

人口が減少し景気も低迷しているのに、毎年多くの新築マンションが市場に供給され続けています。しかも、タワーマンションを購入する富裕層は新築マンションを好む傾向が強いため、築浅の中古タワーマンションが売れずに市場にあふれてしまいます。

つまり、富裕層の対象からは外れたものの、一般家庭では手が届かない築浅の中古タワーマンションが競争を激化させているのです。

2020年から長引くパンデミックの悪影響で、タワーマンションの建築計画が大きく遅れ、2021〜2022年まで竣工件数は落ち込みました。しかし、2023年で竣工数は増加に転じ2024年には過去50年で最多の竣工数になるともいわれています。

修繕費が高い

マンションは資産価値を維持するために、適切な管理や修繕を必要とします。とくにタワーマンションは高層で規模が大きく、維持管理費用が莫大になるのです。

たとえば、最上階までは足場が組めないために、ゴンドラや移動式足場など特殊なものが必要になります。そして、高速エレベーター・給排水・消防・免震耐震・屋上ヘリポートなどタワーに特化した珍しい設備があります。複雑で珍しい仕様が多いことは、修繕費が高くなる要因です。

さらに、事前の修繕計画や予算を超過した修繕費は、臨時徴収として請求される可能性もあります。築年数が経つにつれて負担額の上昇率も高くなるのです。

景気や社会情勢の変化

数年前から続いていた海外資本の日本への投機傾向がひと段落したために、いくつもまとめて購入するような大きな取引が減っています。

また、住宅ローン減税の適用要件のうち下記のような借入限度額の減少が、高額なタワーマンションの住宅ローンによる購入を鈍化させます。

【住宅ローン控除の借入限度額の推移】

住宅の区分2022〜2023年2024〜2025年
新築認定住宅(長期優良住宅など)5,000万円4,500万円
ZEH(ゼロエネルギーハウス)4,500万円3,500万円
省エネ基準4,000万円3,000万円
その他住宅3,000万円0
中古認定住宅3,000万円
その他住宅2,000万円

さらに、住宅ローン借入者の所得要件が3,000万円以下から2,000万円以下に引き下げられました。それにともない、タワーマンションを購入する高所得の顧客が住宅ローン控除の恩恵を受けられなくなっています。

あわせて、税法の改正によって高層階の固定資産税額に補正がかかり税額が上がりました。上昇した税額自体はさほど大きくありませんが、タワーマンションに対する税制は年々厳しくなる傾向が見てとれます。

くわえて、パンデミックにより密を避けた郊外への人口移動や、自然災害時の高層階の物理的なデメリットが浮き彫りになったことをきっかけに、一部タワーマンション離れが起きたのです。

売れるタワーマンションの特徴

売れるタワーマンションの特徴はおもに下記の5つです。

立地が良い
日照・眺望が良い
適切な管理が維持されている
地域のブランドになっている
住環境が良い

このあと各特徴について詳しく解説します。

立地が良い

駅から徒歩圏のタワーマンションなら、春の異動時期以外の閑散期に売り出したとしても、売れずに困ることはないでしょう。

とくに駅直結なら、高齢者や法人社宅、スモールオフィス需要など子育て以外の顧客層も狙えることから、場合によっては新築購入時よりも価格が上がるケースは少なくないようです。

日照・眺望が良い

マンションに限らず日照条件の良さは売れる不動産の定番条件であり、新築分譲時には南向きや東南角から先に売約になるほどです。

タワーマンションは総じて眺望や日照の良さがありますが、同じマンション内なら、やはり高層階が売却しやすいといえるでしょう。

適切な管理が維持されている

タワーマンションは高級感が売りのひとつなので、コンシェルジュやフィットネスジム・プール・サウナ・パーティールームなど、一般マンションでは見かけないサービスがあります。

適切な管理がなされサービスが維持継続しているなら、訴求効果が高く売却しやすさにも直結します。

地域のブランドになっている

周辺地域と比較してブランディングが明確な下記のようなエリアは、その地名を住所にしたいというニーズがあります。

  • 東京23区内なら港区や中央区や品川区などステータスを感じさせるエリア
  • 東京タワー・スカイツリー・六本木ヒルズなどのランドマークがあるエリア
  • 臨海で周囲に景観を遮蔽する構造物が何もなく、眺望や日照が良いエリア
  • みんなが知っている地名やロケ地になったなどバックストーリーがある

そのステータスを価格に反映して購入額が高額になりやすいものの、売却のしやすさや価格の下落が少ないというメリットがあります。

資産価値の観点からみれば、最優先で検討すべき優秀なマンションといえるでしょう。

住環境が良い

高層階は眺望や日当たりが良いことが多いです。また、周囲に建物がなく道路からも離れている階なら、騒音・臭気・害虫・目線を気にすることもないでしょう。

一方で、ベランダがない・開閉できる窓に制限がある・洗濯物を外に干せないなど、高層階特有の制約もあります。タワーマンションに住むなら、低層中層マンションとは異なる制約があることを理解しなければなりません。

売れないタワーマンションの特徴

次に、売れないタワーマンションの特徴はおもに下記の5つです。

バルコニーの方角が悪い
低階層
近隣の幼稚園小中学校の定員数がオーバーしている
立地が悪い
施工の質が悪い

このあと各特徴について詳しく解説します。

バルコニーの方角が悪い

タワーマンションは、風力設計や建築構造上の観点から垂直方向に長く棒状に建築されることがほとんどです。

高層でないマンションなら、建物の形状を横方向に長く広げて東や南バルコニーをたくさん作り出せますが、タワーマンションになればそうはいきません。

そのため、いくら高層で眺めが良くステータスも高くても、北向きや西向きベランダの部屋の数が増えてしまいます。バルコニーの方角が悪い部屋は、販売に苦労するケースも多いです。

低階層

タワーマンションは地上高が大きな売りであるため、低層階はどうしても価格が落ちます

周囲にオフィスビルが多いエリアでは、建物が近接して眺望が悪く、ベランダや部屋のなかへ向けられる視線も気になります。

また、近くに高層建築物がなくても、近隣のマンションによって長時間日陰になるような部屋も競争力が落ちます。

近隣の幼稚園小中学校の定員数がオーバーしている

タワーマンションが建つとその地域の居住者が一気に増え、おのずと子供の数も増えます。幼稚園・小学校・中学校の定員をオーバーしている地域のタワーマンションに住めば、子供を遠くの学校へ通わせることになるでしょう。

そうなれば、通学道中の心配や送り迎えの手間が増えることが予想されます。それを懸念する子育て世帯は、そのタワーマンションを購入しないでしょう

急激な人口増加に対して、教育施設・医療施設・道路や公園の整備が遅れている地域のタワーマンションは、競争力が致命的に劣るといえそうです。

立地が悪い

タワーマンションが建つのは、おもに「高度利用地区」「特定街区」「特定容積率適用区域」という、高さ制限や容積率が緩和されて高層化がしやすい特殊な地域です。

タワーマンションは容積率を気にしながら高層化させるために、広い底地が必要になります。しかし、駅に近い場所ではまとまった土地の確保が難しく、駅から離れた場所に建てられるものも少なくありません。

そのため、生活施設(とくにスーパーや病院など)から遠く不便な立地なマンションも多いです。普段は家にいて頻繁に日常の買物をすることが多い、主婦層や高齢者層には不人気になるでしょう。

施工の質が悪い

タワーマンションの購入希望者は、タワーマンションを中心に内見します。当然、日々タワーマンションの情報や口コミも見ているでしょう。

そのため、施工の質や仕様が低いタワーマンションはすぐに気づかれてしまい、内見すら集まらないこともあります。また、実際に内見して施工の質が悪いなら、購入の候補マンションに残ることは難しいでしょう。

売るためにできること

タワーマンションを売るためにできることはおもに下記の3つです。

分譲主のグループ会社に仲介を相談する
銀行に相談してみる
ホームステージングを利用する

このあと各行動について詳しく解説します。

分譲主のグループ会社に仲介を相談する

デベロッパーが系列の仲介会社を持っているなら、既存の顧客の中にそのマンションの購入希望者がいないか尋ねるべきです。というのも、新築時に希望していた階以上で気に入った間取りの部屋が買えなかったために、売りに出たら教えて欲しいとデベロッパーに声を掛けている場合があるからです。

もしくは、売却を依頼する複数の仲介会社のなかに、念のためデベロッパー系列の仲介会社を入れておくのも良いでしょう

銀行に相談してみる

銀行には、相続対策のために不動産ポートフォリオを大きくしたい方や、新たな借り入れとともに資産運用先の紹介を頼んでいる資産家が一定数います。不動産は富裕層の節税対策や資産運用先として人気がありますので、銀行から紹介がつながるケースがあるのです。

特に、タワーマンションの高層階は不動産の売買価格よりも、固定資産税評価額が圧倒的に低くなります。また、タワーマンションを賃貸して収益を得ていると、さらに評価額が下がります。

相続税はこの低額の固定資産税評価額に相続税率を掛けて計算します。現金で資産を持つよりも、不動産に変えてから相続したほうが、相続税が安くなるとして人気があるのです。

資産家は資金調達をはじめ、資産運用や相続対策の相談を銀行にしているため、タワーマンション節税スキームにメリットを感じる顧客の紹介が期待できます。ただし、タワーマンションの低層階は節税効果が低いため、相続税の節税スキームに利用するのは難しいでしょう

ホームステージングを利用する

ホームステージングとは、ホーム(家)とステージング(演出)をつなげた言葉です。ハウスメーカーのモデルハウスのように、家具・家電・食器・インテリアなどを美しく配置し、夢のある生活シーンが想像できるように飾り付けることです。

そこで生活をする素敵な未来を想像できれば、夢をかき立てられて購買意欲へとつながるでしょう。ホームステージングは、夢を描く舞台装置になるのです。

そのため、飾り付けは「ホームステージャー」というインテリアコーディネーターなどの専門家が、メインターゲット層に合わせて部屋の飾り付けをおこないます。

費用は20〜30万円と決して安くはありませんが、少ない内見のチャンスを確実につかめれば、成約までの期間を短縮できます。時間と手間を抑えたいなら、プロのホームステージャーに依頼すると良いでしょう。

すむたすマガジン編集部

すむたすマガジンは、「住まいの理想的な選択ができる社会に」をミッションとする不動産会社「すむたす」が運営するメディアです。不動産売買のプロとして、ユーザーが理想的な選択ができるように正確でわかりやすい情報を発信しています。

すむたすマガジン編集部をフォローする

すむたすならAI査定のみで確実に売れる価格がすぐわかる


一般的な一括査定サイトによる査定は、査定額にかなり幅があり、さらに査定訪問を行わないと実際に売れるマンション価格を把握できないことがあります。

しかし、すむたすなら訪問査定なしのAI査定のみで、最短1時間確実に売れる価格を把握することができます。

「最低でもこの価格で売れる」という保証が得られ、他社と比較する上で基準としても使うことができます。

まずは、確実に売れる価格がわかるすむたすのAI査定を使ってみましょう!

マンション売却
すむたすマガジン
入力時間1分でマンションの売却価格がわかる
無料のマンション査定はこちら