マンションを売却する際、最初のステップとして必ず行うのが査定を受けることです。査定は、「物件がいくらで売れるのか」を把握するだけでなく、不動産会社を選ぶ上での大切な判断材料となります。
しかし、多くの人にとって不動産売却は初めての経験であり、査定結果を正しく見極めるのは容易ではありません。そのため、「査定価格が高いから」という理由だけで不動産会社を選んでしまいがちですが、この選び方では後々の売却活動で後悔するリスクが高まります。
本記事では、このような失敗を防ぐために、マンション査定におけるよくある落とし穴についてケース別に解説します。さらに、「自分は正しく判断できているのだろうか」という不安がある方に向けて、マンション査定のセカンドオピニオンについてご紹介します。
マンション査定には落とし穴がある
マンションの査定・売却は多くの人にとって一生に数回しかない大きなイベントです。このため、不動産会社との情報の格差が生まれやすく、時に不動産会社の都合で取引が進められることがあります。
具体的には、自社の利益を優先するために、査定時には見栄えの良い情報のみを伝え、後から条件を変更するような手法が存在します。このような不動産会社と契約すると、売主は正しく判断をする機会が奪われてしまい、最終的に損をしてしまうでしょう。
不動産取引は高額である場合が多く、その結果は将来を大きく左右します。損をしないためには、査定結果をよく見極めることが大切です。
ここでは、マンション査定でよくある失敗を3つ紹介します。
- 仲介と買取の査定価格の意味を混同する
- 査定価格が高すぎる
- フラットな相談が難しい
Case1: 仲介と買取の査定価格の意味を混同する
不動産の売却方法には、主に仲介と買取の2種類が存在しますが、これらは査定価格の意味合いが大きく異なります。
仲介の査定価格は「この価格くらいで売れるだろう」という予想価格であり、その価格で売れることを保証するものではありません。
一方、買取の査定価格は、実際の売却価格と一致する場合が多いです。ただし、他社での買取を斡旋する場合の見積額が提示されるケースもあるので注意が必要です。その場合は、価格が保証されないばかりか、手数料を引かれ手残り額が下がってしまうことになるため、事前に自社買取かどうかを確認しておくと良いでしょう。
実際に、提示された価格を正しく認識できておらず、不動産会社選びで後悔したというケースは非常に多いです。価格の額面だけで判断するのではなく、それぞれの価格の性質を正しく比較して検討するようにしましょう。
仲介と買取の詳しい違いについては、以下の記事で解説しています。
Case2：査定価格が高すぎる
仲介の査定において、査定価格が不自然なほど高いケースがたびたび見られます。売主の心象としては、「この会社なら高く売ってくれるかも！」と喜びたくなってしまいますが、このような査定価格には注意が必要です。
通常、不動産査定は標準化された方法で行われるため、市場の相場や平均価格より大幅に高い価格が提示される場合、それは不動産会社が営業のために価格を高く設定している可能性があります。このような行為を高預かりと呼び、意図的に高価格を売主に提示することで、とりあえず契約を獲得することがその目的です。
しかし、この高い査定価格で実際に売却活動を開始すると、予想通りの価格での売却は難しく、売主は度々値下げの提案を受けることになるでしょう。結果として、売却価格は初めの査定価格よりも大幅に低くなることが一般的です。
更に、不適切な価格で売り出すと、物件の引き合いが最も多い売り出し直後の買い手を逃してしまうため、売却にかかる期間が長引くこともあります。
仲介でなかなか売れない物件は、後に買取を提案されることもありますが、すでに値下げを繰り返してきた場合、買取価格も低くなる傾向があります。場合によっては、最初から買取を選んでいた方が、ストレスがなく、売却価格も高くなっていた可能性もあります。
だからこそ、査定を受けるときは、単に高価格に釣られてしまうのではなく、買取を含めて賢く検討することが大切なのです。
Case3: フラットな相談ができない
不動産会社を決める際、多くの人が査定の結果を重視します。しかし、査定の結果に満足しても、直接その会社と売却の相談を進める段階で、意外な落とし穴に直面することがあるのです。その落とし穴とは、フラットな相談ができないという点です。
一般的な不動産業者は、仲介手数料を主要な収益源としているため、仲介手数料を最大化するために、売主への売却方法の提案をあえて限定していることがあります。
例えば、売主が「期限内に売ること」を優先したい場合でも、業者側からは「売却方法を変えずもう少し頑張ってみましょう」という現状維持を強引に通されることも珍しくありません。
このように、自社都合で売却プランを進めるような会社と取引を進めると、売主の希望通りの売却が難しくなってしまうでしょう。
そのため、売主の希望をしっかりとヒアリングした上で、仲介だけでなく、買取や買取保証など、様々な角度から売却プランの提案ができる会社を選ぶことが重要です。
一括査定サービスの利用は悪手
不動産会社の査定に不安を持った方がよくやってしまうのが、一括査定サービスを利用することです。一括査定サービスとは、一度の情報入力で複数の不動産会社から査定を受けられるサービスを指します。
「多くの不動産会社から査定を受ければ、相場が把握しやすく、公平なアドバイスがもらえるかも」という期待から、一括査定を利用する人も多いのですが、このアクションには注意が必要です。
一括査定サービスに登録している不動産会社は、基本的に同じ収益構造を持っているので、サービスには同様の偏りがあります。そのような会社とどれだけ接点を持っても、公平な査定や売却相談をしてもらうことは難しいでしょう。
また一括査定を受けた後は、大量の営業電話がかかってくるため、冷静な判断力が奪われてしまうことも懸念されます。
査定結果を正しく評価するならセカンドオピニオンを取り入れよう
ここまで、不動産査定の注意点に関して詳しく解説してきました。
しかし、これらの注意点を把握していたとしても、気づかないうちに情報の偏りから不利な状況に陥ることはよくあります。
今の査定結果に疑問を持っている方にはセカンドオピニオンを強くおすすめします。
すむたす売却では、AIと専門家の知見を組み合わせた査定サービスを提供しており、客観性の高い査定価格を知ることができます。
また、一般的な不動産会社のような担当者に営業ノルマが課せられていないため、フラットな立場から売却相談をすることができます。売主様の希望の売却条件をヒアリングし、多様な売却方法の中から、最適なプランを提案いたします。
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