マンションを売却したら確定申告は必要?計算や手続き方法、節税策を解説!

マンション売却後の確定申告について解説その他

マンションを売却した後に必要な手続きが、税務署への確定申告です。

マンション売却で譲与所得が発生した人は必ず申告が必要ですが、利益が発生していない人も、確定申告をすることで節税効果があります。

本記事ではマンション売却にともなう確定申告について、必要になる条件手続きの流れ売却益の計算方法知っておきたい特例生じる税金などを解説します。

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マンションを売却したら、確定申告は必要?

まず結論から言うと、マンションを売却したら、利益が出ても出なくても、確定申告をするべきです。しかし、利益がある場合と、ない場合では、確定申告をする目的に違いがあります。

【売却益が出た場合】確定申告をする義務がある

売却が生じた場合は、譲渡所得税が課される可能性があるため、確定申告の義務が発生します。実際に課税が発生するのは、控除の制度により「売却益が3000万円を超えた場合」に限りますが、その控除を受けるためには、確定申告が必要なのです。

売却により利益が出たかどうかは、次の計算式で確かめられます。

マンションの売却価格 -(マンションの取得費+売却にかかった諸費用)

マンションの所得費用とは、マンションの購入費や不動産会社支払った仲介手数料等のことを指します。計算方法がやや複雑なので、詳しく知りたい方は、国税庁が掲載している「No3161 建物の所得費用」をご参照ください。

一方で売却にかかった諸費用は、仲介手数料、印紙税などのことを指します。こちらの計算結果がプラスなら売却益が出ていることになり、確定申告の義務が発生することになります。

【売却益がない場合】確定申告をすると節税できる

マンションを売却しても売却益が出ていないなら、確定申告の義務は発生しません。ただ、この場合でも確定申告をした方がいいでしょう。

なぜなら確定申告をすることで「譲渡損失の繰越控除」という特例を受けられるためです。これは、売却損をほかの所得(給与を副業などによる収入)から差し引ける制度で、売却損の分だけ所得税を安く抑えることができます。また、一年間の所得で売却損を控除しきれない場合は、売却から3年目までは繰り越して控除ができるため、売却損が大きいほど節税効果も大きくなります。

確定申告をしないと起こること

マンションを売却して利益が出ると、確定申告をしなければなりません。確定申告を怠ったり、内容を間違えたりすると、次のような「加算税」が課されることがあります。

税金の書類条件税率
延滞税申告期限を超過した場合年7.3% / 14.6%
無申告加算税確定申告をしていない場合15%(納税額が50万円を超える部分は20%)
過少申告加算税納める税金が少なすぎた場合10%(50万円を超える部分は15%)
重加算税悪質な所得隠しがあった場合35% / 40%

延滞税

本来の納付期限から遅れて確定申告をした場合は、「延滞税」が課されることになります。

延滞税の金額は、本来の申告期限から納付日までの日数分の延滞税(7.3%〜14.6%)が課せられます。申告期限から2か月以内に納付した場合は7.3%の税率が課され、2か月を超えた場合は14.6%の税率が課されます。

納付税額×年7.3%(2カ月以降は14.6%)

延滞税の金額は日割りで計算されるため、申告が遅れるほど支払う金額は大きくなります。

国税庁「延滞税の計算方法」

無申告加算税

確定申告を忘れていたときに課されるのが「無申告加算税」です。原則として、年度ごとの税額の50万円まででの部分に15%、50万円を越える部分に20%の加算税が課せられます。

納税額×15%(納税額が50万円を超える部分は20%)

ただ、次の条件を2つとも満たしているときは、無申告加算税は課されません。

【無申告加算税が課されない条件】
・法定申告期限から1ヵ月以内に、自主的に期限後申告をしている
・期限内に申告する意思があったと認められる

過少申告加算税

納める税額が本来より少なかったり、本来よりも多く還付を受けたりすると、「過少申告加算税」を課されることがあります。

税率は、修正により新たに納めることになった税額に対して、50万円までの部分は10%、50万円を越える部分は15%です。

追加金額×10%(50万円を超える部分は15%)

税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。気づいたらとにかく早めに申告し直すことが大切です。

重加算税

意図的に確定申告をしない、もしくは過少申告をした場合に課されるのが、「重加算税」です。

どちらの場合も、本来納めるべき税額に対し、少ない額を納めていることになります。本来の税額に対する不足分に対し、無申告なら40%、過少申告なら35%が加算されます。

納付税額×35%(40%)

マンション売却に伴う確定申告の流れ

ここからは、マンション売却に伴う確定申告の流れについて解説します。

確定申告には用意すべき書類が多く、慣れていない場合は特に、予想外に時間がかかってしまうものです。申請期間も1か月と短いため、売却が完了したら早めに準備を進めることをおすすめします。

所轄税務署で確定申告をする場合

確定申告は、所轄税務署もしくはインターネット(e-Tax)からできます。所轄税務署で確定申告をする流れは、次の通りです。

【所轄税務署で確定申告をする流れ】

  1. 適用できる特例を確認する
  2. 必要な書類を確認する
  3. 税務署に行き、各種申告書を手に入れる
  4. 自分で用意できる書類を用意する
  5. 除票住民票など、手元にない書類を発行してもらう
  6. 譲渡所得税を計算する
  7. 確定申告書を記入する
  8. 税務署に確定申告書を提出する

インターネット(e-Tax)で確定申告をする場合

インターネットで確定申告をする「e-Tax」を利用する場合は、以下のような流れになっています。e-Taxを利用すれば、全ての手続きがオンラインで完結するため、書類の作成や提出の手間を省くことができます。

【インターネット(e-Tax)で確定申告をする流れ】

  1. 適用できる特例を確認する
  2. 必要な書類を確認する
  3. 自分で用意できる書類を用意する
  4. 除票住民票など、手元にない書類を発行してもらう
  5. 利用者識別番号を取得する
  6. 電子証明書を取得する
  7. 手続きをするソフトやコーナーを選ぶ
  8. 各ソフト・コーナーの画面に従い、申告・申請データを作成する
  9. データを送信し、送信結果を確認する

各工程の詳しいやり方や画面、実際の手続きは、下記リンクから行えます。

ご利用の流れ │ 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

申告の期間

マンションを売却した場合、その翌年の2月16日から3月15日の間が確定申告の期限となっています。3月15日が土日祝日の場合は、その次の平日が申告期限となります。

なお、この申告期間は年度により変わる場合もあります。「確定申告 いつまで」と検索すると国税庁のWebページが出てくるはずなので、早めにチェックしておきましょう。

確定申告に必要な書類

確定申告に必要な書類には、自分で用意するものと、税務署から手に入れるものがあります。

【自分で用意する書類】
・マンション購入時の売買契約書
・マンション売却時の売買契約書
・諸費用(仲介手数料や収入印紙代など)の領収書
・除票住民票(住んでいたマンションを売却した場合)
・売却したマンションの登記事項証明書
【税務署から手に入れるもの】
・確定申告書B
・分離課税の申告書

適用する特例により、必要になる書類

マンションの売却や購入にともない特例を適用する場合、次のような書類も必要になります。

【3,000万円の特別控除】
追加で必要となる書類は特にありません。
【特定の居住用財産の買換え特例】
・新しい住民票
・売却したマンションの登記事項証明書
・新しく購入した物件の登記事項証明書
【マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例】
・新しい住民票
・売却したマンションの登記事項証明書
・新しく購入した物件の登記事項証明書
・新しく購入した物件の住宅借入金の残高証明書(住宅ローンを組んだ場合)

マンションの売却益により発生する税金

税金

マンションを売却すると発生する税金には次のようなものがあり、売却益があるときだけ発生するものと、売却益の有無にかかわらず必ず発生するものがあります。

【必ず生じる税金】
・登録免許税
・印紙税
【売却益があるときだけ生じる税金】
・譲渡所得税
・住民税
・復興特別税

必ず生じる税金

売却益の有無にかかわらず、「登録免許税」と「印紙税」は必ず発生します。

登録免許税

登録免許税は、マンションの所有者が変わるときに必要な「変更登録」にかかる税金です。マンションの売買には「売主」と「買主」がいますが、売主は「抵当権抹消の登記費用」を負担します。

抵当権抹消の登記費用は、自分で手続きをすれば1,000円、司法書士に依頼する場合は報酬として1万~2万円ほどがかかります。

印紙税

印紙税は、マンションの売買契約書に貼る「収入印紙」の費用です。収入印紙を購入し、契約書に貼り付けることで、間接的に納税します。

印紙税はマンションの売却価格(契約の金額)に応じて、次のように変動します。

売却金額税額
100万円~200万円200円
200万円~300万円500円
300万円~500万円1000円
500万円~1000万円5000円
1000万円~5000万円1万円
5000万円~1億円3万円
1億円~5億円6万円
5億円~10億円16万円

 

売却益があるときだけ生じる税金

売却益が発生した場合は、「所得税」「住民税」「復興特別税」の3つを納めなければなりません。

それぞれマンションを保有していた期間が、短期(5年以内)か長期(5年以上)かによって、税率が変動します。また、特例により所有期間が10年を超える居住用の不動産には、さらに低い税率が容易されています。

所得税

所得税は、マンションを売却することで得た所得にかかる税金です。土地や建物などの不動産を売却して得た利益は、「譲渡所得」として扱われます。そのため所得税がかかりますが、譲渡所得は、会社からの給与をはじめとするほかの所得とは分けて計算されます。

住民税

住民税は、前年1~12月の1年間に得た所得に応じて支払う税金です。マンションの売買により得た売却益は所得であるため、その分を加算し、売却翌年の住民税額が決まります。

復興特別税

復興特別税は、東日本大震災の復興支援にあてられる税金です。2013年1月1日~2037年12月31日の間に発生する所得に対してかかる税金であり、この期間にマンションの売却益を得た場合に課税されます。

売却益が出たときに活用できる控除

マンション売却で利益が出たときは、「譲渡所得の特別控除」「所有期間ごとの軽減税率」が適用できるかもしれません。これらを適用することで、売却益が控除(差し引き)され、所得税や住民税を抑えられます。

譲渡所得の特別控除

譲渡所得の特別控除では、マンションの売却益から3,000万円までを控除できます。売却益が3,000万円までのマンションなら譲渡所得はゼロとなり、発生していないことになります。3,000万円を超えている場合でも、譲渡所得税や住民税、復興特別税を大幅に節税できるため、適用した方がお得です。

なお、この特別控除の正式名称は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」です。次のような条件を満たしていると、適用できます。(参考:No.3302 マイホームを売ったときの特例(国税庁)

【適用条件】
・売却したマンションが、自分が住んでいたものであること
・住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却していること
・売却した年から前々年までの間に、特定の特例を適用されていないこと

所有期間ごとの軽減税率

マンションをはじめとする不動産を所有していた期間により、売却益にかかる税率が変わります。

【所有期間ごとの税率】
5年以下:約39%
5年越え:約20%
10年越え(6,000万円以下の部分):約14%
10年越え(6,000万円超えの部分):約20%

売却損が出たときに利用できる控除

マンションを売却し、損失が出たときは、「譲渡損失の損益通算・繰越控除」が適用できます。売却損の金額を、給与をはじめとするほかの所得から控除できる特例です。一度の控除で売却損を相殺しきれない場合、3年目まで繰り越して控除できます。

例えば年間の総所得が500万円の人がマンションを売り、2,000万円の売却損が出た場合、次のように控除ができます。

繰り越し控除の一例※この場合、売却損がまだ500万円残っていますが、5年目以降には繰り越せません。

所得税や住民税は所得の大きさにより決まるため、かなりの節税効果を得られるはずです。マンションの売却で利益が出ることはあまりないので、たいていの場合、この特例を適用することになるでしょう。

なお、正式名称は「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」です。

ここまで紹介してきた特例について、もっと詳しく知りたい方には、こちらの記事がおすすめです。それぞれの特例の適用条件や実際の計算例などを、わかりやすく紹介しています。

仲介手数料無料でマンションを売却できるサービス

お伝えしたように、マンションを売却した際は、売却益の有無にかかわらず必ず確定申告を行いましょう。そうすることで、条件にあった控除を適用することができ、節税対策をすることができます。

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