中古マンションの頭金は多い方が良いのか?相場や適切な金額について解説

マンション購入

マンションをローンで購入する際は、頭金と呼ばれる前払い金を、自己資金から支払う場合があります。

頭金を多く払えば、その分だけ住宅ローンの借入額を減らすことができ、将来的な返済の負担は少なくなります。しかし、この低金利の時代に「そんなに多く払っても仕方ないのでは?」と疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、これから中古マンションの購入を検討している方に向けて、頭金の相場や多く支払うことのメリットと注意点について解説します。

頭金の役割についても基本的なところから解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

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中古マンション購入時の頭金とは

頭金は、中古マンションを購入する際の前払い金にあたるもので、売買契約の締結後、住宅ローンを組む金融機関に支払います。

頭金の金額は借り手が決めることができますが、どのくらい払うべきか悩むところでしょう。

住宅ローンには金利がかけられるため、借入額が多くなれば、金利の支払い額が増えてしまいます。借入時に頭金を多く支払えば、ローンで借り入れる金額が減るため、利息として支払う総額が減らせます。

頭金の相場は物件価格の約14%

全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」の利用者を対象に、住宅金融支援機構が調査した2021年度分の結果によると、頭金の相場は中古マンションで13.8%新築マンションで17.4%です。

2021年度の調査では、中古マンションの購入に必要な資金は3,026万円(全国平均)となっていることから、金額にすれば約400万円が頭金の平均と言えそうです。

ただし、この数値はあくまで平均なので、頭金の支払い金額や割合に絶対的な正解はありません。

次項からは、頭金が多い場合と少ない場合の比較をしていくので、それを参考に頭金の金額を検討してみてください。

頭金を多く支払うメリットと注意点

まずは頭金を多く支払う場合について、メリットと注意点を紹介します。

頭金は、一概に多い方がよいとも言えない場合がありますので、注意してください。

メリット

頭金を多く払うことのメリットは以下の3点が挙げられます。

  1. 支払う利息の総額を減らせる
    頭金を多く用意できれば、借入金額を抑えることができ、それに伴って支払う利息も減らせます。頭金を多く用意できれば、月々の返済金額を減らせますので、余裕も持ったライフプラン設計が可能になります。返済能力にもよりますが、返済期間を短くすることにも繋がります。
  2. 住宅ローンの審査に通りやすい
    金融機関で住宅ローンを組む際は、借り入れるかどうかをYESかNOで判断されるのではなく、現在の収入や借入の状況などに応じて借り入れ可能な上限の金額が決定されます。そのため、多くの金額を借り入れようとするほど難しくなります。しかし、頭金を多くすれば借り入れる金額を少なくできるので、住宅ローンの審査に通過しやすくなるわけです。
  3. 将来的な売却がしやすくなる
    購入したマンションを将来的に売却したり賃貸物件に変更したりする場合には、その時点で住宅ローンの残債をすべて返済する必要があります。年数とともにマンションの資産価値は落ちていくので、購入時よりも高く売るのは基本的には難しいものです。頭金を多くし、借入金額を減らせば、売却時に得た収入での住宅ローンの完済がしやすくなります。

 

デメリット

一方で、頭金を多く支払うことには以下のようなデメリットもあります。

  1. 手持ちの資金が減ってしまう
    頭金を無理して多く支払ってしまうと、一時的に自己資金の減少を招きます。そうなると、冠婚葬祭や、病気・けがなどの急な出費に対して、家計が苦しくなってしまうリスクが高くなります。
  2. 資金を貯めている期間の家賃が無駄になる
    頭金を多く支払うために、マンションを購入する期間を先送りにして、自己資金を貯めていると、その間の家賃は無駄になってしまいます(現在、賃貸に住んでいる場合)。マンションを購入した後も月々のローン支払いはありますが、将来的に売却することが可能です。すでにマンションの購入が決まっている状態で、賃貸物件に住み続けるのはデメリットと言えるでしょ。

 

頭金を少ない支払うメリットと注意点

頭金が少ない場合にも、メリットと注意点がそれぞれあります。頭金が少ないからこそのものも多いので、確認してください。

メリット

頭金を少なく払うことのメリットは以下の2点です。

  1. 住宅ローン控除の恩恵を多く受けられる
    住宅ローンを借りている人は、住宅ローン控除を受けることができます。この制度は「住宅ローンの残債総額の0.7%を、毎年の所得税から差し引ける」というもので、中古マンションの場合は、10年間適応されます。この制度による節税効果は、借入額が多いほど大きくなるので、あえて頭金を少なく払うことで、効果を最大化することができます。
  2. 手元に資金を多く残せる
    無理に自己資金から頭金を捻出しないことで、手元に資金を残せるので、その後の日々の暮らしを圧迫さにくく、万が一への備えもしやすくなります。

デメリット

頭金を少なく払うデメリットは、以下の通りです。

  1. 月々の返済額が多くなる
    頭金が少ない場合は、住宅ローンの返済総額が大きくなります。完済までの期限には定めがありますので、返済総額が大きくなれば、毎月の返済額も大きくなります。
  2. 審査の基準を満たせない可能性がある
    住宅ローンを組める金額には、「収入の〇倍」という基準が設けられています。頭金を少なく払うと借入額が増えることを意味しますが、収入が基準を満たせない場合は、希望する金額の借り入れができないことがあります。ローンの審査に落ちてしまうと、希望する物件を買い逃すリスクにも繋がります。
  3. 金利の優遇を受けられないことがある
    住宅ローンは、「物件金額に対して借り入れる金額が9割以下」といった条件を満たすと金利を低くする優遇措置が金融機関ごとに設けられていることがあります。頭金が少ないと、このような金利の優遇を受けられない可能性があります。

 

最適な頭金を決める方法

「1%を下回る超低金利」「住宅ローン控除による節税効果」という二つの側面から考えると、頭金を多く支払うメリットは少ないと言えそうです。将来の返済にしっかりと見通しが立つのであれば、頭金をあえて少なく抑えることを検討してみましょう。

具体的な頭金の目安を決めるには、返済計画のシミュレーションをしてみることをおすすめします。

自身の収入や希望する頭金の場合、「いくらまで借りられるのか」「欲しい物件を購入した場合、月々の返済はどれくらいになるのか」といったシミュレーションを行うことで、最適な頭金を決めることができるでしょう。

現在では、様々な金融機関や不動産系のポータルサイトが、無料のシミュレーションサービスをオンラインで提供しているので、まずは使ってみることをおすすめします。

購入可能額を調べる

月々の返済額を調べる

住宅ローンの頭金の支払い方法とタイミング

頭金の支払い方法は、銀行振り込みが一般的です。

マンションの購入は、売買契約の締結後、正式に住宅ローンを組み、そのお金で支払う流れになっています。そのため、頭金を金融機関に支払うタイミングは、売買契約の締結と住宅ローンの申し込み後、引き渡しまでの間になります。

まとめ

頭金の支払いについて考える際は、金額だけを意識するのではなく、支払い後の住宅ローンの返済や日々の生活のことまでを考慮する必要があります。

ぜひ今回の記事を参考に、自身のライフプランやマンション購入計画の見直しをしてみてください。

すむたすマガジン編集部

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