タワーマンション購入は、多大な費用がかかるため、十分な検討をした上で購入するか否かをを決めることが大切です。また、費用以外の部分でも、タワーマンションの購入には独自のリスクが伴うため、タワーマンションに住んだことがある人の様々な意見を参考にしていきたいところです。
この記事では、タワーマンション購入時の必要な費用、価格相場、実際に住んだときのメリットやデメリットなど購入時に考えるべきポイントについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてください.
タワーマンションを購入するメリット
まず、タワーマンション購入に関するメリットを様々な面から紹介していきます。
住環境に優れている
メリット①景色がきれい
タワーマンションのメリットとして取り上げられるのは、何といっても周囲の景色を広範囲に眺めることができる高さを持つことです。特に都市の夜景は美しく、多くの人々に人気です。周囲に建物や樹木などの障害物が少ないので眺望が遮られることなく、開放感ある景色を楽しむことができます。
また、タワマンは高層階に位置しているため、害虫が直接入り込む可能性が低くなります。なので低層階や地上にある建物に比べて害虫の侵入が減る傾向があります。
メリット②共用施設が豪華
タワーマンションには、多くの場合充実した共用施設があります。ロビーやラウンジでは、自宅に比べて広いスペースを味わえるため、快適な時間を過ごすことができます。また、プール、ジム、サウナ、バーベキューエリアなどのバラエティーに富んだ施設がある場合もあり、自分の趣味やライフスタイルによっては大きな魅力となりうるでしょう。
メリット③周辺施設が充実
タワーマンションの周辺には、ショッピングセンターや商業施設が多くあります。これにより、スーパーや衣料品店、雑貨店、レストラン、コンビニなどの多様な店舗が集まっているので日常の買い物やショッピングが便利に行えます。
子供向けの遊び場やドッグランなども近くにある場合が多く、家族やペットとの時間を楽しむことができます。また、交通の便が良い地域に建てられることが多いため、公共交通機関や主要道路へのアクセスが便利な場合が多いです。
メリット④資産価値が落ちにくい
タワーマンションは一般的に需要が高く、魅力的な立地条件を備えています。
都市の中心地や高級住宅地に位置している場合は、需要が持続的に続きやすく、将来的に売却したときの高値で売れる可能性も高いでしょう。
また、一部のタワーマンションは、有名なデベロッパーや建築家によって設計・建設されています。そのブランド価値やデザインの美しさが資産価値を高める要因となります。
防災・防犯に優れている
メリット⑤セキュリティ面が万全
タワーマンションは多くの場合、エントランスやエレベーターにセキュリティゲートが設けられているため、居住者からの許可がない部外者の侵入を防ぐことができます。
また、各部屋のドアはオートロック式になっており、共用部分には監視カメラが回っているため、安心感を得ることができるでしょう。
さらに、高層階では部外者が窓から侵入することの難易度が非常に高いというメリットもあります。
メリット⑥地震の心配は少ない
タワーマンションは建物が高いため、地震による被害を心配しがちですが、国が定めた厳格な耐震基準を満たすように設計されています。
具体的には、壁や柱に硬くて強い素材を使う、地震の揺れを吸収するダンパーという装置を建物に組み込む、建物と地盤の間に緩衝材を設置する、などの対策が施されています。
このような厳重な対策によって、一般的に想定されうる揺れ(震度6~7程度)では建物自体の損傷は起こらないとされています。
ただし、全ての被害が防がれるわけではなく、上層階での激しい揺れ、エレベーターが動かない、電気・ガス・水道が止まるなどのリスクには、住民一人ひとりが備える必要があるでしょう。
タワーマンションを購入するデメリット
次に、タワーマンション購入のデメリットを紹介していきます。
デメリット①管理費・修繕積立金が高い
タワーマンションは建物の外装や共有部分の設備が豪華だったり、24時間のコンシェルジュサービスがついていることが多いため、その分管理費や修繕費は割高になる傾向があります。
また、新築のタワーマンションでは売れ行きをよくするために修繕積立金が安くなっているケースがありますが、大規模修繕を行った時に別途で費用を請求されたり、築年数が古くなると月々の積立金が大きく増加するリスクがあります。
一般的な修繕積立金の相場について、こちらの記事をご確認ください。
デメリット②強風が吹くため外に洗濯物を干せない
デメリットの2点目は、外に洗濯物を干せない点です。タワーマンションは高層階になるほど風が強くなりやすく、万一洗濯物が飛ばされた場合にはかなり遠くに飛ばされてしまう可能性があります。
そのため浴室乾燥や乾燥機付きの洗濯機を使うことが多いと推測されます。
デメリット⑥エレベーターが混む
3つ目のデメリットは、エレベーターが混みやすいという点です。特に朝・夕の通勤通学の時間帯は、そこに住む多くの人が一気にエレベータを利用することになるため、エレベーターの本数やマンションの階数によっては、「乗るまでに時間がかかってしまう」という事態になりかねません。
混雑時のエレベーター事情は、購入前にチェックしておきたいところです。
タワーマンション購入に向いてる人
では、実際にタワーマンション購入に向いている人はどういう人なのでしょうか。
上記に書かれていることからタワーマンションの購入に向いてる人は、ある程度お金がかかってもより便利な生活を送りたいと思える経済的余裕があり、タワーマンションの知識がある程度備わっているためそのタワーマンションの資産運用ができるという状況にある人と 言えます。
また、明確にどのぐらいの期間住むか計画を立てて考えている人は住む期間によって売却時に使える制度などがあり、そのマンションごとに違ってきますが、最初から利益やリスクを考えて購入できる場合であればそうじゃない場合に比べ大きく不安を感じることは少ないでしょう。
タワーマンション購入の費用・相場・年収基準
タワーマンションは、通常のマンションと比べて価格が高いというイメージがあるかと思います。本章では、タワーマンションの相場価格や、購入に必要な年収の基準について解説します。
タワーマンション購入価格は相場5,000万円
SUUMOジャーナル編集部の調査によると、全国のタワーマンションの購入価格の目安として3000万~5000万円が相場となっています。
実際にタワーマンションの価格が5,000万円の場合にかかる諸費用と必要な資金として例を上げていくと、まず、現実的な面から月々の住宅ローン返済額は手取りの25%以内が目安なので、年収1,000万円あったほうが無難でしょう。
そうなると、手取り年収が約723万円となり、月々の返済額は15万0,612円になります。(住宅金融支援機構が公表している「フラット35利用者調査」から)
タワマン購入で後悔しないために
タワーマンション購入で最終的に後悔しないためにどのような観点から購入を考えていく必要があるのでしょうか。
タワーマンションは階層による検討も必要
タワーマンションは、「エレベーターの待ち時間が長い」「毎日の出入りが億劫になりそう」「洗濯物が外に干しにくい」などのデメリットがあります。このようなデメリットを回避したい場合は、低層階の物件も検討してみましょう。
低層階の物件であれば、上記のようなデメリットを緩和しつつ、タワマン特有の「堅牢なセキュリティ」「立地の良さ」「設備のグレードの高さ」などの恩恵を受けることができます。
また上層階の物件と比べて、価格が安い傾向があるため、「タワマンに住んでみたいけど、金銭面で無理はしたくない」という型にもおすすめです。
価格が落ちにくいタワーマンションを選ぶ
タワーマンションはいざ売却する際に購入の時の価格より高く売れる場合もあります。しかし、場合によっては購入価格よりもかなり安くなってしまったり、あるいは、買い手がいないということになってしまうことも十分にあり得ます。
では、どのような観点から選ぶべきなのかというと、①立地②管理状態の良さこの二つがあげられます。
まず、マンションの価値に最も影響を与える要素としてあげられるのは立地です。多くの人が住みたいと思うような人気エリアは、長期的にもマンションの需要が落ちにくいと考えられ、再販時に高く売れることができます。
具体的には、交通の便が良い・生活に必要な店が近くに揃っている・治安が良い、などの要素を持っているエリアが立地が良いと言えるでしょう。
次にあげられるのが管理状態の良さについてです。
管理状態の良いマンションは、築年数が経っても適切な修繕が行われているため、建物の老朽化が進みにくく、資産価値が維持されやすい傾向があります。
では、管理状態のいいマンションを見極めるためにはどうしたらよいでしょうか?
まず、見極めるためには内見や不動産会社が作成する資料等で住宅情報をしっかり確認することが重要です。例えば、「空室率の低さ」や「健全な修繕計画があるか」、「修繕積立金は滞納されずに十分な額が溜まっているか」などの情報は不動産会社が作成する重要事項説明書に記載されています。
内見をする際は、ゴミ置き場や植え込みなどの共有部分が綺麗に保たれているかを確認することで、適切な管理が行われているかを判断できるでしょう。
まずは賃貸でタワマン暮らしを試してみる
タワーマンションは通常のマンションと比べると購入価格が高いため、購入してから「思っていた生活と違った」という状況になったとき、金銭的な損失や落胆の度合いが大きくなってしまうでしょう。
「購入してみて気に入らなければ、売却すればよい」と考える方もいるかもしれませんが、仮に購入時と同等の価格で売れたとしても、マンションの売買時には「売買価格×3%」の手数料が発生します。価格の高いタワマンであれば、それだけ高額の手数料が発生することになってしまいます。
タワーマンションに住んでみたいけど、思い切りがつかない場合は、まずは賃貸として住んでみて、生活感を味わってから自分に適しているか判断するのもおすすめです。
よくある質問
管理費・修繕積立金は月々どれくらい
一般的に20階以上のマンションがタワーマンションといわれており、管理費・ 修繕積立金の月々の平均は合計3万5,119円とされています。また、19階以下のマンションの管理費・修繕積立金の平均は合計2万7,270円で約1.3倍の差があります。
築何年まで住めるのか
鉄筋コンクリート建てのマンションの法定耐用年数は47年とされていますが、これはあくまで税制上の価値が47年でなくなるという意味で、適切な修繕が行われれば、実際は100年住めるといわれています。
しかし、タワーマンションの建造は過去20年程度で盛んになっていることなので、耐用年数を過ぎた物件がどうなっているかは、まだ情報が揃っていないと言えるでしょう。
長期間に渡って住める物件が欲しいということであれば、先ほどお伝えしたように、とにかく管理状態が健全な物件を選ぶことが大切です。
タワーマンション購入に困ったらプロに相談を
不動産の購入・売却にあたっては、まずは信頼できるパートナーとなる不動産会社を探すことから始めるとよいでしょう。
また、賃貸か購入かを自分で判断できない場合は、ファイナンシャルプランナーに相談するという方法もあります。ご自身のライフプランを考えて適切な判断ができるよう、ぜひプロに相談してみてください。