中古マンションの査定を受ける前に、予備知識として中古マンションの成約価格や相場価格を調べる方が増えてきています。
また相場価格を調べることは、売却するつもりはなくても、物件のおおよその資産価値を把握することにつながります。
本記事では、中古マンションの成約価格・相場価格の調べ方、調べるときの注意点、査定サイトの賢い使い方などを解説します。
記事を最後まで読み進めていただければ、中古マンションの成約価格・相場価格の調べ方がわかり、自分でも調査できるようになることでしょう。
成約価格・相場価格を知ることは、中古マンションを売却する売主だけでなく、マイホーム購入を検討している買い手側にとっても重要です。簡単に調べられる方法もあるので、ぜひ実践してみてください。
中古マンションの成約価格の調べ方
中古マンションの売買においては「〇〇価格」という名称のものが複数あり、登場頻度の高いものとして、「査定価格」「売り出し価格」「成約価格」「売却価格」「相場価格」などがあります。
査定価格とは、その名の通り不動産会社が市場や過去の取引などをもとに査定を行い、売却プランを提案する一環として提示される価格のことです。
実際に売り出す際には不動産価格による訪問査定が一般的ですが、AIやWeb上で簡易的に行える査定もあります。
売り出し価格は、査定価格を鑑み、実際に一般市場で売り出した際のその価格のことです。
物件情報サイトなどに掲載されている価格が売り出し価格です。売り出し価格は売主が決めますが、相場より高いと買い手がつかず、安いと損をしてしまいます。
売り出し価格の設定時には査定価格や相場価格を参考に、「適正な売り出し価格はいくらか」を見極める必要があります。
成約価格とは、最終的に売買契約を締結したときの価格のことです。不動産の売買時には売主と買い手で価格交渉が行われることがほとんどです。
そのため、住宅情報サイトに掲載されている価格よりも、少し安い価格で売買契約が成立することも珍しくありません。
そのため、成約価格は売り出し価格よりも低くなる傾向があります。売却価格も成約価格と同じ意味合いで使用されています。
相場価格は、過去の不動産売買情報や時勢、物件の築年数や設備、立地などをもとに「物件が所有する資産的な価格を考慮し、その資産価値と市場で形成されるであろう需要価格」のことです。言い換えると、物件の適正価格となります。
ただし、まったく同じ物件は2つとなく、買い手もさまざまなので、あくまで予測の範囲となり、明確な正解はないため、各不動産で数十万~数百万円の幅があります。
不動産会社による査定は、相場をもとに行われるので、相場価格と査定価格は近いものとなります。
中古マンションを売却する際には、いくらで売り出すか、最終的にはいくらまで値下げを許容できるのかを決めておくことが重要です。その際には、自分が売りたいマンションの相場価格と、同水準のマンションの成約価格を知るとスムーズに値付けができます。
中古マンションの成約価格・相場価格を調べる方法は、主に3つの方法があります。
- レインズマーケットインフォメーション
- 土地情報総合システム
- 不動産会社の査定サイト
レインズマーケットインフォメーション
レインズマーケットインフォメーションとは、国土交通大臣の指定する機関が運用している不動産データサイトをまとめたサイトです。
このサイトでは、地域・最寄り駅・駅からの距離・間取り・築年数など条件を基に、自分の物件と類似している物件の成約価格を知ることができます。
レインズマーケットインフォメーションで成約価格を調べるには、次の手順で調査します。
- 所有マンションの所在地・地域選択し検索するをクリック
- 情報を利用する注意点が表示されるのでOKをクリック
- 所有マンションの内容を追加検索条件入力し検索をクリック(たとえば所有マンションが千代田区にあるなら、追加条件で千代田区を追加)
- 検索結果の中から所有マンションに似た条件のマンションを数個ピックアップ
- ピックアップしたマンション成約価格の平均値が、所有マンションの相場価格の予測値です。
ただしお住いの地域によっては、十分なデータが揃っていない可能性があります。また、マンションの市場価格は常に変動するため、あくまでも参考価格として捉えておきましょう。
土地情報総合システム(2024年3月末廃止)→「不動産情報ライブラリ」
土地情報総合システムとは、国土交通省が運営しているサイトで、国土交通省が行った成約価格調査アンケートを基にした情報が掲載されていたものです。現在、土地情報総合システムは廃止され、後継サービスの「不動産情報ライブラリ」になっています。
サービスの大きな特徴としては、情報の羅列だけでなく地図上で防災情報や学区、周辺施設などを重ねて表示できる点が挙げられます。
レインズマーケットインフォメーションと同様に、こちらのサイトでも条件を絞りながら中古マンションの成約価格を確認できます。また、不動産情報ライブラリでは、レインズと同じ成約価格情報に加えて、「不動産取引価格」と呼ばれる国土交通省がアンケートにより直接収集した成約価格も確認可能です。
不動産情報ライブラリで成約価格を調べる際の調査手順は次の通りです。今回は地図上で成約価格を表示させる方法を紹介します。
土地情報総合システムで成約価格を調べるには、調査手順は次の通りです。
- 地図から探したい方へor地域から探したい方へをクリック
- 価格情報のタブから、「不動産取引価格情報」「成約価格情報」の両方にチェックをつけ、チェックボックス右側にある「条件設定」の中から取引時期、不動産の種類を入力して検索をクリック
- 検索結果の中から所有マンションに似た条件のマンションを数個ピックアップ
- ピックアップしたマンション成約価格の平均値が、所有マンションの相場価格の予測値です。
ただしこちらのサイトも、地域によっては十分な情報が揃っていない可能性があります。
不動産会社の査定サイト
不動産会社が運営する査定サイトを利用しても成約価格・相場価格を確認可能です。
不動産会社の査定は、不動産のプロが最新の情報に基づいて価格を算出するので、より正確な価格を知ることができるのが強みです。
ただし会社によっては、営業目的で意図的に高すぎる価格を提示する可能性があります。また、査定後はメールや電話などで「うちで売却しませんか?」という面倒な連絡が続くことも考えられます。
最近では、査定にAIなどのテクノロジーを活用し、迷惑な営業なしで客観的な価格を知れるサービスも普及しています。中でも、株式会社すむたすが提供しているAI査定は、簡単な物件情報を入力するだけで、「物件が実際に売れる価格」を知ることができるのでおすすめです。
中古マンション成約価格を調べるときの注意点
中古マンションの成約価格・相場価格を調べるときに、注意しなければならないことがあります。
レインズマーケットインフォメーションや不動産情報ライブラリは類似した物件の過去の成約価格を知ることができます。ただし、マンションの価格は物件の細かい要素や、成約時期によって異なるため、価格を鵜呑みをすることは危険です。利用する場合は、あくまで相場価格の目安がわかるだけと思っておきましょう。
不動産会社の査定サイトは、上記のサイトよりも正確な価格が算出されます。
ただし、どのサイトも営業目的で運営されているため、価格が意図的に高く提示される可能性はあります。あえて高い査定価格を提示し、媒介契約につなげようとする悪質な不動産会社もありますので、適正な価格を知るためには、最低でも3社程度に査定を依頼し、結果をよく比較するようにしましょう。
また、高い査定価格には根拠を確認することをおすすめします。一方で、不自然に低い査定価格は、相場がつかめていない可能性があります。
査定価格が相場に即したものかどうかは、自身が相場感をつかめていないと判断できません。不動産会社の査定の前には、レインズマーケットインフォメーションや不動産情報ライブラリを活用して、情報収集するようにしてください。
査定サイトの賢い使い方
不動産会社の査定サイトを利用する際は、客観的な価格を算出できるサイトを利用すべきでしょう。
しかし、世の中には非常にたくさんの査定サイトが存在するため、どのサイトが良いのか判断するのは難しいです。
そこで本章では、信頼できる査定サイトの特徴を解説します。
AI査定
近年では査定にAIを活用しているサイトが増えています。AIを活用することで、人間の主観による価格のブレを抑え、統計に基づいた客観的な価格を算出することができます。
ただし、AI査定の情報源は過去の成約価格であるため、現在の市場状況が反映されづらい傾向があります。そのため、AI査定の結果は一つの判断材料と捉えておくのが無難でしょう。
買取会社の査定
買取会社とは、買い手を探すのではなく、買取会社が買い手として売主から物件を直接購入し、リノベーションなどを施してから別の個人に売却する会社のことを指します。
買取会社の査定は、一般的な不動産会社の査定とは異なり、「あなたの物件をこの金額で買取ります」という確定的な売却可能金額が提示されます。そのため、換金性の観点で根拠の強い価格といえます。
一方で、買取会社の査定額は一般的な不動産売却と比較すると、2~3割程度安く算出されるという特徴があります。買取会社の査定額は、「最低でもこれくらいで売れるんだな」という最低保証価格と捉えておくとよいでしょう。
知り合いが働いている不動産会社
もし知り合いが不動産会社で働いていたり、個人で不動産エージェントをしている場合は、個人的に査定を依頼することをおすすめします。
知り合いからの依頼であれば、営業目的で不誠実な査定をする可能性は低く、中立性の高い価格を算出してくれることでしょう。
主な一括査定サイト
一括査定サイトとは、複数の不動産会社に同時に査定依頼ができるものです。サイトによっては次項から紹介する注意が必要なものもありますが、ここでは、使い勝手のよい優良な一括査定サイトを2つ紹介します。
・LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)
LIFULL HOME’Sは株式会社LIFULLが運営する不動産住宅サイトです。一括査定を依頼する際の大きな特徴としては電話番号や氏名の入力が不要で、匿名で一括査定依頼ができる点です。電話番号の登録が必要ないため、その後不動産会社から電話営業をされる心配がありません。
一括査定依頼後に、それぞれの不動産会社から提示される査定価格は、LIFULL HOME’S上にある自分専用のページで確認します。それを見て、詳しく話を聞いてみたい不動産会社に対しては、その段階で初めて直接やり取りする流れになっています。
・すまいValue
すまいValueは、住友不動産販売、東急リバブル、小田急不動産、野村不動産ソリューションズ、三井不動産リアルティ、三菱地所ハウスネットの不動産大手6社が共同で運営している一括査定サイトです。
最大の特徴は、査定依頼をする相手がこれら大手6社に対してのみであることです。実績のある大手に査定してもらいたいという場合や、ある程度不動産会社の数を絞って査定したいという方にはおすすめです。匿名での査定はできず、氏名・電話番号・メールアドレスの入力は必須となっています。
一括査定サイトを利用するときの注意点
近年メジャーになっている査定方法に、一括査定サイトがあります。
一括査定サイトは、一度に複数の会社に査定を依頼できる点が便利である反面、注意しなければならないポイントがあります。
本章では、一括査定を利用するときの注意点を紹介します。
1~2割ほど価格が割り増しされることが多い
前述したように不動産会社からは、売主からの契約を取り付けるために相場よりやや高い査定額が提示される可能性があります。
特に一括査定サイトの場合は、複数の会社が一人の売主を巡って競合する状態になるため、「高い金額を提示して、売主の興味を引こう」というインセンティブが発生しやすくなります。
その結果、妥当な価格から1~2割ほど割り増しされた価格が提示されることが多いです。もちろん割り増しされた金額で物件が売れる可能性は決して高くありません。
結果を比較したときに、明らかに高すぎる価格を提示している会社がある場合は注意するようにしましょう。
営業電話が大量にかかってくる
一括査定サイトを利用する際は、電話番号の入力が必須であることが多く、査定後に各社から営業目的の電話が大量にかかってくる恐れがあります。
長期間、複数の不動産会社から営業電話が掛かってくると、冷静な判断ができなくなるため注意しなければなりません。
まとめ
本記事では、マンションの成約価格・相場価格の調べ方についてお伝えしました。
参考になる価格を知るためには重要なのは、中立性の高い査定サイトを選ぶことです。
もしマンションの正確な相場価格を知りたいのであれば、すむたす売却のAI査定がオススメです。
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