リノベーションマンションを購入するメリット
リノベーションマンションを購入することには、新築や中古の物件にはないメリットがあります。中古物件を購入し、自分でリノベーションするケースと比べても、時間的・金銭的なメリットが大きいです。リノベーションマンションを購入するメリットを、3つ紹介します。
物件選びの選択肢が広がる
リノベーションマンションを購入する1つ目のメリットは、「物件選びの選択肢が広がる」ことです。新築と中古に加え、リノベーションマンションという選択肢が加わることで、選べる物件は増えるでしょう。
リノベーションマンションは新築のようなきれいさと、中古マンションならではの「立地の良さ」を兼ね備えていることもポイントです。新築マンションの新しさ、きれいさは魅力的ですが、好条件のエリアにはすでにほかのマンションが建っていることも多いでしょう。古くから建っている中古マンションは、好立地にある物件も多いです。
新築と中古のいいとこ取りをしたリノベーションマンションを購入候補に加えることで、選択肢は一気に広がるでしょう。
きれいなマンションを比較的安く購入できる
リノベーションマンションを購入する2つ目のメリットは、「きれいなマンションを比較的安く購入できる」ことです。リノベーションマンションは、同じ築年数帯の中古マンションよりは高いかもしれませんが、新築よりは安いです。しかし、部屋のきれいさや設備の新しさは、新築マンションとそう変わりません。
グラフが示すように、マンションの価値は築年数とともに下がっていき、築25年では新築の半分ほどになります。裏を返せば、築25年以上のマンションは、新築の半額ほどで買えるということです。
もちろん、「築25年以上のマンションを買えばいい」というわけではありません。築年数が上がるほど修繕の必要性は高まっていきますし、価値が落ちるほど売却もしづらくなります。ただ、築年数がそれなりのリノベーションマンションには、買主にとってコスパに優れた物件が多いのは事実でしょう。
自分でリノベーションするより安く済むことも
リノベーションマンションを購入する3つ目のメリットは、「自分でリノベーションするより安く済むことも多い」ことです。さすがに、すでに持っているマンションをリノベーションする場合は別として、中古マンションを購入して自分でリノベーションするよりも、はじめからリノベーションされているマンションを買った方が安く済むでしょう。
面積や工事の内容により振れ幅は大きいですが、60㎡のマンションをリノベーションするなら、費用は1,000万~1,500万円ほどは見ておきたいです。
リノベーション用ということで築年数の古い、安い物件を購入するとしても、60㎡の物件なら3,000万円はかかるでしょう。物件購入費とリノベーション費用を合わせると、4,000万~5,000万円ほどはかかる計算です。
リノベーションマンションは同じ築年数帯、同じ広さ・間取りの中古物件よりも多少高いかもしれませんが、リノベーション費用をそのまま上乗せしている物件は少ないでしょう。リノベーション費用をそのまま上乗せし、同レベルの物件と比べて高すぎる価格にしてしまうと、買い手が見つからないからです。
リノベーションマンションを購入するデメリット
リノベーションマンションは新築と中古のいいとこ取りをした物件とお伝えしましたが、リノベーションマンションならではのデメリットもあります。買主にとって特に気になるであろうデメリットを3つ紹介するので、物件選び、購入判断の参考にしてみてください。
外観や共有部分は古い
リノベーションマンションを購入する1つ目のデメリットは、「外観や共有部分は古い」ことです。リノベーションされているのはその部屋だけであり、マンションの外観や共有部分は古いままです。内見時はあまり気にならなくても、購入し、長く暮らしていくうちに、古い部分が目に付くようになるかもしれません。
目に見えない設備部分が古いままなことも
リノベーションマンションを購入する2つ目のデメリットは、「目に見えない設備部分が古いままな物件もある」ことです。壁や床の内部、給排水管や電気配線などの見えない部分まで、きれいに改修されているとは限りません。自分でリノベーションするなら工事のときに気づけるかもしれませんが、リノベーション済みなら、このような部分は目に見えないでしょう。
購入時は問題なくとも、見えない部分の老朽化が進むうち、不具合が出てくるかもしれません。
リノベーション費用が上乗せされていることも
リノベーションマンションを購入する3つ目のデメリットは、「リノベーション費用が上乗せされているマンションもある」ことです。基本的に、リノベーションマンションはそうでない中古マンションに比べると割高でしょう。ある程度の上乗せは仕方ありません。
しかし、リノベーション費用をそのまま上乗せしているような物件は少ないです。同レベルの物件と比べて極端に高くなってしまうと、買い手がつかなくなってしまいます。
リノベーションマンション選びのチェックポイント
リノベーションマンションは新築物件よりはずっと安いものの、同じ築年数帯の中古物件よりは高いでしょう。大きな買い物であること、そこに住み続けることを考えると、物件選びには慎重になるべきです。特に、次の5つのポイントは重点的にチェックしましょう。
築年数と耐震基準はどうか?
リノベーションマンションを選ぶ1つ目のポイントは、「築年数と耐震基準はどうか?」です。築年数が上がるほどマンションの価値は低くなり、修繕の必要性も高くなっていきます。将来売却する可能性や、修繕積立金のことも考えながら、築年数をチェックしましょう。
ただ、築年数が古いマンションがダメなわけではありません。少なくとも安全性に関しては、築年数だけでなく、耐震基準も併せてチェックすべきです。耐震基準は1971年、1981年、2000年に大きく改正されています。特に1981年以前の基準は「旧耐震」、それ以降は「新耐震」と呼ばれ、安全性も大きく異なります。
覚えておきたいのが、耐震基準は建物を建てたタイミングではなく、確認申請を受けたタイミングで適用されることです。旧耐震から新耐震に切り替わったのは1981年6月1日ですから、それ以降に確認申請を受けたマンションは、新耐震の基準をクリアしていることになります。
リノベーション費用は価格に上乗せされているか?
リノベーションマンションを選ぶ2つ目のポイントは、「リノベーション費用は価格に上乗せされているか?」です。リノベーションマンションは、同じ築年数帯の中古物件よりもきれいで、設備も新しいです。多少割高な物件もあるでしょう。同じ築年数帯の物件との比較も大切ですが、同レベルの物件との比較も忘れてはいけません。
リノベーションマンションに限りませんが、不動産を買うときは、類似物件の価格を調べて相場感を把握しましょう。「リノベーションされているから、高くても仕方ない」と考えるのではなく、同レベルの物件の相場を基準にするのです。
どんなリノベーション工事をしたか?
リノベーションマンションを選ぶ3つ目のポイントは、「どんなリノベーション工事をしたか」です。自分でリノベーションをする場合は、工事の際に天井や壁の内側のような「目に見えない部分」もチェックできるでしょう。
しかし、工事が完了しているリノベーションマンションでは、そうもいきません。目に見えない部分の老朽化がひどくなると、不具合が起こることもあります。どこを、どんな風に改修したのかを確認し、安心して暮らし続けられる物件を選びましょう。
安心できる物件を探す方法は記事後半でも解説していますが、簡単なのは、「適合リノベーション住宅」を選ぶことです。
適合リノベーション住宅とは、一般社団法人リノベーション協会が定めた規格で、これに沿って工事や検査を行うこととなります。例えば天井や壁の内部、給排水管のような目に見えない部分にも基準が設けられ、第三者による検査が行われます。
一般の方が、改修内容を隅々までチェックするのは難しいです。適合リノベーション住宅の中から物件を選ぶことで、基準を満たしていない「リスクのある物件」を避けられるでしょう。
配管・水回りの状態は?
リノベーションマンションを選ぶ4つ目のポイントは、「配管・水回りの状態は?」です。配管が古くなると、トイレや浴室からの排水が詰まり、最悪使えなくなることもあります。専有部分(室内)の配管・水回りの心配は、先述の「適合リノベーション住宅」を選ぶことで解消できます。
ただ、共有部分は別です。マンション全体が古くなり、きちんとした修繕がされていないと、共有部分の配管に不具合が起こるかもしれません。修繕積立金が不足している場合や、修繕の必要性が軽視されている場合、買主としては不安が残るでしょう。
マンション全体の修繕計画は?
リノベーションマンションを選ぶ5つ目のポイントは、「マンション全体の修繕計画は?」です。リノベーションマンションは室内がきれいなため、新しい物件のように感じるかもしれません。しかし、マンション全体は古いままです。
マンションが古いということは、修繕の必要性も高くなるということです。新築でも中古でも、マンションを購入すると管理費や修繕積立金を支払わなければなりません。特に修繕積立金は、築年数が古くなるほど高くなったり、積立状況が芳しくないときに一時金を徴収されたりすることもあります。
見た目が古いだけでなく、修繕が必要なこと、そのための費用を支払わなければならないことは覚えておきましょう。修繕計画もチェックし、積立金が高くなる可能性も考えて、余裕のある資金計画を立てましょう。
リノベーションマンション購入時の不安を解消する、2つの相談先
リノベーションマンションには「目に見えない部分がきちんと改修されているか」「部屋は新しくても建物自体は古く、修繕状況や修繕積立金が気になる」といった不安もあります。このような不安を解消するための相談先を、2つ紹介します。
ホームインスペクションを依頼する
リノベーションマンションの工事に関する不安は、「ホームインスペクション」を依頼することで解消できるでしょう。ホームインスペクションとは、資格をもつ第三者に住宅診断をしてもらうことです。
診断を受けることで、目に見えない部分もきちんと改修されているのか、物件はどのくらい劣化しているのかがわかります。どんな改修工事がいつ頃必要になるのか、その時どのくらいの費用がかかるのかなど、将来を見越したアドバイスも受けられます。
不動産会社に相談する
リノベーションマンションに関する不安は、信頼できる不動産会社に相談するのもいいでしょう。不動産会社に施工結果報告書を見せてもらいながら、問題点がなかったか、どんな工事が行われたのかを説明してもらうのがおすすめです。
不動産会社には工事だけでなく、マンションの管理体制についても相談できます。修繕計画はどうなっているのか、修繕積立金は上がりそうなのかなどは、資金計画を立てるうえで欠かせない情報です。不動産のプロと相談しながら資金計画を見直すことで、将来のリスクも軽くできるでしょう。
リノベーション済みvs自分でリノベーション、どちらがおすすめ?
リノベーション前提で中古マンションを探していて、「リノベーション済みのマンションを買う」のと、「中古物件を買って自分でリノベーションする」のと、どちらにすべきか迷っている人もいるでしょう。それぞれのメリット・デメリット、どんな人におすすめなのかを紹介します。
価格や手間で考えるなら「リノベーション済み物件」
価格や手間で考えるなら、「リノベーション済みの物件」を購入するのがおすすめです。リノベーション済みのマンションの方が、中古物件を買って自分でリノベーションするよりも安価で済むことが多いです。
リノベーションプランを考えたり、工事中の仮住まいを探したりする手間も省けます。仮住まいが必要なければ、仮住まいの家賃やそこからの引越しの費用もかかりません。
自由度で考えるなら「自分でリノベーション」
間取りやデザインの自由度で考えるなら、「中古物件を買って、自分でリノベーションする」のがおすすめです。リノベーションマンションとはいえ、希望にピッタリ合う物件はなかなか見つからないかもしれません。特に、不動産会社が直販しているリノベーションマンションは、ターゲット層を広げるためにオーソドックスな間取りになっていることが多いです。
自分でリノベーションするなら、間取りもデザインも自由です。立地と広さ、リノベーションプランに合った構造のマンションさえ見つかれば、理想どおりの住まいを造れるでしょう。少し奇抜な住まいを考えているなら、自分でリノベーションした方がいいかもしれません。
ただ、中古物件を購入して自分でリノベーションするのは、リノベーションマンションを買うよりも割高になるでしょう。リノベーションプランが決まるまではリノベーション費用も確定せず、資金計画も立てづらいです。
きれいで安価なリノベーションマンションを、購入候補に入れてみよう
本記事では、リノベーション済みマンションの購入について解説しました。中古マンションを自身で購入した後にリノベーションする方が自分好みの住まいを実現することが可能な反面、費用が高くなることや引越しが完了するまでに時間がかかってしまうという側面も持ち合わせるため、既にリノベーションがしてあるマンションを購入するというのを一つの手として考えるのも非常にオススメです。
もし、リノベーション済み問わず中古マンションを購入したいと考えた際はぜひ一度すむたすにご相談ください。すむたすはお客様に合った最適な選択肢をご提示させていただくことをお約束します。「できるだけ楽に売買活動を進めたい」「そもそも何から準備すればよいか分からず不安だ」「リノベーション済み物件にするか悩んでいる」という方は、まずはオンラインの無料査定からお気軽にお申し込みください。