【この記事で分かること】
- 住宅ローンを払えなくなるとどうなるか
- 住宅ローンを払えないときはどうすればいいか
- 住宅ローンが払えない状況を生まないためにできること
定年後に住宅ローンが払えない理由
住宅ローンが支払えない理由はさまざまです。ライフステージの変化で支出が増えたり、仕事を失い収入が減ってしまったり、病気を抱えてしまって今まで通り働けなくなってしまったり、人によって理由は異なります。定年後に限ると、以下の2つの理由で住宅ローンを支払えなくなる方が多いです。
定年後に住宅ローンを払えない2つの理由
- 退職金が少ない
- 定年後の収入が少ない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
退職金が少ない
住宅ローンは毎月相当な額の返済が発生するため、できれば定年後には持ち越したくないものです。そのため、退職金での一括返済をする人が多くいます。退職金の想定額を資金計画に組み込んで、住宅ローンの返済をしている人もいるでしょう。
しかし、退職金が想定していたものより少ないと、資金計画が崩れてしまい、思っていた通り払えないことになりかねません。定年後の収入がない方は、貯金を切り崩しての生活をしなくてはいけないうえに、住宅ローンの返済も重なってしまうことにもなるでしょう。定年から年月が経つほど、住宅ローンを払えない状況になりやすいです。
定年後の収入が少ない
最近では定年後に再就職する人も増えています。最近の定年は60歳や65歳が一般的です。しかし、年金を貰い始められるのは70歳からであるため、それまで再就職をしないと貯金生活を余儀なくされてしまいます。貯金を切り崩しながら住宅ローンも返すとなると、かなり家計を圧迫することになるでしょう。
定年後の再就職では、収入が定年前よりも下がる傾向にあります。再就職時の給料は、現役時代の7割から8割と言われています。「定年後、再就職すれば大丈夫」と、現役で働いていた頃と同じ返済スケジュールを考えていると、どこかのタイミングで住宅ローンが払いない事態になってしまうでしょう。
住宅ローンを払えないとどうなる?
住宅ローンが払えない状況になると、どのようなことが起こるのでしょうか。住宅ローンを滞納したままにしておくと、以下の流れで自宅を失うことになってしまいます。
住宅ローンを滞納した場合の流れ
- 督促状が届く
- 住宅ローンの一括返済を求められる
- 競売にかけられる
- 強制退去を命じられる
それぞれのステップについて解説していきます。
督促状が届く
住宅ローンが払えないと、債権者から電話やメールで返済の連絡がきます。しかし、連絡を無視したり、支払わないままでいたりすると、今度は督促状が届きます。
ただ、最初の1ヵ月は返済額が口座に入っていなかっただけと認識されることもあり、連絡が入るだけであることが多いです。
住宅ローンの一括返済を求められる
住宅ローンは大きな額の契約であるため、基本的には分割で支払う権利が与えられています。しかし、督促状が届いているのにもかかわらず対応しないままでいると、分割払いの権利が剥奪され、一括での返済を求められます。
分割の返済額が払えないのに、一括で支払えるわけがありません。特に定年後だと、貯金をすべて返済に充てるわけにもいかないので、一括返済は厳しいでしょう。一括で払えない場合には、保証会社が代わりに債権者に一括返済をしてくれる、代位弁済が行われます。代位弁済が行われると、その後の返済先は住宅ローンを借り入れた金融機関や銀行から保証会社に変わります。
競売にかけられる
保証会社への返済も行えないままでいると、今度は保証会社が完済を求めて、裁判所に対して競売の申し立てをします。競売とは債権者が抵当権を使って、対象の不動産を担保に、債務者に住宅ローンの完済を求める制度です。裁判所にて申し立てが承認されると、競売開始の通知が債務者の元に届きます。
競売では、債務者の意向は全く反映されません。売却時期や価格などは、すべて債権者と裁判所が決定します。競売物件は、広告掲載や内見をすることができず、買い手から見るとリスクが高いため、売却価格は市場価格の6~7割程度になると言われています。そのため、自宅を失うだけでなく、競売後も多くの残債が残り、返済負担に苦しむことになるでしょう。
強制退去を命じられる
競売で不動産が売られてしまうと、強制退去を命じられます。引っ越しのタイミングも自分で決めることはできません。どんな都合が合ったとしても、退去を命じられたら出ていかなくてはならないのです。
競売の通知が来たら、早めに引越しの準備をしておきましょう。
定年後に住宅ローンを払えないときの対処法
ここまで見てきたように、定年後に住宅ローンを支払えない状態をそのままにしておくと、自宅を失い残債の返済義務だけが残るという最悪の事態になってしまいます。最悪の事態を避けるためには、住宅ローンが支払えないとわかった際に、なるべく早く適切な対応をすることが重要です。定年後に住宅ローンを支払えない際の主な対処法は以下の4つです。
定年後に住宅ローンを払えない場合の対処法4選
- 自宅を通常の方法で売却する
- 借入先の銀行などに相談する
- 自宅を任意売却する
- 自宅をリースバックする
自宅を通常の方法で売却する
定年後、住宅ローンが払えないことがわかったら、早いタイミングで売却をしてしまうのがおすすめです。ローンをまだ滞納しておらず、売却価格がローン残債を上回るアンダーローンの状態なのであれば、一般的な方法での売却が可能です。売却益を住宅ローンの完済に充てられるので、定年後に残債を払えなくなる心配もなくなります。
ただし、買い替えをしてしまうと新たな住宅ローンを組まなければならなかったり、二重でのローン返済(ダブルローン)が必要になったりします。売却した後の住居については、十分に考慮しておきましょう。
売却の流れなどの詳しい内容はこちらをご覧ください
借入先の銀行などに相談する
住宅ローンが払えないのであれば、滞納をしてしまう前に債権者に返済計画見直しの相談をしましょう。現役時代に返済額を増やしたり、返済期間を伸ばして毎月の支出を抑えたりなど、方法はさまざまです。債権者も滞納されるよりは、条件を変えてでも完済してもらいたいでしょう。
自宅を任意売却する
住宅ローンをすでに滞納している場合や、ローンの残債が売却益を上回るオーバーローン状態である場合は、一般的な方法での売却ができません。このような場合には、債権者に売却の許可を得る「任意売却」を検討しましょう。
任意売却は、競売と比べて、債務者の意向が反映されやすかったり、ほかの物件と同じように広告が掲載できたりと、さまざまなメリットがあります。
自宅をリースバックする
家を売却した後に住む場所がなくなってしまうなら、リースバックを検討してみましょう。リースバックとは、家を売った後に賃貸契約を結び、売却後も家賃を支払って同じ家に住み続けられる仕組みです。
居住目的の買い手でなければ、買い戻しの余地もあります。通常の売却にせよ任意売却にせよ、リースバックができないか相談してみましょう。
定年後に住宅ローンが払えなくなる前にするべきこと
定年後に住宅ローンを支払えない状況に陥る人は少なくありません。まだ定年を迎えていない方は、事前に以下の2つの対策を行うことが重要です。
- 定年後の資金計画を立てておく
- 定年後の再就職の準備をしておく
定年後の資金計画を立てておく
定年後は、限られた予算の中で、生活費や住宅ローン返済をやりくりしなくてはいけません。生活費は毎月どれほど必要なのか、ローンの月々の返済額はいくらなのか、しっかりとシミュレーションをしておきましょう。
定年後の再就職の準備をしておく
定年後の資金計画を立てた際、資金が不足しそうな場合は、定年後の再就職を見据えて準備をしておきましょう。
再就職は条件が厳しく、希望通りに進められないことも多いです。しかし、しっかりとした資金計画を立てていれば、どんな会社に応募すべきなのか、そのために必要なスキルや知識は何なのかを見極めやすく、準備もしやすいでしょう。
定年後に自宅を素早く売却する方法
定年後に住宅ローンを支払えなくなる方は多いです。住宅ローンの滞納を放置してしまうと、自宅を失い多額の残債だけが残る最悪の事態になってしまいます。
住宅ローンを支払えないことがわかったら、なるべく早く自宅の売却などの対策を行うことが重要です。また、売却に時間をかけすぎてしまうと結局競売になってしまうため、なるべく素早く売却を完了することが重要です。
そこでオススメなのが、すむたす売却です。
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