「マンションを売りたい!」と思った方が最初につまずくのが、売却活動の複雑さと、学ぶことの多さです。
マンション売却を成功させるためには、正しい知識が必要不可欠。
しかし、知るべきことが多すぎて、理解が追いつかない…。
調べてみたは良いものの、情報量の多さに読む気も起こらない…。
本記事では、マンション売却に必要な知識を、流れに沿って簡潔にお伝えします。
各項目には、より詳細に解説している「記事」へのリンクを設置しています。マンション売却を成功に導くため、マンション売却総集編とも言える本記事で知識を深めましょう。
マンション売却の流れ
マンションの売却の流れは、次の「8段階」に分けられます。
- 事前準備
- 査定の依頼
- 媒介契約の締結
- 販売活動
- 売買契約の締結
- 決済
- 引き渡し
- 確定申告
それぞれ簡単に解説します。
事前準備
マンションの売却相場を調べ、手続きに必要な資料を用意しましょう。
査定の依頼
査定価格と「事前に調べた売却相場」を照らし合わせ、妥当な価格か判断しましょう。
媒介契約の締結
売却活動を行うために必要な「媒介契約」には、3つの種類があります。
媒介契約には以下の3種類があります。
それぞれの媒介契約の特徴は以下の表の通りです。
【3種類の媒介契約の特徴】
※表は左右にスクロールできます。
項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
他社との契約 | 可 | 不可 | 不可 |
レインズへの登録義務 | なし | あり(契約日から7営業日以内) | あり(契約日から5営業日以内) |
売却活動の報告義務 | なし | あり(14日に1回以上) | あり(7日に1回以上) |
契約期間 | 3ヶ月が一般的(法律による規定はなし) | 最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 |
契約の自動更新 | 特約で規定される場合あり | なし | なし |
自己発見取引の可否 | 可 | 可 | 不可 |
自身に合った媒介契約を選びましょう。それぞれの媒介契約の特徴について詳しく知りたい方は、以下の記事もご確認ください。
販売活動
どの不動産会社、どんな媒介契約でも、次の3つは売主自身でも対応しなければなりません。
売買契約の締結
仲介でも買取りでも、買主が決まったら売買契約を結びます。契約内容を丁寧に確認し、後から「考えていたことと違った」とならないようにしましょう。
決済
契約成立後は、入金口座を正しく指定できたか、よく確認しましょう。
引き渡し
マンションと鍵を引き渡します。
基本的に、不動産会社が段取りをしてくれるため、指示に従いましょう。
確定申告
マンションの売却益にも、所得税と住民税が発生します。
納税のタイミングはそれぞれ、次の通りです。
住民税:確定申告後の6月
各段階の詳しい手順や必要書類について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
マンション価格査定は避けて通れない
マンション売却において、価格査定は避けて通れません。
ここからはマンションの価格査定の方法や注意点について、詳しく解説します。
マンションの価格査定の流れ
マンションの価格査定は以下の流れで進みます。
- 査定を依頼する
- 査定の訪問日時を決める
- 現地調査をしてもらう
- 必要な書類の確認と提出
- 査定結果をもらう
それぞれのステップについて、簡単に解説します。
査定を依頼する
基本的に、どの不動産会社も査定に対応しています。
不動産会社による査定には、費用がかかりません。
査定の訪問日時を決める
正確な売却価格を求めるための「現地調査(詳細査定)」の日取りを決めます。
現地調査をしてもらう
現地調査には必ず立ち会い、業者がどのようなポイントをチェックしているのか確認しましょう。
査定のポイントを覚えることで、ほかの業者が誤った調査をしても、気付けるようになります。
必要な書類の確認と提出
現地調査後に、業者に必要書類を確認、提出しましょう。
査定結果をもらう
すべての手順を済ませたら、査定結果の報告を待ちましょう。
金額だけでなく、「どのような根拠に基づく価格なのか」「他社と比較してどうなのか」を、必ずチェックしてください。
また、一般的な「不動産会社への査定依頼」以外にも、次の3つの査定方法があります。
データを活用した「シミュレーターによる査定」
複数の業者で1度に査定できる「一括査定サイト」
各ステップの詳細や、具体的な必要書類について詳しく知りたい方には、以下の記事もオススメです。
手始めにマンション一括査定をしてみよう
マンションの売却は、「マンションの価値」を知るための「売却査定」からはじまります。
売却査定は、「不動産会社」「不動産鑑定士」などの専門家による、売却価格の予想サービス。
過去の事例や市場価格を基に、予想売却価格(査定価格)を算出してもらいます。
売却査定は、必ず「複数の業者」に依頼してください。
1社でしか査定をしないと、満足のいく売却はできません。
とはいえ業者ごとに、手続きや書類提出をするのは面倒。手間と時間がかかります。
まずは、複数の業者に査定を依頼できる「一括査定サイト」を使いましょう。
Webブラウザから、必要な情報を入力・送信するだけで、複数の業者にまとめて査定依頼を出せます。
複数の業者から査定を受けることには、次の3つのメリットがあります。
- 相場価格がわかる
- 査定結果を比べられる
- 自分にぴったりな業者を見つけられる
ただし、複数の業者に依頼することは、多くの業者に自分の連絡先を伝えるということ。
「マンションを買い取りたい」というたくさんの業者から、営業の電話やメールがくることも考えられます。
また、利用するサイトに登録していない業者には、依頼を出せません。
「査定依頼したい特別な業者」がある場合は、自身で、別途依頼を出しましょう。
一括査定のメリットや、利用時の注意点を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
マンション査定サイトを利用する
前項で紹介した「一括査定サイト」。利用前に知っておくべき「注意点」について、補足します。
不動産一括査定サイトを利用するに当たり、「一番査定価格が高い会社に依頼するのが良さそう」と思う方が多いのではないでしょうか。実際は、査定価格の高さだけで不動産会社を選ぶのは、リスクが大きいです。
不動産会社の中には、「高預かり」のような不誠実な行為を行う会社もあります。「高預かり」とは、媒介契約を獲得するために、実際には売れる見込みのない高い査定価格をわざと提示することです。「高預かり」の被害に遭ってしまうと、売却活動が長期化する可能性が高くなってしまいます。
複数の業者を比較することで、売却価格の目安を知ることのできる一括査定サイトはとても便利です。一方で、価格だけで不動産会社を選ぶことはオススメしません。あくまでも査定価格は判断要素の一つとし、担当者を信頼できるかなども含めて総合的に判断するのが良いでしょう。
マンション査定時の注意点
マンションの査定時には、「過去の成約事例のスペック」を確認しましょう。
過去の成約事例を基に、査定が行われるからです。
注目すべきポイントは以下の4つです。
- 立地
- 広さ
- 方角
- 築年数
また、マンションの売却を任せる業者選びにも、4つのコツがあります。
地域に対する強みがあるか
売りたいマンションのある地域に対して、強みのある業者を選びます。
業者のWebサイトから、次の3つも確認しましょう。
- 扱っている物件の住所
- 地域に対する特別な想いはあるか
- 地域と共同した取り組みをしているか
保証やサービスはしっかりしているか
業者が積極的に動いてくれないことには、売れるマンションも売れません。
最低でも、次の3つのサービス・保証があるか、確認しましょう。
- 広告の掲載
- ホームステージング
- 契約不適合に対する保証
免許番号の古さ
免許番号が古い業者は、それだけ長く営業している老舗です。
取引経験やノウハウも、豊富であると予想されます。
仲介手数料の安さ
一般的に仲介手数料は、売却価格のおよそ3%です。なるべく手数料の安い業者に依頼しましょう。
しかし、サービスの充実度は必ず確認してください。
どんなに手数料が安くても、サービスレベルが低いと、納得のいく売却活動は難しいでしょう。
各ポイントの内容や、売却を成功させるコツについて知りたい方には、以下の記事もオススメです。
最新の査定方法はAI査定
最新のマンション査定には、「AI査定」が用いられます。実際の物件を確認するのではなく、「土地や建物の情報」による「机上査定」を、AIに任せるのです。
- 土地そのものの価値
- 周辺環境に基づく土地の価値
- 築年数
- 方角
- 過去の取引情報
といった膨大なデータに基づき、マンションの「適正価格」を算出します。
AIによる査定には、人間の行う査定と違い、「疲労による判断ミス」「主観による査定価格のばらつき」が起こらないというメリットがあります。
さらに、AIは人間の何倍もの速度と正確さで膨大なデータを処理し、休む必要もありません。
24時間365日、速くて正確な査定ができるのです。
しかし、AI査定ができるのは、データを用いた「机上査定」のみ。
実際に物件を見に行った「気付き」を反映させる「訪問査定」は、AIには不可能です。
データに基づく定量的な判断は、人間よりもAIが優位。
しかし、現状に基づく定性的な判断は、人間に軍配が上がります。
とはいえAI査定を利用すれば、業者に会ったり電話で話したりせず、Webからすぐに査定することが可能。
まずは、AI査定で「大まかな売却価格」を把握し、業者に訪問査定をしてもらうのがいいでしょう。
AIによる査定や、「最新のテクノロジーが不動産売買にどう活かされているのか」を詳しく知りたい方は、以下の記事もご確認ください。
買取業者に依頼すると良い場合ってどういう場合?
マンションの売却は、「買取業者」や「仲介業者」を介して行われます。
両者の違いと、「それぞれに依頼するメリット」を見ていきましょう。
マンション買取業者と不動産仲介会社の違いは?
不動産業者には、「買取業者」「仲介業者」の2種類があります。
買取業者は、顧客から買い取ったマンションを活用して利益を得る業者。
一方、仲介業者(不動産会社)は、「物件を売りたい人」と「物件を買いたい人」を繋ぐ業者です。
「物件を買いたい人」には、買取業者も含まれます。
「仲介で売れ残り、売主が困っているようなマンション」が、買取業者に紹介されることも、珍しくありません。
最終的に買取業者に売るかもしれないとはいえ、仲介業者を経由すれば、次のような可能性を残せます。
- 個人の買主に高く売れる可能性
- 価格と買主を自分で決められる可能性
- 条件が変わり売却益が大きくなる可能性
待てるなら、納得のいく価格で買ってくれる買主が現れるのを、いくらでも待てるのです。
待っているうちに土地に人気が出て、高額で売れる可能性もあります。
とはいえ、考慮しなければならないリスクもあります。
- 売却に時間がかかるリスク
- 値下げで利益が少なくなるリスク
- 契約不適合責任による売却後のリスク
場合によっては、いつまでも買主が見つからないことも、マンションを値下げせざるを得なくなることもあるでしょう。
また、仲介で売却した場合、契約不適合責任は基本的に売主にあります。
契約不適合が発見され、修理代が発生する可能性もあると、覚えておきましょう。
買取業者と仲介業者の細かな違いや、両者の関係性について知りたい方には、以下の記事もオススメです。
マンション売却に必要なお金をチェック!
マンション売却には、「費用」がかかります。
主な費用は2種類。「業者に支払う仲介手数料」と「国に納める税金」です。
それぞれの費用の計算方法と、法律で定められたルールを解説します。
難しい法律の話も、わかりやすくお伝えするので、安心して読み進めてください。
マンション売却にかかる仲介手数料って?
マンションの売却には仲介手数料がかかります。
そして、仲介手数料の上限は法律で定められています。
マンション売却にかかる仲介手数料は、次の計算式で、概算を求めることが可能です。
(売却価格の3% + 6万円)+ 消費税
なお、マンションをはじめとする物件売買にかかる仲介手数料の上限は、「宅地建物取引業法 第46条」で定められています。
上限を超えて仲介手数料を請求することは違法です。
念のため、「法律で定められた上限額」も確認しておきましょう。
法律では、「マンションの売却価格」を3つに区分し、それぞれの上限を定めています。
売却価格 | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下 | 売却価格の5% + 消費税 |
200万超かつ400万円以下 | 売却価格の4% + 2万円+ 消費税 |
400万円超 | (売却価格の3% + 6万円)+消費税 |
ちなみに、法律で定められているのは「上限額」のみです。
下限の規定はなく、上限を下回る分には問題ありません。
仲介手数料の安さを売りにする業者もいますが、大切なのは、「サービスの質」と「最終的に手元に残る金額」。
「仲介手数料の安さ」に踊らされないよう、気をつけたいものです。
マンション売却にかかる税金は?
マンションの売却にかかわる、5つの税金があります。
しかし、売却価格によっては発生しない税金があり、納税額も変動します。
発生しないこともある税金は3種類。
- 譲渡所得税
- 住民税
- 復興特別税
売却価格が、「マンションの購入額と売却費用の合計」を上回った場合のみ、発生する税金です。
厳密には、マンション売却により「譲渡所得」が発生した場合のみ、納税することとなります。
譲渡所得は、次の計算式で求められます。計算結果が「マイナス」になった場合は、3種類の税金は発生しません。
「マンションの売却価格 – (マンションの購入価格 + 売却にかかった諸費用)- (もしあれば)特別控除の額」
一方、必ず発生する税金は2種類あります。
登録免許税
マンション所有者の「変更登録」にかかる税金です。
売主自身で手続きをすれば1,000円、司法書士に依頼した場合は、概ね1~2万円かかります。
収入印紙税
マンション売却の契約書に貼り付ける、収入印紙の代金です。
収入印紙の購入=間接的な納税とみなされます。
マンションの売却価格が高くなるほど、収入印紙税も上がっていきます。
法律に基づくより厳密な「税金のルール」や、収入印紙税の具体的な金額は、以下の記事でご確認ください。
マンションの売却価格を手軽に確認する方法
事前準備が終了したら、まずはマンションの売却価格を確認しましょう。
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