【専門家にインタビュー】マンションの買取を利用する際の注意点

マンション買取の注意点とはマンション買取

【この記事で分かること】

  • マンションを「買取」で売却することのメリットとデメリット
  • 専門家の知見をもとにした、買取業者を選ぶ際の注意点
すむたす売却
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マンションの買取とは

買取業者のビジネスモデル

買取とは、不動産会社(買取会社)が買主となって売主と売買契約を締結し、売主から直接マンションを購入することです。

買取会社は買取ったマンションに、ハウスクリーニングやリフォームを施して価値を高め、それを別の個人へ再度販売することを生業としています。

このように、マンションを買取ってリフォームを施してから販売する業者は「買取再販業者」と呼ばれます。

買取のメリットとデメリット

買取には、個人ではなく不動産会社に物件を売却するので、通常の売却とは違うメリットとデメリットがあります。

メリット

買取のメリットとはおもに下記の5つです。

  • 短期間で売却できる
  • 売却に手間がかからない
  • 売れにくいマンションも売却できる
  • 仲介手数料がかからない
  • 契約不適合責任を回避できる

各メリットについて詳しく解説します。

短期間で売却できる

買取による売却は最短で数日後には現金化でき、売却期間が短く済みます。それは、買取担当者が内見をして、買取金額と引き渡し条件にお互いが同意すれば売買契約をするというシンプルな流れだからです。

そして、買取業者は銀行から融資を否決されることがないため、売買契約後すぐに確実に決済ができます。というのも、買取業者はマンションを買い取って再販するというビジネスモデルなので、いつでも不動産の仕入れのために融資が受けられるように、銀行から金額の枠をもらっています。したがって、違法建築など物件に問題がない限りは買取業者がローンを否決されることはないのです。

一方仲介は、インターネットの不動産ポータルサイト・折り込みチラシ・ポスティングチラシなど不特定多数へ向けて広告を打ちながら内見希望者を募り、何度か内見の対応をしながら購入希望者を探すなど、買取に比べて手間や時間がたくさんかかります。

そして、仲介はローンが否決されれば、売買契約は白紙解除されてしまいます。また広告活動からスタートしなければならないので、ここでも時間がたくさんかかるのです。

さらに、内見する希望者が現れなければ売却期間はいくらでも伸びていきます。これらの事情から、仲介の場合には少なくとも3〜6ヵ月の売却期間を想定しておかなければならないのです。

売却に手間がかからない

買取は、売主と買取業者との間で買取条件をすり合わせるだけでほとんどの手続きが終わるため、手間も時間もかかりません。

例えば仲介の売却では必ず必要になる、内覧対応、残置物の処理、買い手との価格交渉などの手間は一切必要ありません。

売れにくいマンションも売却できる

買取では、仲介では売れにくいような条件のマンションでも、ほぼ確実に売却することができます。

たとえば、築年数が古い・駅から遠い・間取りが使いづらい・部屋が劣化して状態がひどいなど、一般的に競争力の乏しい状況のマンションでも、条件さえ合えば購入対象になります。

ですから、いったん仲介で売却をスタートしたもののなかなか売れない場合は、途中から買取に切り替えて売却するという戦略も頻繁に採用されます。

ただし、買取業者によっては下記のような買取対象外の物件を設定していることがあります。詳しくは、各買取会社のHPをご参照ください。

  • 買取会社の対応エリア外の物件
  • すでに取り壊しが決まっていて短い期間しか住めない
  • 心理的瑕疵(過去に殺人や自殺があった)がある
  • 違法建築で住宅ローンが通らない
  • 築年数が非常に古い物件(築50年以上など)

仲介手数料がかからない

買取は、買取業者が売主から直接マンションを購入する買主という立場なので、売却時に仲介手数料はかかりません。

なお、買主が買取業者でも、仲介業者から紹介された買取業者という場合もあります。この場合、仲介業者へ仲介手数料を支払うことになります。

買取で仲介手数料が発生するケース

もしも、仲介から買取へと売却方法を切り替える場合や、はじめから買取メインで考えている場合には、仲介手数料の節約のためにも自分で買取業者を探すと良いでしょう。

契約不適合責任を回避できる

契約不適合責任とは、「売買契約時に売主から買主へ告知していなかった不具合」が引き渡し後に見つかった場合に、売主が負うべき責任のことです。

通常は、売買契約書に添える「物件状況等報告書」や「付帯設備表」などで、売主はマンションの劣化状況や不具合等を詳細に報告してから契約しています。

もしも契約不適合責任があるとされた場合には、買主から下記の4つの請求に対応しなければなりません。

  • 補修などの追完請求
  • 売買代金の減額請求
  • 売買契約の解除
  • 損害賠償の請求

しかし、契約不適合責任はおもに個人間の取引による責任の概念とされ、業者が買主になる買取の場合には契約不適合責任が免責されることがほとんどです。

買取の場合には、念のために契約不適合責任が免責になるのかを買取業者へ確認しておきましょう。

デメリット

買取の唯一のデメリットは、売却価格が低くなってしまうことです。目安としては仲介の売却価格のの70〜80%といわれます。

買取業者は、経費をかけて再販売しても、利益が出るよう計算して買取金額を決めます。買取にかかる税金・登記費用・リフォーム費用・再販時の仲介手数料などの経費と再販の利益を見込んでいますので、買取金額が安くなるのは仕方がありません。

しかし、高額で成約させようと買取ではなく仲介で売却をスタートさせたものの、長期間売れなければ徐々に価格を下げざるを得ません。その結果、「買取と手取り金額が変わらなかった」ということも少なくないため、仲介よりも買取が必ず安くなるとは言い切れないのです。

買取を利用する際の注意点

買取は、仲介による売却と比べると一般的ではないため、情報収集の難易度が高いです

そこですむたす編集部は、株式会社すむたすで不動産売却コンサルタントをされている佐々木健斗さんにインタビューを行い、「買取を利用する際に注意すべき点」についてお伺いしました。

ここからは、インタビューによって分かった買取を利用する際の注意点を5つご紹介します。

  • 複数の会社の査定を依頼する
  • 買取価格の相場を把握する
  • 希望のスケジュールを実現できるか
  • 残置物を撤去してもらえるか
  • 自社で買取している会社を利用する

複数の会社の査定を依頼する

買取査定は必ず複数の買取業者に依頼し、高額査定の業者に買取ってもらいましょう。

買取業者にとって買取は「仕入れ」であり「できるだけ安く仕入れて、再販時の原価を抑えたい」という意識が働きます。そのため、1社だけに査定を依頼すると「競合他社がいないなら、少し安い金額を提示しても買い取れるだろう」と、低め金額を提示される可能性があります。

買取査定が複数社に依頼したほうが良い理由

買取業者に誠実に対応してもらうためにも、買取査定は少なくとも2~3社に依頼し、買取会社間で競争意識を働かせることが大切です。

また、複数社から査定を受けておけば比較が可能になるので、より買取価格が高い業者を選ぶことができます。買取は仲介とは違い、査定の時点で売却価格が確定するため、基本的には「査定価格が高い業者に依頼する」と考えておいてよいでしょう。

買取価格の相場を把握する

提示された買取価格が妥当かどうかは、買取業者が再販価格をいくらに設定しているかを聞いて、流通相場と比較することで判断できます。

買取業者が予想する再販価格が流通相場よりもかなり低いなら、提示額が低いと判断できるため、格安で買いたたかれていないかを自分で気づくことができます。ですから、買取を依頼するなら全部任せっきりにはせずに、売主自身でもインターネットで取引事例や成約価格を調べて相場観を養っておきましょう。

なお、買取価格の相場は流通相場の70~80%といわれますが、買取価格を決めるのは「物件の人気度」「買取業者の競合状況」によります。たとえば、人気エリアにある物件で複数の買取業者が競って欲しがっているような状況なら、流通相場の80~90%など高額の買取価格が提示されることもあるのです。

反対に、住宅ニーズが低いエリアや類似するライバル物件が同時にたくさん売りに出ているような状況など、再販に苦労することが予想される場合には、流通相場の60%などさらに低い査定額になる可能性があります。

希望のスケジュールを実現できるか

買取のメリットの一つに、「売主が引き渡し日を調整できる」というものがあります。

引渡し日を自由に設定できれば、新居の準備が整ったタイミングに合わせて引っ越しできるので、住み替えをしたい方にとっては、特に嬉しいポイントになるでしょう。

ただし不動産会社によっては、引渡しのスケジュール調整に制限を設けている場合があるので、自分の希望する日取りで引き渡しができるかどうか、事前に確認しておきましょう。

多くの買取業者は、売主の都合で引き渡し日の調整が可能ですが、「売買契約から〇ヶ月以内までに引き渡しをしてください」という猶予期限が設けられてるケースが多いです。一般的には、1~3か月程度に

残置物を撤去してもらえるか

買取は、残置物の撤去処分までを買取業者がおこなうのが一般的です。

残置物の撤去処分に関しては、基本的にはどの買取業者も対応してくれるはずです。ただし、撤去処分には撤去の労力と処分費がかかりますので、その費用を経費として見込んだ買取価格になっています。

もしも、残置物の撤去処分を含まない査定金額が提示されていて、撤去処分を追加で依頼する場合には、査定金額から残置物の撤去処分を差し引く金額調整が入るでしょう。逆に処分費込みで査定されている場合に、自分で撤去処分するなら査定金額を30万円アップするというような金額調整をしてくれるかもしれません。

なお、複数の買取業者が競合している場合には、自社にメリットを感じて依頼して欲しいがために、サービスを付け加えてくれる場合があります。そのような場合には、残置物の撤去処分サービスは基本的に付いてくると考えて良いでしょう。

自社で買取している会社を利用する

買取業者を選ぶ際は、自社で直接買取をおこなっている会社に依頼するのがおすすめです。

買取を行っている業者には、「自社で直接買取を行っている」場合と、「自社では仲介のみ行い、買取は他の業者に代行してもらう」という2つのパターンがあります。

自社買取と他社買取の違い

自社買取であれば、仲介手数料は発生しませんし、最初から最後まで同じ担当者がサポートしてくれうので、コミュニケーションがしやすいというメリットがあります。スケジュール調整も、売主の都合を優先してくれるでしょう。

一方で他社が買取を代行する場合には、買取会社を紹介した不動産会社に対して、仲介手数料を払う必要があります。また、買取業者にとって売主は直接的な顧客ではないため、売主の事情をあまりくみ取ってくれない可能性があります。引き渡しのスケジュールも、買取業者の都合で急かされることもあります。

このように、仲介業者を経由して買取を利用すると、せっかくの買取のメリットが損なわれてしまいます。そのため、買取を利用するなら、買取業者に直接問い合わせをするのが得策です。

すむたすマガジン編集部

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