マンションの3つの売却方法
マンションの売却方法には、大きく分けて次の3つがあります。
マンションの3つの売却方法
- 仲介
- 買取
- 買取保証(売却保証)
マンションの買取保証は、「仲介」と「買取」のイイトコ取りができるサービスです。まずは「仲介」と「買取」について簡単に解説し、その後に買取保証(売却保証)について詳しく説明していきます。
仲介とは
仲介とは、仲介業者を通して個人の買主を探す売却方法です。多くの購入希望者から買主を探すため、売却価格が買取と比べて高額になりやすいというメリットがあります。
一方で、仲介にはデメリットもあります。
デメリットの1つ目は「いつ売れるかわからないこと」です。マンションの売却にかかる期間は平均で約4ヶ月と言われていますが、半年〜1年経っても買主が現れないこともあります。売却タイミングは、物件の条件や売り出し価格だけでなく、運にも左右されるのです。
デメリットの2つ目は「いくらで売れるかわからないこと」です。仲介業者による査定価格は、あくまでも目安に過ぎません。実際は購入者から値下げ交渉を求められるなどで、当初の査定価格よりも安い価格での売却となることも珍しくありません。
買取とは
買取とは、個人の買主ではなく買取業者にマンションを売却する方法です。
買取では、売却の価格や時期を素早く確定できます。一般的な買取業者の場合、査定を申し込んでから約1〜2週間で価格を確定し、買取を申し込んでから約1週間〜1ヶ月で売却を完了することができます。
一方で、買取業者はリフォームの費用や再販時の利益を見込んで査定を行うため、売却価格は仲介と比べて安くなる傾向があります。一般的に、買取による売却価格は仲介の約7割と言われています。
仲介と買取についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
買取保証(売却保証)とは
高く売れる可能性があるが、売却の時期や価格の保証がない「仲介」。売却の時期や価格は素早く確定できるが、売却価格が安くなりがちな「買取」。その両者のイイトコ取りができるサービスが「買取保証(売却保証)」です。
買取保証(売却保証)では、仲介での売り出し価格と売れなかった場合の買取価格の両方を、売却活動を始める前に決めておきます。一定期間は仲介で個人への「高額売却」にチャレンジし、期間内に売れなかった場合は最初に決めた買取価格で確実に売却することができるのです。
買取保証(売却保証)サービスの利用の流れは、次の7ステップです。
買取保証(売却保証)サービス利用の流れ
- 査定
- 買取保証の申込
- 審査
- 買取保証価格の提示
- (専属)専任媒介契約の締結
- 仲介で売却活動(3〜6ヶ月程度)
- (仲介で売れなかった場合)保証価格で買取
マンション買取保証(売却保証)のメリット
仲介と買取の良いところを兼ね備えた買取保証(売却保証)。そのメリットを、もう少し具体的に掘り下げてみましょう。
買取保証(売却保証)のメリットは、次の5つです。
買取保証(売却保証)のメリット
- 売却の期日を確定できる
- 最低売却金額を確定できる
- 一定期間は高額売却にチャレンジできる
- (買取になった場合)仲介手数料がかからない
- (買取になった場合)売却後のクレームのリスクがない
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
売却の期日を確定できる
買取保証(売却保証)の1つ目のメリットは、売却の期日を確定できることです。
通常の仲介での売却の場合、いつ売れるかをあらかじめ知ることはできません。
最終的にいつ売れるかは、マンションのスペックや売り出し価格、競合物件の状況など様々な要素に左右されます。仲介での売却期間は約4ヶ月と言われていますが、もっと早く売れることもあれば、半年〜1年以上かかることもあります。購入希望者との「縁」がなければ、どんなにいい物件でも、売れ残ってしまうこともあるでしょう。
いつ売れるかわからないことは大きなストレスになりますし、住み替えの計画も立てにくくなります。最悪の場合、思った以上に売却に時間がかかり、希望の物件を買い逃してしまうことも考えられます。
イメージしやすいよう、例え話をしましょう。
仲介で購入希望者を探しながら、新しいマンションも同時進行で探しています。
ある日、とても魅力的なマンションを見つけたAさんは、「絶対ここに住みたい!」と思います。しかし、今住んでいるマンションの購入希望者はまだ見つかっていません。
売却益を新しいマンションの購入費用にあてようと思っていたので、買い替えたくても資金が足りません
残念ながら、今住んでいるマンションの買主が決まる頃には、欲しかったマンションは売れてしまいました…
買取保証(売却保証)では、先に仲介で売れなかった場合の売却日を確定させることができるため、このようなリスクがありません。もしもAさんが、買取保証(売却保証)を利用していた場合、希望のマンションを購入できたかもしれません。
最低売却金額を確定できる
買取保証(売却保証)の2つ目のメリットは、最低売却金額を確定できることです。
買取保証(売却保証)を利用せずに仲介での売却に臨んだ場合、いくらで売れるかは買主が見つかり条件がまとまるまでわかりません。そのため、売却活動中は「一体いくらで売れるのだろうか」と不安な状態が続きますし、資金計画も立てにくくなります。
買取保証(売却保証)では、万が一仲介で売れなかった場合の最低売却価格(買取価格)を事前に確定させることができます。そのため、売却活動中の心理的な負担が軽減されますし、資金計画も立てやすいです。
「今の家の売却益を新居の購入資金に回したい」など、最終的な売却価格や手残りを早めに確定させたい方にとっては大きなメリットでしょう。
一定期間は高額売却にチャレンジできる
買取保証(売却保証)の3つ目のメリットは、一定期間は高額売却にチャレンジできることです。
具体的な期間は不動産会社によって異なりますが、一般的に約3〜6ヶ月は仲介での高値売却にチャレンジできます。限られた期間でも仲介での売却にチャレンジすることで、最初から買取で売却するよりも納得感のある売却ができるかもしれません。
「すぐに売れないと困るわけではないけど、新居の引き渡しまでには売却を完了させたい」といった方には、嬉しいポイントでしょう。
(買取になった場合)仲介手数料がかからない
買取保証(売却保証)の4つ目のメリットは、仲介で売れずに買取になった場合は仲介手数料がかからないことです。
買取保証(売却保証)では、3〜6ヶ月間は仲介で売却活動を行いますが、必ずしも売れるとは限りません。売れなかった場合は、マンションを買取で売却することになります。
買取になった場合は、売却価格自体は仲介の7割程度になりますが、仲介手数料(売却価格×3%+6万円+消費税)がかかりません。そのため、最終的な手残りの差は売却価格で見るよりは小さくなります。
(買取になった場合)売却後のクレームのリスクがない
買取保証(売却保証)の5つ目のメリットは、買取になった場合は売却後のクレームのリスクがないことです。
仲介で売却する場合、個人が買い手となるため、売却後に室内の不具合などについてのクレームが入る場合があります。最悪の場合、契約不適合責任により修理代の支払いや損害賠償を求められるケースもありえます。
一方で、買取の場合は買取業者が買い手となるため、売却後のクレームのリスクがありません。売却後に思わぬ心理的ストレスや金銭的負担が発生しないことは、大きなメリットでしょう。
買取保証(売却保証)に向いている人
ここまで紹介してきたように、買取保証(売却保証)には様々なメリットがあります。では、買取保証(売却保証)に向いている人は、どのような人なのでしょうか。
次の条件に当てはまる方は、買取保証(売却保証)の利用を検討しても良いかもしれません。
買取保証の利用を検討するべき人
- 買い替え先の物件の決済日までに売却したい人
- 引越し予定日までに売却したい人
- 相続税の納付期限日までに売却したい人
- 転勤や転職の予定日までに売却を完了したい人
マンション買取保証(売却保証)のデメリット
良いところばかりに見える買取保証(売却保証)には、実はデメリットもいくつかあるので注意しましょう。
買取保証(売却保証)のデメリットは、次の4つです。
買取保証(売却保証)のデメリット
- 利用できる物件が限られる
- 保証価格が相場より低い
- 不動産業者が熱心に売却活動をしない可能性がある
- 不動産業者を途中で変更できない
それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。
利用できる物件が限られる
買取保証(売却保証)1つ目のデメリットは、利用できる物件が限られることです。
買取保証(売却保証)では、仲介で売却できなかった場合、不動産業者が物件を買い取ることになります。
物件を買い取った不動産業者は、リフォームやクリーニングを施した後に再販することで収益を確保します。そのため、条件が悪く再販に苦戦しそうな物件は、買取保証(売却保証)の適用対象外とされることがあります。
例えば、次の条件に当てはまる物件は、買取保証(売却保証)の利用が難しい可能性が高いです。
買取保証(売却保証)の利用が難しい物件
- 敷地面積が40㎡未満の物件
- 新耐震基準に適合しない物件
- 自主管理物件
- 一般的な住宅ローンの利用が困難な物件
保証価格が相場より低い
買取保証(売却保証)2つ目のデメリットは、保証価格が相場より低いことです。
買取保証(売却保証)サービスの保証価格は、買取で売却した場合の価格と同じく、仲介の約7割程度と安くなる傾向があります。
不動産業者が熱心に売却活動をしない可能性がある
買取保証(売却保証)3つ目のデメリットは、不動産業者が熱心に売却活動をしない可能性があることです。
通常の仲介では、不動産業者は「仲介手数料」により収益を上げます。仲介手数料は成功報酬であるため、不動産業者は熱心に売却活動に臨みます。
買取保証(売却保証)では、仲介での高値売却がうまくいかなかった場合は、不動産業者がマンションを買い取ることになります。不動産業者の立場からすると、仲介で買主が見つからなくても、買取後に再販することにより利益を確保できることになります。
仲介で売れた場合は「仲介手数料」を、買取になった場合は「買取後の再販時の利益」を手にできるのです。そのため、通常の仲介と比べると、不動産業者が熱心に売却活動をしない可能性があります。
不動産業者を途中で変更できない
買取保証(売却保証)4つ目のデメリットは、不動産業者を途中で変更できないことです。
買取保証(売却保証)では、専属専任媒介契約もしくは専任媒介契約の締結を求められることがほとんどです。
これらの媒介契約では、1社としか締結することができず、基本的には期間中に解除することもできません。さらに、専属専任媒介契約では、売主自らが買取業者などの買主を探すこともできません。
このように買取保証(売却保証)では、売却活動を1社に大きく依存することになります。不動産業者に十分な実力がなかったり、熱心に売却してくれなかったりした場合でも、不動産業者を変更することができないのです。
買取保証(売却保証)の前に検討すべきサービス
ここまで紹介してきたように、買取保証(売却保証)には多くのメリットがある一方で、デメリットも少なくありません。「買取保証は魅力的だけど、利用して本当に大丈夫だろうか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そのような方にオススメなのが、すむたす買取です。

すむたす買取では、マンションの最低売却価格を最短1時間で確定できます。売却時期も自由に調整でき、通常の買取保証(売却保証)サービスと同様に、買取価格を確認した後に一定期間仲介での売却にチャレンジすることも可能です。
ここまで聞くと「普通の買取保証サービスと何が違うの?」と思うかもしれません。すむたす買取には、通常の買取保証サービスにはないメリットがあります。
通常の買取保証サービスと比較したすむたす買取のメリット
- 利用可能な物件範囲が広い
- すむたすとの媒介契約の締結が不要
まず、すむたす買取は通常の買取保証サービスと比べると、利用可能な物件範囲が広いです。新耐震基準に適合しない物件でも、築年数が50年未満であれば利用できます。床や壁の傷など、室内に不具合がある場合でも全く問題ありません。
また、すむたす買取の場合、すむたすとの媒介契約の締結は不要です。そのため、複数の不動産業者に仲介を依頼して高値売却にチャレンジすることも可能です。仲介で売却できなかった場合は、すむたすに希望のタイミングで物件を売却できます。
少しでも興味のある方は、試しに査定だけでもしてみてはいかがでしょうか。査定時に個人情報(電話番号やお名前など)の入力は不要なので、迷惑な営業を受ける心配もなく、安心して利用できます。

買取保証(売却保証)を上手に活用するためのポイント
買取保証(売却保証)には、メリットだけでなくデメリットもあるため、上手に利用するには次のポイントを押さえることが大事です。
買取保証(売却保証)を上手に利用するためのポイント
- 複数の不動産業者を比較する
- 不動産業者とマメに連絡をとる
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
複数の不動産業者を比較する
買取保証(売却保証)を上手に活用するための1つ目のポイントは、複数の不動産業者を比較することです。
仲介での売却の成功確率や買取保証価格の高さは、業者によって大きく異なります。
また、すでに説明したように、買取保証(売却保証)では専属専任媒介契約または専任媒介契約の締結を求められます。そのため、複数の不動産業者に依頼したり、途中で業者を変更したりすることは難しいです。
そのため、必ず複数の不動産業者を比較した上で信頼できる業者に買取保証を依頼しましょう。途中で業者を変えられない買取保証だからこそ、サービスも買取価格も良い業者を慎重に選ぶべきです。
複数の業者を比較する際は、一括査定サイトを利用しましょう。
一括査定サイトは、サイトに登録している業者に、1度に査定依頼を出せるサービス。
最小限の労力で、複数業者の査定価格がわかります。
一括査定サイトの使い方がわからない方、上手な使い方を知りたい方は、こちらの記事もぜひお読みください。
不動産業者とマメに連絡をとる
買取保証(売却保証)を上手に活用するための2つ目のポイントは、不動産業者とマメに連絡をとることです。
買取保証では、不動産業者は仲介での売却がうまくいかなかった場合も再販で利益を得ることができるため、熱心に売却を行わない可能性もあります。仲介での高値売却のチャンスを逃さないためにも、売却活動の状況や今後の改善策などをこまめに担当者に確認するようにしましょう。
業者のWebサイトを見て広告が表示されていなかったり、内覧希望者が一向に現れなかったりという場合は、遠慮をせずに指摘や相談をすべきです。業者に任せきりにするのではなく、「業者と一緒に頑張る」という姿勢でいれば、業者側も真剣に売却活動をしてくれるでしょう。
各不動産業者の買取保証(売却保証)サービス
最後に各不動産業者の買取保証サービスの内容を比較していきます。
対象物件や利用の流れ、保証期間は各社によって異なります。買取保証では、基本的に1社に売却を任せることになるため、各社のサービスをしっかりと比較して、自分に合った業者を慎重に選びましょう。
項目 | 住友不動産販売 | 三井不動産リアルティ | 東急リバブル | オークラヤ住宅 | 大京穴吹不動産 |
---|---|---|---|---|---|
対象物件 | 土地:敷地面積40㎡以上 戸建:敷地面積40㎡以上 マンション: ・新耐震基準 ・専有面積40㎡以上 ・自主管理を除く ※建築基準法等に適合していること ※一般的な住宅ローンが利用可能な物件であること | 土地:敷地面積40㎡以上 戸建:敷地面積40㎡以上 マンション: ・専有面積40㎡以上 ・1981年6月1日以降の建築確認取得物件 ※一般的な住宅ローンの通常利用が可能であること | 土地:敷地面積40㎡以上 戸建: ・敷地面積40㎡以上 ・築30年以内 マンション: ・築30年以内 ・専有面積30㎡以上 ※法令および条例に適合していること ※一般的な住宅ローンの通常利用が可能であること | 営業エリア内の個人又は法人(宅建業者除く)所有のマンション ※地域、物件によっては、取扱いできない場合あり。 | 要問い合わせ |
媒介契約 | 専属専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | 専属専任媒介契約または専任媒介契約 | 専属専任媒介契約または専任媒介契約 | 専属専任媒介契約または専任媒介契約 |
保証価格 | 1億円以下かつ査定価格の90%以内 | 1億円以下かつ査定価格の90%以内 | 1億円以下かつ査定価格の90%以内 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
保証期間 | 3ヶ月 | 3ヶ月 | 3〜6ヶ月 | 3ヶ月 | 要問い合わせ |
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