【この記事で分かること】
- どのくらい築年数が古いマンションでも売れるのか?
- 古いマンションのメリットとデメリット
- 売却する際に抑えておきたいポイント
中古マンションの市場状況
まずは、「中古マンションの売りやすさ」や「築年数が古くても売れるのか?」という疑問を解決するために、過去20年間の中古マンション市場のデータを振り返ってみましょう。
下記のグラフは、東日本不動産流入機構が公表しているデータをもとに作成した、首都圏の中古マンションに関する指標の推移を表しています(過去20年間)。
まず中古マンションの1年間の成約件数は、このように右肩上がりとなっており、約26000件から38000件まで上昇しています。このことから、中古マンションの流通市場は長期的に拡大しており、以前よりも売却がしやすい環境になっていると言えます。
次に、成約した物件の平均築年数を見ていきます。20年前の平均値は「築16年」でしたが、こちらも長期的に上昇しており、2021年ではおよそ「築23年」となっています。このことから築年数が古い物件であっても、盛んに売買が行われるようになっていると分かります。
最後に、平均売却価格について見ていきましょう。こちらも上昇トレンドが継続しており、特に2012年頃から現在にかけては約4割も価格が高騰しています。
以上の3つの指標を総括すると、「中古マンションは築年数が古くても売却が容易になっており、さらに相場の上昇によって、高く売れる可能性も大きい」と言えるでしょう。
中古マンションの人気が上昇している理由
現在中古マンションは人気を集めています。中古マンションの人気が高まっているのには、以下の理由が考えられます。
- 新築マンションの価格が高騰していること
- リノベーションしてから住むという選択肢が定着しつつある
首都圏を中心に新築マンションは長期にわたって価格が上昇しており、気軽に手を出せなくなっているのです。そのため、比較的安価に購入できる中古マンションへの需要が高まっているのです。
また、中古で安くマンションを購入して、リノベーションを施すという選択肢も定着しているので、購入層の裾野は広いと言えるでしょう。
古いマンションのデメリット
人気の向上している中古マンションですが、購入する人にとってはデメリットも存在します。賢く売却するためには、まずはそのようなデメリットを理解しておきましょう。
- ローンを組みにくい
- 資産としての価値が低い
- 耐震基準を満たしていない可能性がある
- 外観の印象が良くない
- 修繕積立金が高い
ローンを組みにくい
古いマンションの場合はローンを組みにくい可能性があります。中古マンションも新築マンションと同じ様に住宅ローンが利用できます。しかし、金融機関によっては「築年数〇年以内」と条件を設定しているところがあるのです。
築年数が古いマンションだと、どうしても新築マンションと比べて担保としての評価が低くなるため、ローンが組みにくくなったり、返済期間が短くなったりする場合があります。
そのため、特に築年数が古い物件は、「買いたくても、ローンが組めない」という購入希望者が出てくる可能性があります。
資産としての価値が低い
マンションの資産価値は築年数が経過するごとに目減りをしていきます。
特に30年を超えると資産価値が新築物件の3分の1程度になります。また、築年数が古くなると、売却しようと思ったときに苦戦する可能性もあるので、思ったように現金化もできないというリスクがあります。
立地が良かったり、ヴィンテージマンションとして高い価値を維持し続けるマンションも例外としてありますが、大抵のマンションは築年数の経過とおもに「資産としての価値は低くなる」と考えておきましょう。
耐震基準を満たしていない
築年数が40年を超える物件の場合は、耐震基準を満たしていない可能性があります。
耐震基準は、1981年に更新されており、それより以前に建築されたマンションは、最新の基準を満たしていないことになります。
耐震基準を満たしていないと、大きな地震が発生したときに安全性に不安が残りますし、資産価値自体も低く見積もられてしまいます。
外観の印象が良くない
古いマンションは、新しいマンションと比べると、外観の印象が良くない可能性があります。
室内であれば、居住者がリフォームやリノベーションを行っていれば、新しく刷新することができます。しかし、外観はデザイン面で大きく修繕されることは少ないため、時代遅れでいかにも「古そうなマンション」になっている可能性が高いです。
積立修繕金が高い傾向がある
古いマンションの場合は修繕積立金が高くなる傾向があります。
積立修繕金の積立方式には、「均等積立方式」と「段階増額積立方式」の2種類があり、多くのマンションでは段階増額積立方式が採用されています。この方式は、分譲時の積立価格を安く設定し、築年数が経過するごとに、少しずつ値上げしていくというものです。
そのため、古い物件ほど積立金の費用負担が大きくなることになります。
古いマンションのメリット
古いマンションにはデメリットばかりかと思いきや、メリットもあります。
- 価格が安い
- 好立地の物件が多い
- リフォーム前提の人をターゲットにできる
価格が安い
古いマンションの最大のメリットが、価格の安さです。築年数が浅いマンションや新築マンションよりも購入費用が抑えられるので、手に届く範囲で無理せず購入できます。
新築物件を中心に、マンションの価格は過去10年程度上がり続けています。そのため、築年数が古い、安いマンションにも買い手が付きやすくなっています。
好立地の物件が多い
古いマンションには好立地の物件が多い傾向にあります。周りに商業施設があったり、駅から近かったりなど、アクセスに優れている物件も多いので、生活も便利でしょう。
築年数の浅いマンションや新築マンションの場合は立地が良いところだと、高額な費用が必要になります。しかし、古いマンションなら好立地でも安く購入できるので、一定の需要が期待できます。
リフォーム前提の人をターゲットにできる
古いマンションは購入費用を抑えられるので、浮いた分をリフォームなどに回せます。リフォームやリノベーションで新築と同様の設備を整えたり、自分好みに間取りを変えたりすることもできます。
リフォーム前提の人をターゲットにすることで、より売却できる確率が高まるため、売主にとっても買い手にとってもメリットになる場合があるのです。
古いマンションを売るためのポイント
古いマンションの人気は年々上昇していますが、築浅の物件と比べれば売却に苦戦することは多いでしょう。そこで古いマンションを売却するときに、押さえておきたいポイントについて解説します。
- 売却前のリフォームはなるべく控える
- 適性な価格で売り出す
- 買取を検討する
売却前のリフォームはなるべく控える
「綺麗にしたほうが売れるだろう」と思って、売却前にリフォームやリノベーションを検討される方は非常に多いです。しかし結論から言うと、売却前のリフォームやリノベーションは控えたほうが良いでしょう。
その理由は以下の通りです。
- 内装よりも、立地や価格を重視する買主が多い
- 自分でリフォームしたい買主が多い
- 業者が買主の場合、買い取った後にリフォームを行う
- リフォームの費用を回収できるほど売却価格が上がる保証はないから
このように売主がリフォームを行ってしまうと、購入希望者のターゲット層を狭めてしまうばかりか、かかった費用を回収できず、経済的に損をしてしまう可能性もあります。
水回りやベランダの汚れなど、特に気になる箇所をハウスクリーニングで綺麗にするのは費用対効果が高いので、検討してみるのも良いでしょう。
適性な価格で売り出す
古い物件の差別化ポイントはその価格の安さです。その魅力ポイントを潰すと売れる可能性が低くなるので注意してください。
「売りに出すなら高く売りたい」と欲をかくと、売却期間が長引きやすいので、相場価格で売り出しましょう。
買取を検討する
「仲介での売却に苦戦している」「物件を早く、手間なく売りたい」と考えている方は、買取を検討するのも1つの手です。
買取とは、不動産会社に直接物件を売却する方法であり、以下のようなメリットがあります。
- 基本的にどんな物件でも買取ってもらえる(築古、室内状況が悪いなど)
- 契約不適合責任が免除される
- 内覧や価格交渉などの手間が発生しない
- 一度契約してしまえば、引き渡しのタイミングは売主が自由に決められる
- 仲介手数料が発生しない
このように、メリットが豊富な買取ですが、唯一のデメリットは売却価格が安く、仲介の7~8割ほどになってしまう点です。価格よりも、手軽さや確実性に重きを置いている方は、買取を検討するのをおすすめします。
おすすめのマンション買取サービス
古いマンションは、なかなか個人の買主が見つからないこともあります。あまりにも長引いてしまうのであれば、買取業者であれば、古いマンションでもすぐに買い取ってくれるため、検討してみても良いでしょう。
そこでおすすめなのが、株式会社すむたすが提供しているマンション売却サービス「すむたす売却」です。
すむたす売却では、古いマンションでも好きなタイミング(最短2日~最長1年)で売却が可能です。また、室内状況はそのままでOKなので、掃除や後片付けも必要ありません。不要な家具家電も追加費用なしでお引き受けいたします。
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