自主管理マンションはなぜ売れない? 売るためにできる改善方法を解説

自主管理マンションはなぜ売れない? 売るためにできる改善方法を解説マンション売却

マンションの資産価値は築年数や立地だけでなく、その管理状態によっても変動します。

管理会社のサポートを受けずに住人だけですべての管理事務を行う自主管理マンションは、管理組合が機能していなかったり、修繕積立金が適切に貯蓄できていなかったりといった理由から、買い手がつきづらい傾向にあります。

この記事では、自主管理マンションの売却を検討する方に向けて、売れない理由に加えて、売るためにできる対策について詳しく解説しています。

ぜひ最後までご覧ください。

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自主管理マンションとは

自主管理マンションとは

自主管理マンションとは、マンションの管理について管理会社を委託せず、区分所有者(住人)たちが自ら管理しているマンションのことをいいます。

マンションにおける管理とは、敷地内の清掃や共用部の備品の交換などだけではなく、将来的な修繕のための積立金の管理など、マンションの運営に関わるすべてのことを指します。

マンションの売買にあたって、不動産会社が仲介に入っていたとしても、あくまで売主と買い手をつなぐ役割をしているだけで、建物の管理をしているわけではありません。

マンションを管理する組織として、管理組合があります。

1983年に行われた区分所有法の改正において、住民全員でマンションを管理するための団体を構成することが定められ、これ以降に建てられたマンションにおいては、必ず管理組合があります。

しかし、それ以前の古いマンションや、世帯数の少ないマンションにおいては、管理組合がない、もしくはあっても機能しておらず、実質的に自主管理に近い場合があります。

自主管理マンションの割合は?

自主管理マンションの割合は?

マンションの管理方法には、自主管理以外にも、管理業務のすべてを管理会社にすべて委託するもの、一部を委託するものがあります。

自主管理の場合は、管理組合の有無に関わらず、住民たちだけですべての管理業務を行っていることになります。

国土交通省が実施した「平成30年度マンション総合調査結果報告書」によれば、自主管理マンションの割合は全体の6.8%でした。

参考:「平成30年度マンション総合調査結果報告書」(国土交通省)

 

自主管理マンションのデメリット

自主管理マンションのデメリット

自主管理マンションは、管理会社に業務を委託しているマンションと比べると、入居や売却にあたってリスクがあります。

自主管理だからこそ起こりやすいリスクやデメリットについて確認します。

管理組合がない

古い自主管理マンションの場合は、マンションの管理業務を担う管理組合がそもそも設置されていないことがあります。

管理組合は管理費や修繕積立金の徴収と管理、共用部や設備の清掃やメンテナンス、大規模修繕に向けての計画立案や工事手配といったさまざまな業務を担うものです。

マンション全体の管理を統括する組織がなければ、管理業務を円滑にすすめることは困難でしょう。

自主管理マンションであっても、管理組合によって適切な管理が行われているケースもあります。

しかし、自主管理の場合は管理会社のサポートを受けていないため、住民たちだけですべての管理業務を行う必要があり、業務量は多くなります。

管理組合がなければ、マンションを適切に管理できません。また、高齢化などによって、ほとんど管理組合が機能していないこともあります。

このようなマンションは資産価値が保ちづらく、売却時に不利になります。

住民たちだけで適切な管理を行っている自主管理マンションの場合であっても、住民個人への業務負担が大きくなるため、その点を懸念され、購入を避けられる恐れがあります。

管理規約がない

管理規約とは、マンションを管理していく上でのルールです。

ルールがなければ適正な管理はできません。

自主管理マンションの場合は管理組合がなかったり、あっても機能していなかったりすることから、管理規約も存在しない場合が多くなります。

明確なルールがないマンションに、積極的に住みたいと考える人はいないでしょう。

管理規約がないことはそのまま「マンションをきちんと管理できていない」ことを意味します。

長期修繕計画がない

木造の戸建てと比べると、コンクリート造のマンションは築年数による劣化スピードはゆるやかです。

しかし、堅牢なマンションであっても10年や20年単位で見れば、大規模な修繕が必要となります。

そのときの費用は当然マンションの住人から徴収され、基本的には毎月の修繕積立金から賄われます。

しかし、管理が行き届いていない自主管理マンションの場合は、将来的な修繕へ向けての計画も存在していない可能性が高くなりますそして、修繕計画がなくても修繕が必要になる日は必ず来ます。

そのときに住人は、いきなり大きな負担を強いられることになりますし、高齢や近いうちの引っ越しなどを理由に費用負担を断る世帯もあるでしょう。

場合によっては、入居間もない住人に対して修繕のための大きな費用負担が求められることもあるので、長期的な修繕計画がないマンションへの入居は、たとえ価格が安くても敬遠されがちです。

現在のマンションはすべて管理組合がある?

現在のマンションはすべて管理組合がある?

1962年に制定された、建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)は1983年に改正され、管理組合を設けることが規定されました。そのため、現在のマンションにおいて管理組合は必ずあることになります。

しかし、注意しなくてはならないのは、管理組合が存在することと、適切な管理がなされていることは別問題だという点です。管理組合があっても、しっかりと機能していない場合もあるので、入居前に見極めが必要です。

また、自主管理マンションだから管理組合が存在しない、というのは誤です。

自主管理マンションとは、あくまで管理会社と提携していないマンションのことですので、自主管理マンションであっても管理組合を組織し、適切な管理がなされていることはあります。

しかし、自主管理マンションは管理会社のサポートを受けていないので、結果として管理が行き届いていないケースが多くなります。

自主管理マンションは売却しづらい

自主管理マンションは売却しづらい

自主管理マンションは、リスクがあります。

そして、そのリスクが原因で、売却しようとしても買い手がつきづらい現状があります。

自主管理マンションが売却しづらい主な理由を3つ紹介します。 

1.管理組合がないと買い手のイメージが悪い

区分所有法が改正される1983年以前に建設されたマンションの場合は、管理組合が存在しないことがあります。

管理組合がないことが、買い手に「適切な管理がされていない」というイメージを抱かせるため、売却しづらくなります。

実際には管理組合なしで適切に管理されていたとしても、買い手側からすれば詳細の把握は難しく、管理組合がない時点で購入候補から外すケースが多くなります。

2.住宅ローンが組めないことがある

マンションを購入する際、買い手は金融機関で住宅ローンを組みます。金融機関は、購入するマンションを担保に買い手にお金を貸しています。

そのため、お金を貸す金融機関側は、購入するマンションが担保として機能するかどうか注視します

しかし、自主管理マンションで、適切な管理ができていない場合は、管理規約や修繕履歴、長期修繕計画書などが用意できません。すると、金融機関はそのマンションが将来的に資産価値を保ち続けることができないと判断し、買い手は住宅ローンの審査に通過できなくなります

結果として、たとえ購入希望者が現れても住宅ローンが組めずに断念してしまうケースが発生し、余計に売却しづらくなります。

3.大規模修繕のための積立金が少ない

自主管理マンションは管理組合が機能しておらず、将来的な大規模修繕のための積立金が少ないケースが多く、入居後の大きな負担を懸念して買い手がつきづらくなります

これまで十分に積立金を蓄えられなかったマンションであれば、いざ修繕が必要になっても費用は集まりづらいでしょう。

管理組合がない自主マンションを売るなら管理組合を作るのが最善策!

管理組合がない自主マンションを売るなら管理組合を作るのが最善策!

ここまで、自主管理マンションのリスクや売却しづらい理由について解説してきました。

自主管理マンションが抱える課題の多くは「管理組合がない」「管理組合が機能していない」というどちらかが要因となっています。

言い換えれば、機能する管理組合を組織できれば、自主管理マンションであっても売却できる可能性は上げられることになります。

管理組合のつくり方や、運営方法の手順を確認していきましょう。

管理組合をつくる

管理組合をつくる前に、マンションに管理規約がないかを確認しましょう。管理規約には管理者や総会についての規定が記されていますので、管理者に総会を開いてもらうように要請します。

管理規約がない場合は、区分所有者である住人に呼び掛けて総会を開催します。

総会は区分所有者数の5分の1以上、および総議決権数の5分の1以上の賛成で開催できます。総議決権とは、区分所有の割合で決めるもので、たとえば専有部分の面積の合計が1,000平方メートルのマンションで、ある区分所有者の専有部分の面積が80平方メートルであるならば、その区分所有者の議決権は「1,000分の80」となります。

総会で行うのは理事の選出や管理規約案の提出などです。

管理規約がなく、ある場合でも管理者が指定されていない場合は、総会を開いて理事を選任していく必要があります。

長期間総会が開催されていない場合や、総会が初めて開かれる場合においては、開催にあたって進行役には特に区分所有法などに関する専門知識が求められますので、十分な準備が必要です。 

管理規約をつくる

マンションを管理していく上での法律となる管理規約は、専有部分や共有部分の使用方法、管理費や修繕積立金の取り決めなどを規定する重要なものです。細かな点まで含めると膨大な量になるため、1から作ろうとすると作成には手間がかかります。

マンションの管理規約については国土交通省がテンプレートとして「標準管理規約」を公表しています。これを基に作成していくとよいでしょう。

参考:「標準管理規約」(国土交通省)

長期修繕計画を立てる

長期修繕計画は、いつ実施するか、必要な費用はどれくらいかといったことを計画立てたものです。長期修繕計画の作成にあたっては、竣工図、建物の現況調査、修繕内容の整理、積立金や管理費の収支計画などが必要になります。

長期修繕計画の立案は、特に手間がかかり、専門性も必要となることですので、管理会社への委託も検討することをおすすめします。

管理体制が作れなかった自主管理マンションを売却するには?

管理体制が作れなかった自主管理マンションを売却するには?

管理組合をつくり長期修繕計画を立てることは、これまでおろそかになっていた管理費や修繕積立金の徴収という、新たな費用が発生することも意味します。そのため、他の住民からの理解や協力が得られない、というケースも珍しくありません。

管理組合がつくれなかった自主管理マンションを、それでもなんとか売却や活用したいという場合には、主に3つの選択肢があります。

1.不動産買取

不動産買取とは、不動産会社に仲介をしてもらって一般の購入希望者を探す方法ではなく、不動産会社に直接購入してもらう方法のことです。買い手が不動産会社となるので、住宅ローンが組めないといったデメリットを考慮する必要はなくなります

買い取りを行った不動産会社は、その後リフォームをして新たな購入者を探すので、買い取り金額は、管理体制の状況を抜きにしても、相場より安くなります。

しかし、そもそも買い手が見つからなければ売却することはできないので、不動産買取を検討する価値は十分にあると言えます 

2.同じマンションの住人から買い手を探す

同じマンションに住んでいる人であれば、現在の管理状態を把握しています。現状を知りながら購入を検討してくれるのなら、売却にもつながりやすいでしょう。

3.賃貸物件として貸し出す

売却が難しい場合には、賃貸物件として貸し出す方法もあります。賃貸物件であれば、入居者に管理費や修繕積立金の問題は発生しないので、比較的入居者がスムーズに見つかりやすくなります

また、賃貸物件として入居者に貸し出した状態は維持したまま、そのマンションを購入してくれる人を探す方法もあります。このような物件はオーナーチェンジ物件といいます。

入居者にとっては何も変化がなく、オーナーだけが変更になります。既に入居者がいて、家賃収入が発生する状態で売り出されるので、投資用のマンションとして買い手がつきやすいというメリットがあります。 

自主管理マンションは売りづらい!できる対策を知っておこう

自主管理マンションに買い手がつきづらいのは、変えることのできない現状です。しかし、管理組合の設立や長期修繕計画の作成により、管理体制を整えれば、マンションとしての資産価値を高め、買い手がつきやすい状態をつくることもできます。

自主管理マンションの売却を検討している場合には、ぜひこの記事を参考に対策をしてみてください。

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