【この記事で分かること】
- マンションの売り時を決める5つの要素
- マンションの築年数に応じた最適な売り方
- マンションを高く売るために抑えておきたいポイント
マンションの売り時を決める要素
マンションの売り時を決めるタイミングは5つの要素がポイントです。
- 市場動向
- 築年数
- 周辺の売り出し状況
- 季節
- 個人のライフイベント
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
市場動向
※東日本不動産流通機構のレポートをもとにすむたすマガジン編集部が作成
上記のグラフは、首都圏の中古マンションの過去10年間の成約価格(㎡単価)を表しています。
首都圏のマンションの成約価格は、東京、神奈川、千葉、埼玉すべてのエリアで直近10年間上がり続けています。特に2020年以降は急激に成約価格が高くなっています。特に需要が集中しやすい東京では、10年間で約4割ほど価格が上昇しており、他のエリアでも2~3割ほどの上昇が見られます。
2022年現在では、マンション市場は好況が続いているため、高く売れやすいと言えるでしょう。
築年数
築年数は古くなるほど需要が落ちて価格が下がり、また売却期間も長期化しやすくなります。上記のグラフは首都圏の中古マンションの成約価格の推移を示していますが、築年数が古くなるほど価格が下落しているのが分かります。特に「新築」という称号を失う築5年や、一般的に「古いマンション」という認識を持たれ始める築20~25年のタイミングは下落率が大きいです。
売却を決めているのであれば、なるべく早く売却活動を始めるのが得策です。
周辺の売り出し状況
周辺の売り出し状況もマンションの売り時を決める重要なポイントです。
近隣のエリアに、自分と類似している物件が多い場合は、基本的に価格の低い物件から売れるため、価格競争が起きやすいです。このようなタイミングで売り出してしまうと、「相場より下げないと売れない」という事態になりかねません。
もし売り出しのタイミングを選べるようであれば、周りに競合となる物件が少ない時をおすすめします。
季節
一般的に、1~3月はマンションが売れやすい時期だと言われています。
1~3月は、転勤や進学など生活環境の変化に向けて、新しい住まいを探す人が多いです。つまり、この時期はマンションの需要が高く、買い手が見つかりやすい時期だと言えます。
また、マンションの価格は需要と供給によって決定されるます。そのため、需要が一気に増えるこの時期は売り手側の交渉力が強くなり、高値で売却できる可能性も高まります。
個人のライフイベント
マンションの売却時期に最も影響を与える要素は、売主自身のライフイベントです。
売却のタイミングを決める要素は様々ありますが、やはり一番大切なのは、そこで暮らす本人が感じている、今の生活に対する不便さや、より良い生活環境を築きたいという思いです。
できる限り高くという意向がなければ、売却の契機となるライフイベントを優先させたほうがいいです。代表的なマンション売却のきっかけとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 結婚や出産
- 子どもの成長や独立
- 親の介護
- 離婚
- 転勤
築年数ごとのマンションの売却方法
マンションは築年数に応じて、市場からの需要が異なります。そのため、築年数に応じて最適な売却方法が変わることがあります。
ここからは、築年数に応じた売却方法についてみていきましょう。
- 築10年までの物件
- 築10~20年までの物件
- 築20年越えの物件
築10年までの物件
築10年未満の物件は、外観・内装ともに新しく、設備も交換する必要がないことがほとんどです。そのため、人気が高く、高額での売却を目指すことができるでしょう。
おすすめの売却方法としては、仲介による高額売却です。仲介とは、不動産会社に売却活動を依頼し、個人の買い手を見つけてもらう売却方法です。仲介での売却では、売り出し価格を自由に決めることができるので、最初は少し高めの金額で売り出してから、様子を見るのがおすすめです。
築10~20年の物件
築10年~20年未満の場合は、基本的には仲介で難なく売却することができるでしょう。
ただし、10年を過ぎると建物や設備の劣化が始まるので、修理が必要になる場合もあります。そのまま売却する場合は、「設備の取り換えが必要だから、値下げしてほしい」といった価格交渉をされる可能性があります。
また築12年ごろになるとマンションが大規模な修繕工事に入ります。修繕工事の直前になると、一時的に修繕積立金が値上がりすることもあり、買主にとってはネガティブな要因になります。そのため、売却のタイミングとしては修繕工事が終わった時期がおすすめです。
築20年越えの物件
築20年を超えると設備や建物の劣化が進み、デザインも流行とはずれるので、全体的に「古い物件」という印象を持たれ始めます。また、築年数が40年を超えている場合は、1981年に改訂された耐震基準を満たしていない可能性があります。そのような物件は安全面の懸念が大きく、大きなマイナス要因となります。
立地やマンションのグレードにもよりますが、「仲介による個人への売却」が難しい物件も出てくるでしょう。そのような場合は、買取という別の売却方法を検討するのがおすすめです。
買取では、物件を不動産会社に直接売却することができます。そのため、個人の買い手がつかないような、人気のない物件でもすぐに売却することが可能です。
デメリットとしては、売却価格が仲介の7~8割程度になってしまう点が挙げられます。「売却価格にもこだわりたい」という方は、まずは仲介で売り出してみて、売れなかった場合の安全策として買取を利用するのがおすすめです。
マンションを高く売るための方法
マンションの売却をするのであれば、誰しも高く売りたいと思うものです。しかし、高くマンションを売るためにはそれなりの工夫が必要になります。マンションをなるべく高く売却するためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。
- 時間をかけて売却活動を行う
- 優秀な担当者と出会う
- 適切なプライシング
- 内覧に工夫を施す
代表的な4つの方法を紹介していきます。
時間をかけて売却活動を行う
マンションをなるべく高く売るための1つ目の方法は、「時間をかけて売却活動を行うこと」です。
一般的にマンションの売却には平均3〜6ヵ月ほどの期間を有します。あまりに期間が短すぎると焦って不必要に値下げをして結果的に思っていたように売却ができないリスクがあります。
時間をかけて戦略を練り、売却活動を進めていくことで「どうしてもこのマンションが欲しい!」と思ってくれる購入希望者が現れる確率を高めることができます。
優秀な担当者と出会う
マンションを高く売れるかどうかは、優秀な担当者と出会えるかどうかが重要なカギを握っていると言っても過言ではありません。
優秀な担当者を見抜くためには、以下の項目をチェックするようにしましょう。
- 査定価格や販売戦略を根拠をもって説明することができる。
- 長期的な見通しを持っている(この時期までに売れなかったら、これくらい値下げをするという、見通しをもっている)
- 過去の販売実績が豊富。
- 連絡が取りやすく、レスポンスが早い。
- 人当たりが良く、コミュニケーション能力が高い。
大手の有名な不動産会社であっても、営業マンの実力にはかなりばらつきがありますし、ノルマを重視する会社の場合は、顧客の要望を無視した提案をしてくることもあります。契約する不動産会社は会社の評判よりも、担当者の実力で選んだ方がよいでしょう。
適切なプライシング
マンションを高く売るためには、状況に応じて適切なプライシングをすることが重要です。
例えば、最初は相場より1割ほど高めに売り出し、買い手が現れるまで少しずつ値下げしていく戦略を取れば、売却期間は長くなるリスクはありますが、高値で売れる可能性は高まります。
「物件をいくらで売り出すか」「値下げはどのタイミングでどのくらい行うか」「購入希望者からの価格交渉にどの程度応じるか」などは素人では判断が難しいため、担当者に任せるのが得策です。優秀な担当者であれば、絶妙なプライシングの方法を熟知しているはずです。
内覧に工夫を施す
購入希望者の購入意欲をより掻き立てるためには、内乱に工夫を施すのも重要なポイントです。
まずは物件の魅力を整理しておきましょう。担当者と一緒に購入希望者にどのように魅力を伝えるか戦略を練ることが大切です。
また、部屋をきれいに掃除するだけでも印象がガラッと変わって見えます。特に、玄関・水回り・ベランダは身に付きやすいので、重点的に掃除することをおすすめします。汚れがひどいようであれば、数万円で依頼できるハウスクリーニングの利用も検討してみましょう。
可能であれば、先に新居へ引っ越してしまい、部屋を空室にできれば、内覧の成功率はぐっと引き上がります。なぜなら、空室の方が物件そのものの魅力が伝わりますし、購入希望者が気兼ねなく部屋の様子を見られるためです。