【実情】オール電化のマンションは売れない?売れない場合の対処法を解説

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「オール電化のマンションは売れない」といわれることもありますが、メリット・デメリットを踏まえ的確な訴求ができれば、売却活動はスムーズに進むでしょう。オール電化のマンションを売るコツ、ほかに考えられる「売れない原因」を紹介します。

【この記事で分かること】

  • オール電化マンションの人気度合いと売りやすさ
  • 買い手から見たオール電化のメリットとデメリット
  • オール電化のマンションを賢く売却する方法
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オール電化マンションとは

オール電化マンションとは、調理や給湯、冷暖房のエネルギーをすべて電気でまかなうマンションのことです。

10年前と比べて「オール電化」という言葉自体あまり聞かなくなりましたが、これは東日本大震災を機に、電力会社がPR活動を自粛したためです。オール電化のPR、不動産会社へのオール電化住宅の営業支援を控えたことにより、オール電化への注目度は下がりました。

オール電化のマンションは売りにくいのか?

オール電化のマンションは、そうでないマンションに比べて売りづらいのでしょうか。

一時期と比べてオール電化という言葉を聞く機会は減っているため、すでにオール電化のマンションを所有している人にとっては、「もう需要がないのではないか?」と不安に思うかもしれません。

オール電化であることが、マンションの売買市場でどう評価されるのか解説します。

決定的に売れにくい要因にはならない

結論から言うと、オール電化であることが、決定的に売れにくい要因にはならないでしょう。

確かに一時期ほどの注目度はなくなり、「災害に弱い」というイメージが持たれることもあります。

しかしオール電化の住宅は、安全性や経済性の高さから、近年でも底堅い需要があります。実際に築浅のタワーマンションにもオール電化物件が一定数存在しており、「オール電化に住みたい」と考えている人が今でも多いことが分かります。

売れない理由は、それ以外の要因のほうが大きい

もしマンションがなかなか売れないと感じているなら、その要因は「オール電化であること」ではなく、売却活動のやり方や物件の別の要素がネックになっている可能性が高いです。

マンションが売れない原因には次のようなものがあります。

  • 売り出し価格が高い
  • 不動産会社の実力不足
  • 内覧対応が十分ではない
  • その他の不人気要素がある(築年数が古い、駅から遠いなど)

「オール電化だから売れないかも」を気落ちする必要はありませんので、そのほかの売れない原因を特定し、販売戦略や不動産会社の変更を検討しましょう。マンションが売れない場合の細かい対策については以下の記事で解説しています。

オール電化のメリット

オール電化には安全性や経済性が高いというメリットがあります。それはなぜなのか、オール電化のメリットを詳しく確認していきましょう。

  • 火災リスクが低い
  • 家計管理がしやすい
  • 電気料金を節約できる
  • 火災保険の割引が効く場合がある

火災リスクが低い

ガスを使わないオール電化は、通常のマンションに比べて火災リスクが低いです。キッチンのコンロはガスではなくIHですから、料理中に火が燃え移ったり、子どものいたずらで火事になったりするリスクがほとんどないでしょう。火災とは関係ありませんが、ガスコンロと比べて掃除しやすいのも嬉しいです。もちろん、ガス漏れの心配もありません。

マンションで火災を起こしてしまうと、自室だけの被害では済まないことも多いです。上下左右の部屋に燃え広がったり、建物全体に延焼したとなると、莫大な損害賠償が生じることになります。

家計管理がしやすい

ガスを使わないオール電化のマンションでは、光熱費が電気代に一本化されます。ガスの料金や引き落とし日を気にしなくていいため、家計を管理しやすくなるでしょう。

電気・ガス・水道の料金は、「基本料金」と「従量料金」に分かれています。基本料金はガスや電気の契約をしているだけでかかる料金で、従量料金はガスや電気を使った分だけかかる料金です。仮にオール電化ではないマンションで、ガスを全く使わなかったとしても、ガスが引かれているだけで基本料金はかかってしまいます。

また、ガスには「都市ガス」と「プロパンガス」があり、プロパンガスは料金が高いです。オール電化ならガスの基本料金がかかることも、都市ガスが使えずプロパンガスの割高な料金を支払うこともありません。

電気料金を節約できる

新電力や深夜プランなど、電気は節約の選択肢が広いです。例えば電気を新電力の会社に乗り換えるだけでも、月数千円ほどの節約ができるかもしれません。

d東京電力エナジーパートナーの電気料金を基にすむたすマガジンが試算(※電気使用量は月間400kWhで計算)

エコキュートや蓄熱ヒーターを使い、深夜の電気料金が安いプランを契約するという手段もあります。電気料金の安い深夜帯に熱源を貯めておき、電気料金の高い日中の時間帯に使うことで、トータルの電気代を安く抑えられます。上表は、1ヵ月あたり400kWh(日中100kWh、夜間300kWh)を使うと仮定した試算で、1ヵ月あたり1,030円の節約ができることとなります。

ただ、このようなプランは日中の電気代が割高です。電気代を節約できるかどうか、どのプランが最適かは、生活のスタイルにより異なります。

火災保険の割引が効く場合がある

ガスを使わないオール電化のマンションは火災のリスクが低く、火災保険の割引を適用できることもあります。例えばセコム損保やSBI損保、AIG損保では、オール電化住宅に適用できる割引があります。電気代やガスの基本料金と併せて割引を適用すれば、かなりの節約になるでしょう。

もちろん、オール電化住宅でも火災が起こることはありますし、住宅ローンを組むためにも火災保険への加入は必須です。自然災害やコンセント、カーボンヒーターなどから出火する可能性も考え、きちんとした保険に入っておきましょう。

オール電化のデメリット

オール電化にはそれなりにデメリットもあり、この部分を気にしてオール電化のマンションを避ける人もいます。ただ、「何となく不安だから」という理由でオール電化を避けている人もいるでしょう。このような人が内見に来ることもあります。オール電化のデメリットを把握し、的確な受け答えができれば、彼らがマンションを買ってくれるかもしれません。

  • 電気代の影響を受けやすい
  • 停電や災害に弱い
  • 調理器具が限定される
  • 修理や交換のコストが高い

電気代の影響を受けやすい

すべてのエネルギーを電気でまかなうオール電化のマンションは、電気代値上がりの影響を受けやすいです。電気代は原油価格や電力会社の方針などに影響を受けるため、急激な値上がりをすることがあります。

例えば東京電力の電気料金は、下記のグラフのように2011年から急激に高くなりました。

生活で必要なエネルギーの全てを電気に依存してしまうオール電化では、このような電気代の高騰が発生すると、より家計に大きな影響が出ると考えられます。

参照:電灯電力総合単価 │ 数表で見る東京電力

停電や災害に弱い

オール電化のマンションは災害、特に災害による停電に弱いです。調理も給湯もすべて電気でまかなうということは、電気が使えなくなれば、暖房はつかずお湯も出なくなります。災害・停電時のリスクを気にして、オール電化のマンションを避ける人は多いでしょう。

ただ、仮にガスを引いていても、停電すればお湯は出なくなります。給湯器の電源が入らないからです。同じように、ガスヒーターも点かなくなります。電池式ならガスコンロは使えるかもしれませんが、いざというときに備え、カセットコンロを用意しておけば済む話です。

何より、災害によりガス管が破裂してしまうと、復旧まで時間がかかります。ガス管は地下にありますし、ガス漏れのチェックもしなければならないため、復旧に時間がかかるのです。電気も災害により停まることはありますが、電線が地上にあること、ガス漏れのチェックがいらないことから比較的早く復旧するでしょう。

ちなみに、料金をうっかり払い忘れてしまった場合も、電気の方が復旧は早いです。料金未納による復旧作業は、電気なら24時間受け付けていますが、ガスはガス会社の翌営業日まで待たなければならないこともあるからです。

調理器具が限定される

オール電化のマンションでは、(カセットコンロを使う場合を除き、)IH対応の調理器具しか使えません。調理器具が限定されること、IH対応の調理器具はそうでないものと比べ割高なことから、オール電化住宅を避ける人もいるでしょう。

ただ、調理器具はそう頻繁に買い換えるものではありません。多少割高かもしれませんが、電気料金やガスの基本料金を節約できる方が、トータルの支出は抑えられるでしょう。

土鍋や文化鍋などは「直火でないと使えなさそう」というイメージがあるかもしれませんが、IH対応の物もあります。

修理や交換のコストが高い

オール電化住宅で使われている給湯器は、一般的な給湯器と比べて、修理や交換のコストが高くなりやすいです。例えばエコキュートの交換費用は30万~40万円ほどで、一般的な給湯器と比べると10万円ほど高いです。耐用年数はどちらも10年ほどといわれています。

1年換算で1万円の差ですから、電気料金やガスの基本料金で年間1万円以上の節約ができれば相殺できることになります。

購入希望者に費用について聞かれたら、「代わりに電気代とガスの基本料金が節約できる」「1年で1万円以上浮けば相殺できる」くらいの答え方をしておくといいでしょう。

 

マンションが売れない原因と対処

マンションが売れない原因が「オール電化」だとは限りません。オール電化には一定の需要がありますし、先述したように、デメリットはあってもそれを覆すようなメリットも多いです。ずっと売れないままなら、オール電化以外の「売れない理由」を探した方がいいでしょう。

  • 価格が高い→適切な値下げをする
  • 担当者の実力不足→担当者や不動産会社を変更する
  • 内覧対応が十分ではない→掃除を徹底する、売主は目立たないようにする
  • 人気のない物件である→買取の利用を検討する

価格が高い

マンションが売れない原因としてまず考えられるのが、価格が高いことです。

問い合わせや内見すら入らないようなら、価格が高すぎて、買い手の検討候補にすら入っていないことが考えられます。マンションの購入希望者はSUUMOなどのポータルサイトや、不動産の成約情報サイトなどで、自分が欲しい物件の相場を把握しているので、相場より大幅に高い物件に惹かれることは少ないでしょう。

価格が高くてマンションが売れないのなら、適切な価格まで値下げをすることをおすすめします。

まずは周辺の類似物件の相場を調べたり、複数の不動産会社に査定依頼をしたりして、自分の物件の適正価格を把握します。一般的にマンションの売却では、強気な価格設定をするとしても「相場価格+10%」と言われているので、その範囲内でプライシングすることをおすすめします。

経験豊富な不動産会社の担当者であれば、プライシングの勘所を熟知しているものです。査定を受ける中で、しっかり根拠を説明しながら価格を提示してくれた人を信頼しましょう。

担当者の実力不足

「適正価格設定のはずなのに、問い合わせや内見対応すら入らない」という状態なら、担当者の実力不足が考えられます。

マンションがスムーズに売却できるかどうかは、担当者の腕にかかっていると言っても過言ではありません。実力がない、もしくは信用できない担当者がついているのなら、担当者や不動産会社ごとの変更することをおすすめします。

担当者の実力を見抜く方法には、以下のようなものが挙げられます。

  • SUUMOに掲載している写真は綺麗かつ十分な枚数か。物件の魅力が伝わるか。
  • 長期的な販売戦略を提案してくれるか。「この時期までに売れなかったら、この金額まで値下げしましょう」というような、見通しを説明してくれるか。
  • 売主が連絡したいタイミングでレスポンスを素早くくれるか。
  • コミュニケーション能力が高く、人当たりが良いか。

内覧対応が十分ではない

「問い合わせや内覧の申込は入るのに、いつまで経っても売れない」という状態なら、内覧対応を見直した方がいいでしょう。

【内覧対応のコツ】

  • マンションがきれいに見える時間帯を把握する
  • 徹底的な掃除をしておく(水回りや玄関は目につきやすいので、念入りに)
  • 明るく笑顔で対応する
  • 答えづらいことにも正直に答える
  • 物件の魅力を整理し、担当者からプレゼンしてもらう

これらのポイントに加え、オール電化ならではの対応のコツもあります。オール電化のマンションでは、電気代や停電のリスクを気にする人も多いです。「電気代は工夫次第で安くできること」「売主(自分)がしている停電への備え、停電したときの対処法」などを伝えてあげるといいでしょう。

人気のない物件である

そもそも物件自体に人気がなく、買い手の興味を引けていないこともあります。

例えば築年数が古く、経年劣化が激しい物件は買い手から避けられることも多いです。マンションがどうしても売れない場合や、高く売ることよりも、決められた期間内に確実に売ることにこだわりたい場合には、「買取」という売却方法を一度検討してみましょう。

不動産買取業者のビジネスモデル

買取とは、マンションを不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。

買取での売却価格は相場の7~8割ほどと安くなってしまいますが、以下のようなメリットがあります。

  • 仲介手数料がかからない
  • どのような物件でも売却可能(会社によって例外アリ)
  • 数日~数週間という非常に短期間で売却できる
  • 物件の引き渡し日を売主が自由に設定できる
  • 残置物の処理を無償で依頼できる場合も多い

個人の買い手を見つけるのが難しい、売却の期限が迫っているという場合は、買取の利用を検討してみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?お伝えしたように、オール電化のマンションは、オール電化であることが原因で売れにくいということは少ないでしょうか。

しかし時期や物件の特徴によっては、「なかなか売れない」と売却に苦戦することも十分に考えられます。

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