財産分与に必要な不動産査定・円満離婚につながるポイントとは

財産分与に必要な不動産査定の方法離婚

【この記事でわかること】

  • 離婚時に、持ち家を売却することのメリット・デメリット
  • 離婚後も、持ち家に住み続けることのメリット・デメリット
  • 不動産査定はどこですればいいのか

離婚時の財産分与で不動産査定が必要である理由

離婚をする際、不動産を売却するかしないかは関係なく、査定は必要になります。「査定」と聞くと、どれほどの価格で売れそうなのかを把握するためのイメージが強く、売却をしない限りは必要のないものと思っている方も多いでしょう。しかし、不動産査定はいくらで不動産が売却できそうかを想定することはもちろん、不動産の価値を知るために必要な手順です。

離婚の際、必ず行われるのが財産分与です。財産分与とは、離婚する夫婦がお互いの結婚生活において培ってきた財産を分け合うことを意味します。

公平な財産分与のために査定が必要である

財産分与に査定が必要な理由

公平な財産分与をするためには、所有している不動産にどれだけの価値があるか、正確に把握する必要があります。

離婚時に売却せずに夫婦のどちらかが不動産を受け取る場合、同じだけの資産をもうひとりにも分与しなくてはいけません。このとき、正確に査定をしないと、どちらかの財産が多くなったり少なくなったりしてしまい、のちに金銭トラブルへと発展するリスクがあります。

離婚時に不動産を売却し、現金として折半すれば、そのような金銭トラブルのリスクは回避できます。しかし、不動産を売却する際は、相場を把握したり、売出価格を決める目的で必ず査定を受けることになります。

つまり、離婚後どちらかが住み続けるにしても、離婚時に売却するにしても、物件の正確な査定は必要不可欠なのです。

 財産分与では財産を1/2ずつ分ける

財産分与とは、夫婦が共同生活を送る中で形成した財産を公平に分配することです。仮に夫婦どちらかの名義の財産であっても、夫婦の協力により形成されたとみなされれば財産分与の対象となります。

原則、共働きの場合にも一方が専業主婦/夫の場合にも、夫婦の財産を2分の1で分与するように命じられることが多いようです。

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離婚したら不動産は売却するべきか?

離婚するとき、それまで暮らしていた家はどうするのが望ましいのでしょうか。

売却する場合とどちらかが住み続ける場合、それぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。

不動産を売却するメリット/デメリット

離婚にともない不動産を売却するメリットとデメリットには、次のようなものがあります。

【メリット】
・金銭トラブルになりにくい
・相手との関係を断ちやすい
・売却方法が選べる
【デメリット】
・住宅ローンの残債によっては売却できない
・売却には税金や費用がかかる

メリット1. トラブルになりにくい

不動産を売却すれば、離婚後の金銭的なトラブルが起こりにくくなります。

売却してしまえば現金で財産分与できるため、正確に2分の1の清算が可能です。

しかし、売却をしない場合は「不動産の時価」に基づき財産分与をするため、あとから「財産分与が公平ではない」とトラブルに発展してしまうこともあるのです。

メリット2. 相手との関係を断ちやすい

不動産を売却するのには、離婚後相手との関係を断ちやすいメリットもあります。

どちらかが家に住み続ける場合、住宅ローンが残っていると手続きについて連絡を取り合う必要があり、なかなか関係が清算できないでしょう。家に住み続けた方がローンの支払いを滞らせ、自分にまで不利益が及ぶ可能性もあります。また、後から不動産を売却しようと思っても、共同名義や住んでいない方の名義が登録されている場合、再度連携が必要になります。

せっかく心機一転新しい生活を始めるのであれば、このような不安を残したくはないでしょう。売却してしまえば現金でわかりやすく財産分与できるため、このような心配は無用です。

メリット3. 売却方法が選べる

離婚で不動産を売却する際の目的は、「財産分与でなるべく多くの現金を得て、新生活に備えたい」「金額はともかく早く関係を終わらせたい」などさまざまです。

売却をするのであれば、目的に応じて方法を選べます。少しでも多くの現金が必要なら、売却価格の高くなりやすい「仲介」で時間をかけて売却するのが良いでしょう。早く離婚をして関係を清算したいのであれば、すぐに売却できる「買取」という選択肢があります。

デメリット1. 住宅ローンの残債によっては売却が難しい

住宅ローンの返済が終わっていないと、その残債に大きさによっては売却が難しい場合もあります。

家の売却資金や手元の資金でローンを完済できる場合は、そのまま売却することができます。しかし、家を売却してもローンが残ってしまう、いわゆる「オーバーローン」の場合は、完済のための資金を金融機関から融資してもらう必要があります。経済的に余裕がない場合は、融資の審査に通らない可能性もあるため、注意が必要です。

残債がある場合の不動産売却については、こちらの記事を参考にしてみてください。

デメリット2. 売却には税金や費用がかかる

不動産売却をするには、税金や費用がかかります。特に仲介で売却した場合、業者に以下の仲介手数料を支払わなくてはいけません。「売却価格=手元に残る金額」ではないことを覚えておきましょう。

売却価格仲介手数料の上限
200万円以下(売却価格 × 5%)+ 消費税
201万~400万円(売却価格 × 4% + 2万円)+ 消費税
401万円以上(売却価格 × 3% + 6万円)+消費税

住み続ける場合のメリット/デメリット

離婚後どちらかが家に住み続けるのには、次のようなメリットやデメリットがあります。

【メリット】
・生活環境を維持できる
・離婚時の負担が少なくなる
【デメリット】
・残債を1人で支払うリスクがある
・離婚後の売却が困難

メリット1. 生活環境を維持できる

売却しなければ、夫婦のうち片方は今まで通りの生活環境を維持できます。特に子どもがいる場合には、今の家に住み続けられれば転校なども必要なく、メリットが大きいでしょう。

メリット2. 離婚時の負担が少なくなる

今の家に住み続ければ、家の売却や新しい住まいを探す労力を回避することができます。

不動産の売却には、平均して3~6ヶ月の期間と約10回の内覧対応が必要だと言われています。加えて、新しい住まいを同時に探すとなると、今度は自分が内覧に出向いたり、入居日を調整したりといった労力を払わなければなりません。

離婚はただでさえストレスのかかる出来事ですので、住まいに関する手間や労力を割く余裕がない場合もあるでしょう。ひとまずは今の家に住み続け、落ち着いてから今後の住まいについて考えるという選択肢も良いでしょう。

デメリット1.ローンに関するトラブルが起きやすい

住み続ける家に残債が残っている場合は、何らかの形で返済を続けることになります。

この際、二人で協力して返済を続けたり、住んでいない方が返済を担うことになった場合は、トラブルが非常に起こりやすいです。なぜなら、「自分が住んでいない家のローンを払い続ける」という状況は不満が溜まりやすく、返済の意思や能力を途中で失うケースが多いからです。

このようなトラブルを避けるためには、「住み続ける人が返済も担う」という状態がベストでしょう。

デメリット2. 離婚後の売却が困難

家を売却するためには、「すべての名義人」による承認が必要です。夫婦で共有名義にしていたり、住んでいない方が名義人のままになっている場合は、後々売却をしようとする際に、支障をきたす恐れがあります。

例えば、相手と連絡がつかなくなったり、何らかの理由で売却を認めてくれない場合、売却そのものが不可能になってしまいます。このリスクを避けるには、住み続けるほうに家の名義人を変更しておくことが望ましいでしょう。

離婚後のトラブルを避けたいなら売却がおすすめ

離婚後のトラブルを避けたいなら、不動産は売却しておくことをおすすめします。

離婚後はお互いに別々の人生を歩むことになるため、マンションに関する取り決めや約束も反故にされるリスクが常につきまといます。

対して、現金での財産分与はわかりやすく公平で、後から「どちらかの取り分が多い」「離婚後も関係が切れない」などのトラブルを回避できるようになります。

しかし離婚をするときは、精神的な負担が大きくなるため、「マンションを売却をするほどの余裕がない」という方も多くいらっしゃいます。そんな方におすすめしたいマンション売却サービスが「すむたす売却」です。

すむたす売却には、マンションの売却を知り尽くしたコンサルタントが在籍しており、お客様の希望の売却価格やスケジュールに合わせて、最もメリットのある売却プランをご提案することができます。「離婚を控えているので、なるべく手間を抑えて売却したい」というご要望があれば、内覧対応なし・お部屋の片付け不要でマンションを売却することも可能です。

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離婚時の不動産査定の依頼方法

離婚時になぜ正確に査定をしなくてはいけないのかは、理解できたかと思います。次に不動産査定をする際、どこに依頼をすれば良いのかを紹介します。離婚時に不動産の査定を依頼できるのは次の3つです。

  • 不動産会社に直接申し込み
  • 一括査定サイトを利用する
  • 不動産鑑定士

それぞれについて、詳しく解説します。

不動産会社に依頼する

1つ目の依頼方法は、不動産会社に直接査定を申し込むことです。

基本的に、ある程度規模の大きな不動産会社であれば、各社のHPからオンライン査定を申し込むことができます。簡単な個人情報や物件情報を入力すれば、数時間から数日ほどで査定結果が届くでしょう。このような査定方法を机上査定と呼び、この段階で知ることができる価格は概算に過ぎないことが多いです。

より正確な価格を知りたい場合は、訪問査定を追加で依頼する必要があります。訪問査定は、その名の通り、不動産会社のスタッフに物件を訪問してもらい、より細かい評価項目に基づいて価格を算出してもらう査定方法です。物件を売り出す場合は、訪問査定の結果に基づいて価格を決定します。

不動産会社の査定の種類やサービスの一覧について知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

不動産会社に直接依頼するメリット

  • 無料で査定してもらえる
  • 売却をする場合は流れがスムーズ

不動産会社で査定してもらうことの最大のメリットは、無料で査定価格を算出してもらえることです。不動産会社での査定は、売却が成功してから成功報酬の支払いが発生するため、査定は無料で依頼することができます。

また、査定時に物件の販売戦略等も聞くことができるので、売却する場合はスムーズに依頼することが可能です。

不動産会社に依頼するデメリット

  • 価格を意図的に高く見積もられる場合がある
  • 複数社の査定を受けるのは手間がかかる

不動産会社には、「できるだけ多くの契約を取りたい」というインセンティブが働くため、適正価格よりも高めの査定価格を提示してくる場合があります。相場よりも高い価格設定をしてしまうと、売却期間が長期化しやすくなります。また、売却せずに財産分与するにしても、公平な分与の妨げになりえます。

そのため適性な価格を知るためには、複数社の査定を受けて結果を比較することが重要です。しかし、不動産会社に直接査定を申し込む場合は、1社ごとに個人情報や査定項目を入力する必要があるため、やや手間がかかることがデメリットになります。

一括査定サイトを活用する

2つ目の依頼先は一括査定サイトです。一括査定サイトであれば、家にいながらオンラインで査定を依頼できます。そのため、最も手軽に査定価格を算出してもらえるサービスです。必要な情報をサイト上で入力することで提携している複数の不動産会社に詳細が送られます。そのため、自分で何社もの不動産会社に問い合わせをしなくてもいくつもの査定額を出してもらえます。

無料でできる、かつ複数の不動産会社に依頼が出せるので、まずは一括査定サイトでおおよその査定額を見ておくのも良いかもしれません。

一括査定サイトを利用するメリット

  • 一括で複数の不動産会社に査定依頼ができる

一括査定サイトでは、一度個人情報や物件情報を入力すると、提携している不動産会社へ一斉依頼ができます。一度に依頼できる件数には、サイトごとに上限が設けれていますが(6社~10社程度)、何度も同じ情報を入力する手間が省けるので、時間がないときでも気軽に依頼できるのが特徴です。

一括査定サイトを利用するデメリット

  • 営業電話がたくさん来る

一斉にいくつもの不動産会社に査定依頼を出しているので、依頼から数日すると査定結果や売却の意向を確認する連絡がたくさん来ることになります。ほとんどの一括査定サイトは電話番号の入力が必須であるため、そうした連絡は電話で来ることが多いです。

中には過度に契約を迫るような営業トークを仕掛ける不動産会社もいるため、「物件の価格を調べたかっただけ」という人にとっては、非常に煩わしく感じられるでしょう。

不動産鑑定士に依頼する

3つ目の依頼先は不動産鑑定士です。不動産鑑定士とは、不動産鑑定評価の法律に基づく国家資格を所有する不動産鑑定の専門家です。不動産鑑定士に査定を依頼する場合、売却ができてから報酬を支払うのではなく、査定を依頼したタイミングから支払いが発生します。

不動産会社と違い、不動産鑑定士は贔屓なしに査定をしてくれます。費用はかかるものの、最も正確な査定価格を算出してくれます。

メリット:正確な査定価格を提示してもらえる

不動産鑑定士は不動産査定のプロであり、あらゆる要素を勘案することで、非常に公平かつ正確な価格を算出してくれます。

物件を売却してしまう場合は、不動産会社や一括査定サイトの査定で十分ですが、売却せずに財産分与する場合は、不動産鑑定士による査定を検討する価値があるでしょう。また、不動産鑑定士による査定結果は法的な効力を持つため、仮に離婚や財産分与について裁判になった場合にも、書類として提出が可能です。

デメリット:費用がかかる

不動産鑑定士に査定を依頼すると、査定をするだけで20~30万円ほどの費用がかかります

そのため、正確かつ法的な効力を持つ価格を知りたい場合にのみ、不動産鑑定士を依頼するようにしましょう。繰り返しますが、物件を売却する場合は、不動産会社による無料の査定で十分です。

離婚時の査定の注意点

不動産を売却するには、まず査定してもらう必要があります。査定をしてもらう際の注意点を4つお伝えします。

・最終的には訪問査定が必要
・売却には名義人双方の同意が必要
・査定額で売却できる保証はない
・財産分与の対象にならない不動産もある

最終的には訪問査定が必要

どんな方法で査定をしたとしても、最終的には訪問査定が必要になります。

離婚時は忙しく、なるべく簡単に査定してもらいたいと、書類やオンライン上で査定してもらえる机上査定を選んだとします。しかし、机上査定で分かる価格は概算にすぎませんので、売却の有無にかかわらず、実際に物件を見てもらう訪問査定は必要になります。

売却にはすべての名義人の同意が必要

不動産を売却するためには、全ての名義人双方の同意が必要です。仮に夫婦の共有名義で家を所有している場合は、双方の同意がなければ売却できないということです。

しかし、不動産査定は同意が取れていない状態でも依頼可能なので、夫婦のどちかが反対している場合は、交渉の説得材料として査定結果を提示することができます。

財産分与の対象にならない不動産もある

不動産の中には、財産分与の対象にならないものもあります。以下の条件に当てはまる不動産は、離婚しても片方のみに所有権が認められます。

・片方の親族から相続や贈与された不動産
・片方の親族が全額費用負担をして購入した不動産
・結婚前からどちらかが所有していた不動産
・どちらか片方が結婚前の貯蓄だけを使って購入した不動産

住んでいる家がいずれかの不動産に当てはまる場合には、それ以外の財産を財産分与することになります。

査定額で売却できる保証はない

基本的に不動産の査定額は、「これくらいの金額で売れそうだ」という売却見込み価格に過ぎず、最終的には買主の「物件をいくらで買いたいと思うか」が価格を決定します。

一度売り出し価格を決定しても、売れなければ自発的な値下げを検討する必要がありますし、購入希望者から価格交渉を持ちかけられることもしばしばです。

「今すぐに売却価格を確定させたい」という方は、すむたす売却のAI査定をおすすめします。すむたす売却のAI査定では、オンライン上の無料査定を申し込むだけで、「物件が実際に売れる価格」を提示いたします。この価格は売却保証価格なので、そのあとの売却プロセスで価格が下がることはありません。

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