売却した不動産の固定資産税は誰が払う?基礎知識と計算方法を解説!

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固定資産である不動産には毎年固定資産税がかかります。不動産の所有者に納税義務があり、原則売主が支払わなくてはいけない固定資産税ですが、売却したとしても売主が支払わなくてはいけないのでしょうか。

売却した不動産の固定資産税は誰に支払い義務があるのか、どのように支払うのか、いくら支払わなくてはいけないのかなど、固定資産税に関する基礎知識や計算方法を解説します。

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固定資産税とは何か?

そもそも固定資産税とは、1月1日時点で固定資産を所有していた人に対して課される税金です。マンションであれば家屋に対して、戸建てであれば家屋と土地に対して固定資産税が課されます。固定資産税は固定資産を所有している限り支払い義務は生じ続けます。

固定資産税についていくつか知っておきたい基礎知識や計算方法をまとめて解説していきます。

固定資産税の計算方法

固定資産税は、以下のように計算します。

固定資産税評価額×標準税率(1.40%)=固定資産税額

固定資産税にかかる標準税率は、多くの自治体で1.40%が採用されています。しかし、地方税である固定資産税は住んでいる地方によって採用されている税率が異なります。所有している固定資産のある自治体のホームページより、税率については事前に確認するようにしましょう。

固定資産税評価額とは都や市町村が不動産を評価し、固定資産税の基準として定める価格です。市町村の課税課や東京都の場合、都税事務所から届く納税通知書に同封されている課税明細書にて固定資産税評価額が確認できます。
金額は、課税地積又は課税床面積(㎡)の欄に記載されており、減額制度や特例が適用の要件を満たしていると金額が安くなっている場合もあります。

なお、固定資産税の税額は一度決まった額を生涯支払い続けるわけではありません。土地と家屋の評価額は3年ごとに見治され、それに伴い固定資産税の税額も変動します。

固定資産税は以下の3つの書類より確認できます。

・固定資産税の課税明細書
・固定資産評価証明書
・固定資産課税台帳

固定資産税の軽減措置

良質な住宅の建設を促進して居住水準の向上や良質な住宅ストックの形成を図るために新築住宅に対して課税される固定資産税を戸建てであれば3年間、マンションであれば5年間の間2分の1に減額されます。(適用期限:令和6年3月31日)

なお、期間以降「固定資産税が増額された!」と感じてしまうかも知れません。しかし軽減措置が適用となっていただけであるため厳密には増額されたのではなく元の額に戻っただけであることを理解しておきましょう。

【参照】
国土交通省|新築住宅に係る税額の減額措置
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000021.html

都市計画税との違い

固定資産税が固定資産を所有するすべての人に課されるのに対して、都市計画税は、市街化区域に固定資産を所有している人にのみ課されます。市街化区域とは住宅や商業施設がすでに建ち並ぶ区域、もしくは10年以内に住宅や商業施設が建ち並ぶ計画のある区域を指します。

不動産を売却した際に固定資産税を払うのは誰か?

不動産を売却する際売主は利益を得られるのはもちろんのことですが、支払わなくてはならないものがいくつかあるのも事実です。支払わなくてはいけないものの中には固定資産税が含まれます。

不動産を所有している人に対して課される固定資産税は、不動産を売却した場合には売主と買主のどちらに支払い義務が課されるのでしょうか。売却した不動産の固定資産税は誰に納付義務があるのか、解説していきます。

固定資産税の納税義務者は売主

固定資産税は1月1日時点で不動産の所有者だった人に対して課されます。年度の途中で不動産を売却して所有者が変わったとしても、売主から買主に納税義務が移行しない点に注意が必要です。そのため1月1日以降に不動産を売却した場合、1月1日時点で不動産の所有者である売主が売却初年度1年分の固定資産税を支払わなくてはいけなません。

売買契約後の翌年1月1日には買主が正式に納税義務者となります。売主は不動産売却をした翌年にならないと不動産にまつわる税金が完全に手離れにならないことを理解してく必要があるでしょう。

【参照】
東京都主税局|固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_10.html

固定資産税は日割り精算が可能

売却した不動産には所有権がないのにもかかわらず、売主だけで固定資産税を納税しなくてはいけないのは不平等に感じるでしょう。そこで、一般的には売主と買主が話し合いによって負担割合を決められます。

この場合の固定資産税は日割りで清算され、買主が引渡し後から年度末までの固定資産税額を売主に対して固定資産税清算金として支払います。このように固定資産税は売主と買主の双方で支払いますが、法律上の納税義務者は売主のままであることに変わりはありません。

日割り清算する際、起算日が重要になります。起算日は固定資産税を日割り清算するにあたり、売主と買主の所有期間を決める基準となる日です。この日付と引き渡し日次第で固定資産税の負担割合は大きく異なります。

起算日に注意する

各自治体によって起算日は1月1日と4月1日の2種類に分かれるます。起算日によって売主と買主のそれぞれの固定資産税の負担額は大きく異なるため、トラブルを未然に防ぐためにも事前によく確認しておきましょう。

起算日は関東では1月1日、関西では4月1日とされる傾向にあります。起算日が1月1日の場合、1月1日から買主への引渡し日までの課税を売主が負担し、引渡し日から12月31日までの課税を買主が負担します。その一方で起算日が4月1日の場合は、4月1日から買主への引渡し日までの課税を売主が負担し、引渡し日から3月31日までの課税を買主が負担します。

このように、起算日が異なるだけで負担する固定資産税の期間が変わり、額も変わります。
固定資産税の負担額は日割り清算するため、後のトラブルを避けるためにも契約書に起算日を明記して売主と買主の双方で確認を取っておくのがおすすめです。

マンション売却後の固定資産税の経費精算方法

1月1日の場合と4月1日の場合でどのように固定資産税の経費精算に違いが出るのでしょうか。起算日が以下の条件の場合、それぞれどれほどの額を買主に負担してもらうことになるのかシミュレーションで見ていきましょう。

【不動産売却が執り行われた条件】
引渡し日 :6月27日
固定資産税:15万円
都市計画税:5万円

起算日が1月1日の場合

起算日が1月1日の場合のシミュレーションを見ていきましょう。

【不動産売却が執り行われた条件】
起算日  :1月1日
引渡し日 :6月27日
固定資産税:15万円
都市計画税:5万円

6月27日に不動産を引渡した場合、1年のうち売主の所有日数は178日となります。固定資産税は固定資産税15万円と都市計画税5万円を合わせた20万円となり、売主と買主の負担額はそれぞれ次のような計算で求められます。

売主:20万円 × 178日 / 365日 = 9万7,534円
買主:20万円 – 9万7,534円 = 10万2,466円

この場合、買主は売主に対して10万2,466円を不動産の売買代金に上乗せして支払わなくてはなりません。

起算日が4月1日の場合

起算日が4月1日の場合のシミュレーションを見ていきましょう。

【不動産売却が執り行われた条件】
起算日  :4月1日
引渡し日 :6月27日
固定資産税:15万円
都市計画税:5万円

6月27日に不動産を引渡した場合、1年のうち売主の所有日数は88日となります。固定資産税は固定資産税15万円と都市計画税5万円を合わせた20万円となり、売主と買主の負担額はそれぞれ次のような計算で求められます。

売主:20万円 × 88日 / 365日 = 4万8,219円
買主:20万円 – 9万7,534円 = 15万1,781円

この場合、買主は売主に対して15万1,781円を不動産の売買代金に上乗せして支払わなくてはなりません。
このように1月1日が起算日なのと4月1日が起算日なのとでは、売主と買主のそれぞれが負担しなくてはいけない固定資産税は大きく異なります。起算日がいつなのかは事前に明確にしておくことでトラブルが起きるのを防げるでしょう。

経費精算の際の注意点

買主は引き渡し後から12月31日までの固定資産税を固定資産税清算金として売主に支払います。ただし、この清算方法には2点注意が必要になります。それぞれの注意点について解説します。

法律で決まっている精算方法ではない

買主が固定資産税を売主に対して支払う固定資産税清算金のやりとりには、法律的な規定がありません。しかし、不動産取引の契約における売買契約書の中に必ず組み込まれている条項です。

都市計画税については、あくまで都市計画区域内に不動産がある人に対してのみ課税されます。こちらも固定資産税同様、買主は固定資産税清算金と一緒に売主に支払わなくてはいけません。こちらも日割り精算になるので、固定資産税と合算して計算するようにしましょう。

清算によって利益が出た場合は確定申告する

買主から支払われる固定資産税清算金は、不動産の売却金額に含まれます。売却金額に含まれるということは売却利益の一部として考えられるため、譲渡所得となります。

不動産を売却した際に得た譲渡所得には譲渡所得税がかかるため、確定申告をする必要があります。譲渡所得は不動産を売却した額そのものにかかってくる額ではなく、以下のように求められます。

【譲渡所得=売却金額ー取得費用】

利益に関してはきちんと確定申告をして納税するようにしましょう。確定申告は売却のあった翌年の2月中旬からです。売却から期間が空いてしまうため忘れてしまわないよう注意しましょう。

固定資産税の精算の際に出てくる疑問点

固定資産税を精算する際、いくつか疑問点が浮かんでくるかもしれません。不動産売却では大きな金額が動くので、疑問点はクリアにして挑みましょう。

固定資産税に消費税がかかるのか?

固定資産税には消費税はかかりません。しかし、固定資産税清算金は売買代金の一部となります。そのため、買主から支払われる固定資産税清算金は消費税の課税対象となるのです。

ただし必ずしも課税されるわけではなく、課税対象にならない場合もあるので注意が必要です。売主が課税事業者である場合は、固定資産税清算金に消費税が課税されます。個人であっても賃貸収入を得ていた物件の売却には消費税がかかります。

不動産会社に清算依頼した場合には別途費用がかかるのか?

不動産取引において、固定資産税清算金の支払いは慣例とされているものです。そのため、不動産会社に精算の依頼をしたからといって別途費用が発生することはありません。

固定資産税清算金は税金ではなく売買代金の一部と見なされるため、不動産会社に支払う仲介手数料の中に固定資産税清算金分も含まれることになることを理解しておきましょう。

納税証明書が届く前に売却した場合は?

納税通知書は毎年6月に届きます。しかし、納税通知書が届く前に売却することは十分にあり得ることです。その場合には、売主の手元にある最新の納税通知書(売却の前年)の金額に基づいて精算額を求めます。

売却した不動産の固定資産税は売主と買主で支払う

売却した不動産の固定資産税は、売主と買主の双方で支払います。厳密には、固定資産税の納税義務は売主にのみあります。買主は、固定資産税清算金として自身の負担分を売買代金に上乗せして売主に支払います。売主は利益が出たら確定申告が必要です。
売却の翌年、確定申告の手続きが必要になるため、忘れないようにしましょう。

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