中古マンションの価格は、築年数が古くなるほど下がっていきます。そのため売却時期は、基本的に早ければ早いほどいいでしょう。しかし、所有期間や周辺環境の変化などにより、ベターな売却時期は変わる場合があり、一概に早ければ良いというものでもありません。
本記事ではマンションの売却時期にかかわる6つの要素と、それぞれの要素が売却時期にどんな影響をもたらすのかを解説します。
マンションの売却時期を決める6つのポイント
中古マンションの売却を考えるうえで、「売却はしたいけど、いつ売り出すのがベターか」という悩みを抱えている方は多いでしょう。ここからは次の6つのポイントに沿って、マンションの売却時期について解説していきます。
ライフイベント
マンションの売却時期に最も影響を与える要素は、売主自身のライフイベントです。
売却のタイミングを決める要素は様々ありますが、やはり一番大切なのは、そこで暮らす本人が感じている、今の生活に対する不便さや、より良い生活環境を築きたいという思いです。代表的なマンション売却のきっかけとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 結婚や出産
- 子どもの成長や独立
- 親の介護
- 離婚
- 転勤
マンションの売却にかかる期間は、平均3~6ヵ月
マンションの売却にかかる期間は、平均3~6ヵ月ほどといわれています。2017年に東京カンテイが作成したレポートでも同様の結果が出ており、売り出しから3か月で67%、7か月で90%の人が売却を完了しています。
出典:東京カンテイ「中古マンションの価格乖離率(首都圏)」
そのため、「ここまでに売却を完了させたい」という期日の目安がある方は、遅くともその半年前からは売却の準備を進めることをおすすめします。
住み替え時の注意点
ライフイベントによるマンション売却では、住み替えが必要になることも多いです。今のマンションを売って、新しく暮らすマンションを購入する住み替えでは、「売却と購入のどちらを先にするか」「次の住まいは賃貸か購入か」「住宅ローンの残債がある場合はどうするのか」など、気にすべきことが多く、難易度が高いです。
住み替えや買い替えに注意点は、こちらの記事で解説していますので、是非ご覧ください。
月/季節
一般的に、1~3月はマンションが売れやすい時期だと言われています。
1~3月は、転勤や進学など生活環境の変化に向けて、新しい住まいを探す人が多いです。つまり、この時期はマンションの需要が高く、買い手が見つかりやすい時期だと言えます。
また、マンションの価格は需要と供給によって決定されるます。そのため、需要が一気に増えるこの時期は売り手側の交渉力が強くなり、高値で売却できる可能性も高まります。
築年数
マンションは築年数が浅いほど高く売れやすく、築年数が古くなるほど売りづらくなっていきます。
基本的には、築年数が10年以下の物件であれば売却に苦労することは少ないと言われています。しかし、築年数が20年を超えると売却の難易度は一気に上がり、30年以上になると個人の買い手は見つかりにくくなります。
築年数から売却のタイミングを考えるときのポイントは以下の2つです。
- なるべく早く売るのが基本
- フィルター検索時の築年数帯も意識
なるべく早く売るのが基本
出典:東日本不動産流通機構 「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況」
築年数は古くなるほど需要が落ちて価格が下がり、また売却期間も長期化しやすくなります。上記のグラフは首都圏の中古マンションの成約価格の推移を示していますが、築年数が古くなるほど価格が下落しているのが分かります。特に「新築」という称号を失う築5年や、一般的に「古いマンション」という認識を持たれ始める築20~25年のタイミングは下落率が大きいです。
売却を決めているのであれば、なるべく早く売却活動を始めるのが得策です。
フィルター検索時の築年数帯も意識
マンション探しで築年数を重視する人は多く、不動産ポータルサイトには築年数によって物件をフィルタリングする機能がついていることが一般的です。
「SUUMOの築年数によるフィルタリング機能」
基本的には、「3・5・7・10・15・20・25・30」という刻み方でフィルターが設けられていることが多いです。マンション価格はこの区切りを境にして値下がりしやすいため、区切りとなる築年数が近づいている場合は、特に早めに売却するのが得策です。
保有期間
マンションは基本的には早く売った方が、高く売れやすいのですが、売却益が発生する可能性がある場合は注意が必要です。売却益には税金が課せられますが、保有期間が長い方が税率が低くなるからです。保有期間に応じた税率は以下のようになっています。
特に保有期間が5年以上になると税率がおよそ半分になるため、多額の売却益が発生しそうな場合は、5年は売らずに保有したほうが得策でしょう。しかし、5年や10年という築年数は、マンションが値下がりしやすい期間でもあるため、売却益がそれほど発生しない場合は、気にせず早めに売却してしまいましょう。
社会全体の流れ
社会全体の流れによっても、マンション市場全体が値下がりしたり、逆に値上がりすることがあります。このような流れは非常に長期的に影響を及ぼすため、過度に気にすることはないですが、長期的に売却のタイミングを見計らっている人は知っておいて損はないでしょう。
- マンション市場は2013年から好調が続く
- 「東京オリンピック後にマンションが売れなくなる説」の真偽
マンション市場は2013年から好調が続く
中古マンションの売却価格は、2013年以降、右肩上がりの状態が続いています。下の図は、首都圏の中古マンションの成約価格の推移を示していますが、2010年が2500万円程度であるのに対し、2021年は4000万円程度まで上昇しており、10年間で60%近くも高騰したことになります。
マンション価格が高騰している背景には以下のような理由が考えられます。
- 金融緩和による住宅ローンの金利低下
- 時価の上昇
- 建築資材や人件費の上昇
マンションの売り手にとっては、高く売りやすいこのトレンドは有利といえるでしょう。しかし、このトレンドが今後も継続するという保証はありません。基本的に、マンション市場は日経平均株価などの経済指標と相関関係があり、経済全体が冷え込むとマンション価格も下落しやすい傾向があります。そのため経済危機等が発生すれば、現在の好況も終わる可能性が高いため、過度な楽観視は禁物です。
「東京オリンピック後にマンションが売れなくなる説」は本当か?
ここ数年の不動産業界には、「東京オリンピック後に、首都圏の不動産価格が落ちる」という通説がありました。この通説を聞いて、マンションが売れなくなったり、相場が安くなったりするのではないかと不安を感じた人もいるでしょう。
結論からいうと、東京オリンピック後にマンションが売れなくなるということは起こりませんでした。中古マンションの成約㎡単価は、2020年の緊急事態宣言後に一時的に下落しましたが、それ以降は上昇が続いています(参考:サマリーレポート2021年7~9月期 │ 公益財団法人 東日本不動産流通機構)。
オリンピック後に不動産価格が落ちるという説は、1964年の東京オリンピック後に日本が不況に陥ったことによりものでしょう。当時はオリンピックの影響でいったんは景気が良くなりましたが、その影響で起こった証券ブームに対し、金融引き締めがなされました。この一連の流れにより、1964年の東京オリンピック後に、日本は不況になったのです。
しかし、2021年の東京オリンピックにはこのような事情はなく、むしろ金融緩和は継続されています。このような根拠の乏しい通説には、注意するようにしましょう。
周辺地域の動向
マンションの売却時期を考えるうえでは、周辺地域の動向もよくチェックしておきましょう。
- 周辺物件の売り出し状況
- エリアの人気
周辺物件の売り出し状況
周辺物件の売り出し状況は、マンションの成約価格を大きく左右します。
例えば、自分と類似した条件を持つ物件や、人気の高い新築や築浅の物件が、近所で売り出されている場合、物件の供給量が買い手からの需要を上回ることになります。すると必然的に売主側の価格競争が発生し、「値下げをしないと買い手がつかない」という状態になりかねません。
物件を高値で売却したい場合は、近場に競合になりそうな売り出し物件が少ない時をおすすめします。
エリアの人気
長期的なスパンでマンションの売却時期を考えている方は、そのエリアの人気は高まっているのか、下がっているのかもチェックしましょう。
大きな商業施設ができる、交通の便が良くなるなどの「人気アップにつながる事情」があるなら、需要が集中し、マンションを高値で売却できる可能性が大きくなります。
反対に、周辺のお店が次々と閉店していったり、人の集まる施設(学校や企業、大きな商業施設)が移転したりといった状況では、需要が薄れてマンションの売却価格も安くなりかねません。このような情報をキャッチしたら、早めに売却してしまうのが得策かもしれません。
ライフイベントに合わせて売却するなら、すむたす
マンションの売却時期を考える上で最も大切なのは、売主のライフイベントを優先するということです。「今の家が手狭になったから引っ越ししたい」「子供が独立したので、夫婦だけの暮らしを始めたい」など、住み替えを決意する理由は様々でしょう。
そのようなライフイベントに合わせてマンションを売却したい方におすすめのサービスが、すむたすです。すむたすでは、株式会社すむたすがあなたの物件を直接買取するため、物件の引き渡し日を売主様が自由に設定することができます。そのため、新居の入居日と住んでいた家の引き渡し日を合わせられるため、仮住まいや過度な費用負担が発生する心配がありません。
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