不動産の買取相場とは?
不動産の買取価格とは、「買取業者を利用したときの、売却価格の相場」です。
では、買取相場はどのように計算され、どんな不動産がいくらくらいで売買されているのでしょうか。
本記事では、買取相場の調べ方や、都道府県別の相場価格を紹介。
不動産をなるべく高くためのコツや、安く買い叩かれないための注意点もお伝えします。
不動産の買取業者を利用した場合、相場の8割程度が多い
不動産の買取業者を利用した場合、買取価格は「仲介業者を利用した相場」の8割程度になることが多いです。
なぜ、買取業者を利用すると買取価格が安くなるのでしょうか。
そもそも、買取業者と仲介業者には、どのような違いがあるのでしょうか。
両者の特徴と「買取価格が異なる理由」を解説します。
また、「買取だからといって必ずしも損をするわけではない」ことも。「自分にはどちらの業者が合っているのか」を考えてみましょう。
買取業者と仲介業者の違いとは?
不動産売買を行う業者には、「買取業者」と「仲介業者」の2種類があります。
それぞれ、どのような業者なのでしょうか。
買取業者は、売主から不動産を直接買取る業者です。
買取った不動産は、必要に応じて改修・改築され、別な売主に向けて売り出されます。
簡単にいえば、「改修を伴う再販」を行う業者であり、「買取再販業者」と呼ばれることもあります。
仲介業者は、不動産を売りたい人と買いたい人を繋げる=仲介する業者です。
「この物件に住みたい!」と感じる個人への仲介をするため、買取価格は高くなる傾向にあります。
ただし、「買いたい人」が現れるかどうかには、運やタイミングも絡みます。すぐに高額で売れることもあれば、値下げをしてもなかなか売れないこともあるでしょう。
買取業者の買取価格が、市場相場より低い理由
一般的に、買取業者の買取価格は、仲介の市場相場よりも低いです。
理由は2つ。「業者の利益やリスクヘッジが必要なこと」と「改修費用分が差し引かれていること」です。
買取業者を利用する場合、業者の提示した査定価格に納得さえすれば、すぐに売却が決まります。
業者はなるべく多くの不動産を買取り(仕入れ)、「売却する不動産」=「在庫」を確保しなければならないからです。
しかし、確保した不動産すべてが、すぐに売れるとは限りません。
中にはいつまでも売れ残り、負債となる不動産もあるでしょう。
再販価格と買取価格の差額により利益を出すことと、「売れ残り負債となるリスク」を考慮し、業者は査定を行っているのです。
リフォームやリノベーション伴う再販の場合、改修費用も業者が負担するため、買取価格から差し引かれます。
たしかに買取での相場は安いですが、裏を返せば、「売主が負担する費用」は少ないということです。
費用が浮いた分、売却価格は低くとも、売却益は大きくなります。
不動産の買取相場を、都道府県ごとに比較
不動産の買取相場は、都道府県ごとにどの程度違うのでしょうか。
さまざまな間取り、面積の不動産で比較しやすいよう、「1平米あたりの平均単価」で比較します。
もちろん、間取りや詳細なエリアによって、相場は大きく異なります。
あくまで参考単価であることに留意して、活用してください。
【マンション買取の平米単価(都道府県別)】
都道府県 | 平米単価 |
---|---|
東京都 | 76万円 |
北海道 | 23万円 |
青森県 | 17万円 |
秋田県 | 20万円 |
岩手県 | 21万円 |
宮城県 | 28万円 |
山形県 | 25万円 |
福島県 | 25万円 |
新潟県 | 22万円 |
長野県 | 28万円 |
山梨県 | 26万円 |
富山県 | 24万円 |
石川県 | 23万円 |
福井県 | 21万円 |
神奈川県 | 44万円 |
埼玉県 | 33万円 |
千葉県 | 29万円 |
茨城県 | 24万円 |
栃木県 | 25万円 |
群馬県 | 20万円 |
岐阜県 | 21万円 |
静岡県 | 24万円 |
愛知県 | 29万円 |
三重県 | 23万円 |
大阪府 | 36万円 |
京都府 | 48万円 |
奈良県 | 21万円 |
滋賀県 | 28万円 |
兵庫県 | 31万円 |
和歌山県 | 21万円 |
鳥取県 | 18万円 |
島根県 | 22万円 |
岡山県 | 25万円 |
広島県 | 30万円 |
山口県 | 21万円 |
徳島県 | 22万円 |
香川県 | 22万円 |
愛媛県 | 20万円 |
高知県 | 14万円 |
福岡県 | 29万円 |
佐賀県 | 19万円 |
長崎県 | 29万円 |
熊本県 | 28万円 |
大分県 | 20万円 |
宮城県 | 22万円 |
鹿児島県 | 29万円 |
沖縄県 | 36万円 |
※2019年のマンションの取引データを基にしています
「1平米あたりの単価」×「マンションの面積」=「相場」として活用してください
不動産買取を成功させる、相場の調べ方
不動産買取を成功させるには、正しい方法で相場を調べることが大切です。
どんなに時間をかけても、「適正な相場」を把握できなければ、集めた情報は役に立ちません。
では、どのような調べ方をすれば、「自分のマンションの相場」がわかるのでしょうか。
調べ方はさまざまですが、今回は「複数の業者に査定してもらう方法」と「膨大なデータを持つ業者に査定してもらう方法」をお伝えします。
複数の業者に査定依頼する
不動産を高く売るためには、相場を調べるだけでなく、複数の業者に査定依頼を出すことが大切です。
そもそも、相場とは「似た不動産の買取価格の平均」です。
相場を調べてわかるのは「似た不動産の買取価格」であり、「自分の不動産の買取価格」ではありません。
不動産を高く売りたいのなら、複数の業者に「自分の不動産をいくらで買取ってくれるか」を聞く=査定してもらうのが1番です。
とはいえ、不動産の査定には業者ごとに異なる手続きがあり、必要書類を都度用意する必要があります。
査定してもらう業者が増えるほど労力も増え、時間がいくらあっても足りません。
不動産一括査定サイトを使う
1度の手続きで、複数の業者に査定を出せるのが「一括査定サイト」です。
一括査定サイトの使い方は、いたって簡単。
Web(一括査定サイト)上の「情報入力フォーム」から、必要情報を入力するだけです。
24時間365日、スマートフォンやPCから、サイトに登録するすべての業者に査定依頼を出せます。
業者ごとの査定結果がある程度揃ったら、それぞれの内容を比較しましょう。
査定価格を比較し、平均値を出せば、「自分のマンション」の相場がわかります。
また、査定価格そのものだけでなく、「査定の根拠」も見比べましょう。
業者ごとの「査定の根拠」を見比べていけば、「自分のマンションはなぜその価格なのか」が見えてきます。
交渉材料としても、避けるべき業者を見つけるためにも、役立つ情報です。
ただし、一括査定サイトを使うと、査定を依頼したすべての業者に対して、個人情報を開示することになります。
業者は条件の良い不動産を売ってほしいため、査定依頼を出した業者から、一斉に営業がかかる可能性もあるでしょう。
膨大なデータを持つ業者に査定してもらう
一括査定サイトの「複数の業者から営業がかかるリスク」を避けたいなら、信頼できる1社に査定を依頼する方法もあります。
では、「信頼できる1社」は、どのように選べば良いのでしょうか。
1つの手段として、「膨大なデータを持つ業者を選ぶ」方法があります。
不動産買取の査定では、「近い条件の不動産が、過去どのように取引されてきたか」というデータを用います。
膨大な「過去の取引データ」から、査定する不動産と近いものを探し、査定時点での適正価格を導き出すのです。
「信頼できるかどうか」は、取引データの保有量と、過去の査定実績に比例します。
なるべく多くのデータを持つ業者、査定実績の多い業者を選ぶようにしましょう。
不動産の買取相場を調べるには、データの質と量が大切
本記事では、不動産の買取価格の相場や、「自分のマンションの適正価格=相場」の調べ方をお伝えしました。
途中で紹介した「マンションの1㎡あたりの相場」はあくまで参考であり、実際の買取価格は「築年数・間取り・周辺環境」など、さまざまな要素で変動します。
だからこそ、複数の業者や信頼できる業者から、「自分のマンションの買取価格」を査定してもらってください。
相場を調べることも大切ですが、実際に査定してもらうことほど、早くて正確な調べ方はありません。
とはいえ、一括査定サイトを利用し、複数の業者から営業がかかるのを不安に思う方もいるでしょう。
そんな方には、膨大なデータを持つ「すむたす売却」での査定をおすすめします。
「すむたす売却」は、買取業者が提供する、マンション査定サービスです。
Webから5つの項目を入力するだけで、最短1時間で、マンションの適正価格を算出します。
2020年11月現在の査定実績は、およそ3,500件。
もちろん、「すむたす売却」以外にも、複数の業者で査定することをおすすめします。
営業電話がかかってくることよりも、不動産を少しでも高く売ることを考えるべきだからです。
まずはデータに基づく適正価格を把握し、複数業者の査定価格をフラットに比較するための、準備をしてください。