中古マンションの売却にかかる期間は、平均3ヵ月といわれています。3ヵ月を超えて売却活動をしているのにマンションが売れないと、「価格が高すぎるのでは?」と値下げしたくなるかもしれません。
しかし、安易に値下げをしてしまうと、本来ならもっと高く売れるはずだったマンションを、安く手放してしまうことになります。
本記事では中古マンションを値下げするタイミングやコツ、値下げする前にできることを紹介します。
中古マンションの値下げは5~10%ほどが目安
中古マンションの値下げは、一度に5~10%ほどするのが目安といわれています。
値下げ額の5~10%というのはあくまで目安です。マンションが売れるかどうかは、値下げをするタイミング、状況に合った値下げ額の決め方により変わります。
値下げの前に適正価格で売り出しているかを確認!
マンションを売り出してからしばらく内見や購入希望が現れないといった状況であれば、値下げを検討することになります。
しかし、一度値下げを行った物件は、「再度値下げされるのではないか」と物件探しをしている人に思われやすいという特徴があります。物件の売却にあたって売主は「なるべく高く売りたい」と思うものですが、相場よりも高く売ろうとすると、さまざまな物件を見て同時に検討していて、相場を把握している買い手からは、検討の候補から外れてしまいます。
物件の売却で目指すのは、相場より高い価格での売却ではなく、相場に沿った適正価格での売却だということは意識しておくとよいでしょう。
値下げをする前の売り出し価格の設定を誤って相場よりも高くすれば売れ残り、安くすれば損をしてしまいます。まずは、売り出し価格を決める段階で適正価格に設定することが重要になります。
適正価格をつけるためには相場を知ることが必要です。売主が相場を知るためにできることを2つ紹介します。
インターネットを使った相場の調べ方
売り出し中の物件価格や成約済の物件価格を調べることで、相場の把握でしやすくなります。
レインズマーケットインフォメーション:実際の売却価格が分かる
レインズマーケットインフォメーション(レインズ)は、公益財団法人東日本不動産流通機構が運営するサイトで、売り出された物件が実際にいくらで売れたかが分かる点が最大の特徴になります。また、売り出し中のマンションや戸建ては不動産会社によってレインズへの登録が義務化されていますので、更新頻度や情報量も申し分ありません。
レインズでは、地域、沿線、最寄り駅、駅からの距離、築年数、間取り、土地面積などの条件で絞り込んで、売却事例が検索できます。絞り込み機能を使って自宅の条件と近いものを表示させれば、大体の相場がつかめでしょう。
参考:レインズマーケットインフォメーション(公益財団法人東日本不動産流通機構)
Home`s:売り出し価格の設定の参考にできる
Home`sは、売却事例が分かるサイトではなく、実際に今売りに出されている物件を紹介するサイトです。家の購入を検討している人向けのサイトですが、現在売り出し中の物件の価格設定を知ることで、自宅の売り出し価格の設定の参考にできます。
不動産売買においては、売主と買い手で価格交渉が行われ、売り出し価格から少し値下げして成約することがほとんどです。そのため、売り出し価格がそのまま成約価格(売却価格)になるパターンは多くなく、物件の売り出し時には、価格交渉があることを想定して、実際に売りたい価格(適正価格)よりも少し高い売り出し価格を設定する必要があります。
レインズは、売却価格を知るのに便利ですが、いくらで売り出せばよいのかの相場を知る際にはHome`sが便利です。
また、レインズマーケットインフォメーションにはないHome`sならではの特徴としては、物件の外観や内観が写真で表示されるというものがあります。同じ築年数であっても物件によって内観が大きく異なることがありますので、自宅により近い条件のマンションの売り出し価格が調べられます。
参考:Home`s
マンションの査定は仲介と買取の2パターンで
実際に自宅マンションを売却しようとする際は、不動産会社に訪問査定をしてもらう必要があります。不動産会社から査定を受ける際には「複数業者から査定をしてもらう」「不動産買取の査定もしてもらう」のがおすすめです。
複数の不動産会社に査定をしてもらい信頼できる会社を選ぶ
不動産会社から算出してもらう査定価格は、あくまで「この価格で売れるだろう」というものであり、その価格で確実に売れるというものではありません。そのため、悪質な不動産会社の場合は、あえて高い査定価格を提示して自社と仲介契約を結んでもらおうとしてくる場合があります。
悪質な不動産会社を選ばないようにするためには、複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。
複数の会社に依頼する中で、不自然に査定価格が高い会社は避けるようにしましょう。また、他社よりも大きく査定価格が低い会社は、その地域の相場感が把握できていない可能性が高いので、こちらも同様に避けるようにしてください。
不動産買取を行う会社からも査定をしてもらい最低価格を把握
不動産の売却方法は、不動産会社に仲介をしてもらって一般の市場に売りに出す不動産仲介と、不動産会社に直接買い取ってもらう不動産買取の2つがあります。
不動産買取で買い取られた物件は、その後リフォームが行われ、一般の市場に売りに出されます。そのため、不動産買取の場合は、相場より2割ほど低い価格が査定価格(買取価格)となります。このことを利用すると、自宅のマンションはどんなに安くても不動産買取の場合の価格よりは高値で売らなければ損だというイメージができます。つまり、不動産買取の査定価格は、自宅マンションを仲介で売る場合の最低価格を設定する際の参考にできるわけです。
ただし、不動産買取は、買い手がつきづらい物件でも買い取ってもらえる、仲介をしないので現金化までが数週間でできるといったメリットもあります。築年数が経っていてリフォームをしなければ人が住めないような物件を売却したい場合には、不動産買取も検討するとよいでしょう。
希望価格で売却するための買い手との価格交渉のポイント
物件の購入検討者が現れたら、価格交渉を行うのが一般的です。売主が「絶対に値下げをしない」という姿勢だと交渉が上手くいかないだけでなく、買い手が見つかるのが遅くなってしまう恐れもあります。価格交渉をする際に、心がけたいポイントを3つ紹介します。
買い手の立場を理解する
物件を売る側はなるべく高く売りたいものですが、買い手はなるべく安く買いたいと思っています。価格交渉では、相手の立場を理解することが第一段階になります。
買い手が不動産会社(不動産買取)の場合
不動産会社は市場価格に詳しく、多くの物件情報を持っています。不動産会社の立場は、なるべく物件を安く買い取って、利益を上乗せして再販売したいというものです。
一般の買い手(仲介)の場合
一般の買い手は、予算内でできるだけ良い物件を購入したいと考えています。他の物件を多く見ているので、売主よりも近隣の相場に詳しいケースが多くなります。物件の購入時には家の価格以外にもローンの金利や初期費用なども必要になるので、想像以上に金額に対してシビアな傾向があります。
自分の物件のアピールポイントを伝えられるようにする
買い手側からすると、古い物件や設備はマイナスポイントとなり、値下げをもちかける際の材料になります。マイナスポイントばかりでは、たとえ相場に沿った適正価格であっても、値下げの余地が生まれやすいでしょう。
価格交渉を有利にすすめるためには、売主は自分の物件のアピールポイントを伝えられるようにしておくことが必須です。物件の魅力をしっかりとアピールすることで売り出し価格に説得力が増します。自分が今まで家に使ったリフォーム費用や近隣の物件情報などを提示して、自分の物件の方が優れているところをアピールできるようにしておきましょう。
交渉の余地を残す
売却するかどうかは売主に権利がありますが、購入するかどうかは買い手に権利があります。つまり、売主と買い手は平等な立場です。売買を円満に成立させるためには、お互いの信頼関係が重要になります。
「絶対にこの価格でないと売らない」という姿勢だと買い手に敬遠されますので、信頼関係を築き、交渉の余地を残しておくことを意識しましょう。買い手はさまざまな物件を候補に入れて検討していますので、その場では決まらなくても、他の物件を見て回った後に「やっぱりあの家がいいね」となることが大いにあります。しかし、交渉の余地を残さず、信頼関係が築けていなければ、買い手は再交渉しようとは思わないものです。
相手の立場を尊重し、「もう一度話を聞こう」と思ってもらえるな姿勢を取るようにしてください。
マンションを値下げするタイミング
マンションがなかなか売れないからといって、すぐに値下げをすればいいわけではありません。中古マンションの値下げが効果的なタイミングには、次のようなものがあります。
・生活の変化が多い2~3月
・売り出してから3ヵ月以上経ったとき
・競合物件が少なくなったとき
・フィルター検索時の築年数帯が上がる前
生活の変化が多い2~3月
中古マンションの値下げが効果的な1つ目のタイミングは、「生活の変化が多い2~3月」です。不動産業界は2~3月が繁忙期で、この時期は新築も中古も、マンションがよく売れます。新築マンションがよく売れるのは、不動産会社の決算月だからでもありますが、それ以上に「生活の変化が多い時期」だからです。
2~3月には、転勤や子どもの進学などによる引っ越しが増えます。生活環境が大きく変わる時期であり、それにともない、広い物件や職場に近い物件に住み替える人もたくさんいます。マンションへのニーズが高い時期にインパクトのある額を値下げをすることで、その物件に目を留める人も増えるでしょう。
売り出してから3ヵ月以上経ったとき
中古マンションの値下げが効果的な2つ目のタイミングは、「売り出してから3ヵ月以上経ったとき」です。なかなか売れない、内覧希望が増えないと感じても、ひとまず3ヵ月待ってみましょう。
中古マンションの売却期間は、平均で3~6ヵ月といわれています。平均期間になるまで待たずに値下げをしてしまうと、もっと高く売れる可能性のあったマンションを、安く手放すことになりかねません。
また、3ヵ月以上売れ残っているマンションは、「このマンション、いつも売りに出ているな」という印象を与えます。このような状態では、「そろそろ値下げされるかも」と、買い手側が待ちの姿勢に入ってしまうかもしれません。「値下げされたら問い合わせよう」と待っている買い手がいる可能性も考えると、この時期の値下げは有効といえます。
競合物件が少なくなったとき
中古マンションの値下げが効果的な3つ目のタイミングは、「競合物件が少なくなったとき」です。競合物件がある程度売り切れたタイミングで値下げをしましょう。
これは、効果的な値下げのためというよりは、価格競争に巻き込まれないためです。競合物件が多いときに値下げをしてしまうと、「このままの価格では売れない」と考えた競合物件も値下げをする可能性があります。こうなると、価格競争が始まりかねません。
競合物件が少ない状態であれば、値下げをすることで購入希望者の興味をしっかりと集めることができます。
フィルター検索時の築年数帯が上がる前
中古マンションの値下げが効果的な4つ目のタイミングは、「フィルター検索時の築年数帯が上がる前」です。買い手が物件探しに使うポータルサイトでは、物件の条件を指定した「フィルター検索」ができます。このフィルター検索には築年数の項目もあり、「築5年以内」「築10年以内」「築20年以内」のように、条件ごとに物件を一覧表示できる機能です。
※suumoの築年数によるフィルター機能
マンションの価格は、築年数の影響を大きく受けます。フィルター検索の築年数帯が上がってしまうと、自分のマンションが築年数の古い、価格の安いマンションと一緒に表示されてしまいます。
築年数帯が上がった直後に値下げをしても、相場と同じくらいと思ってもらえることはあっても、「この物件、安くていいな」と目を引けることはないでしょう。築年数帯が上がる前の、インパクトを出せるうちの値下げが効果的です。
マンションを値下げしてはいけないタイミング
中古マンションには値下げをすべきではないタイミングもあります。ここまで紹介してきた「値下げが効果的なタイミング」以外での値下げは、あまりおすすめできません。
具体的に、どんな時期の値下げがおすすめできないのか、併せてチェックしておきましょう。
・4~5月の売れにくい時期
・内覧が多いとき
4~5月の売れにくい時期
中古マンションの値下げがおすすめできない1つ目の時期は、「4~5月の売れにくい時期」です。2~3月に新しい家を購入する人が多いということは、その直後である4~5月は、多くの人が家探しを終えているでしょう。マンションを探している人が少ないこの時期に値下げをしても、効果はあまり期待できません。
内覧が多いとき
中古マンションの値下げがおすすめできない2つ目の時期は、「内覧が多いとき」です。内覧が多いということは、その物件に興味を持つ人が多いということです。内覧に来る人は、広告に書かれた内容と売り出し価格を照らし合わせて、興味を持ったから内覧に来ています。つまり、「このマンションがこの価格なら、買いかもしれない」と思っているのです。値下げをしなくても、売れる可能性は高いです。
内覧が多いのにいつまで経っても成約しないなら、価格以外の問題があるかもしれません。部屋の掃除が行き届いているか、内覧対応に不備がないかを重点的に見直しましょう。
マンションを値下げするときのコツ
中古マンションの値下げ額は、一度に5~10%ほどが目安といわれています。しかし、価格をただ5~10%下げるだけでは、最大限の効果は得られません。次のようなコツを意識して、値下げ後の価格を決めましょう。
・フィルター検索時の価格帯を意識する
・一度に1割は値下げする
・10万の位を”8”にする(端数価格効果)
フィルター検索時の価格帯を意識する
中古マンションを値下げするときの1つ目のコツは、「フィルター検索時の価格帯を意識する」ことです。まずは築年数や価格、間取りなどのフィルターをかけて、どんな競合物件があるのか検索してみましょう。いろいろなフィルターで検索をすることで、相場感がつかめ、自分のマンションの適正価格も見えてきます。
相場や適正価格を把握し、それよりも少し低いくらいで値下げをすると、物件情報を見た人にインパクトを与えられるでしょう。
10万の位を”8”にする(端数価格効果)
中古マンションを値下げするときの3つ目のコツは、「10万の位を”8”にする」ことです。これは「単数価格効果」と呼ばれ、8のような中途半端な価格にすることでお得感を演出します。
例えば3,000万円と2,980万円のマンションでは、価格差は20万円ですが、千万の位が変わります。実際以上のお得感があるでしょう。
ただ、マンションという超高額なものに対して、どこまで有効なのかは明確ではないため。「このようなコツもある」程度のコツとして覚えておきましょう。
マンションを値下げする前にできること
中古マンションがなかなか売れないと、「この価格だといつまで経っても売れないのでは?」と不安になり、値下げしたくなることもあるでしょう。
しかし、売れない理由が価格にあるとは限りません。価格以外に原因があるのに値下げをしてしまうと、値下げをしたのにもかかわらず売れないままになったり、本来の価値よりも安くマンションを手放したりといったことになりかねません。
中古マンションを値下げする前にどんなことができるのか、覚えておきましょう。
・売れやすい2月になるのを待つ
・内覧対応を徹底する
・不動産会社や担当者を見直す
・仲介ではなく買取業者も検討する
売れやすい2月になるのを待つ
中古マンションを値下げする前にできることの1つ目は、「売れやすい2月になるのを待つ」ことです。マンションは生活環境が変化する人の多い2~3月によく売れます。住み替えや築年数などの急ぐ理由がないなら、2月になるのを待ってみるのもいいでしょう。
内覧対応を徹底する
内覧の予約は入るのに、なかなか買い手がつかないという場合は、内覧の準備や対応に問題がある可能性があります。思い当たる方は、以下の要素を見直してみましょう。
- 部屋の掃除は行き届いているか
- 目につきやすい水回り、玄関、バルコニー等は重点的に掃除をしているか
- 照明や香りなど、物件を良く見せる工夫をしているか
- 聞かれたことに対して、過不足なく答えているか
- ネガティブな要因があっても隠さず、誠実な対応をしているか
不動産会社や担当者を見直す
不動産会社や担当者の実力が乏しかったり、そもそも十分な販売活動をする気がない場合は、会社や担当者の変更を検討しましょう。実力がない不動産会社は以下のような観点から見分けることができます。
- ポータルサイトに載っている写真や文章の質が良くない
- 売主に対する活動報告の頻度が少ない
- 売主の要望を無視した提案をしてくる
- レインズに物件を登録していない
不動産会社同士が物件の情報を共有するネットワークのこと。このネットワークに物件情報を掲載することで、他社から買い手の紹介が来やすくなるため、売主にとってはメリットになる。不動産会社の中には、物件を囲い込むためにレインズへの登録を怠る場合がある。
担当者を変えたい場合は、不動産会社側に事情を話せば、問題なく新しい担当者を割り当ててくれるでしょう。会社ごと変えたい場合は、3か月の媒介契約期間の終了を待つか、正当な理由があれば契約を途中で打ち切ることも可能です。
仲介ではなく買取業者も検討する
中古マンションを値下げする前にできることの4つ目は、「仲介ではなく買取業者も検討する」ことです。これは売却を急いでいる人に、特におすすめできる方法です。
買取業者は、物件を直接個人から買い取り、リノベーションを施したうえで、新しい買主に販売するという事業形態をとっています。そのため、築年数が古い、設備が壊れている、立地が悪いなど、条件が良くない物件でもすぐに買い取ってもらうことが可能です。
仲介業者を通した売却活動の期間は平均3~6ヶ月と言われていますが、買取業者の場合は1~2週間程度ですべての売却活動を終えることが可能です。
買取業者に物件を売却した場合は、価格は相場の7~8割程度に下落する傾向があります。しかし過度な値下げをするよりは、高く売れる可能性があるでしょう。
おすすめのマンション買取サービス
マンションが売れない場合は、安易に値下げをしてしまうよりも、販売戦略の見直しを行うべきです。しかし、「そんなに時間をかけられない」という場合は、買取によるスピーディな売却も検討してみてはいかがでしょうか?
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