【この記事で分かること】
- マンションを売り出してから売却完了までの平均的な期間
- できるだけ短期間で売却するための方法
中古マンション売却にかかる期間
中古マンションの売却にかかる期間は、平均4ヵ月前後です。
2021年にはコロナ禍による給与減少、新築マンションの価格高騰により、中古マンションの需要が相対的に伸びました。これにより、売却期間は平均3ヵ月ほどにまで短くなりました。
ただ、売却にかかる期間は、売却の方向性により変わってきます。早く売りたいなら2~3ヵ月、高く売りたいなら半年ほどの期間は確保しておきたいところです。
地域別のマンション売却期間
中古マンション売却にかかる期間は、地域によっても差があるので、売却するエリアの傾向を把握しておくことが大切です。
三井住友トラフト不動産が2020年に公開した「不動産マーケット情報」では、2010年から2019年までの中古マンションの平均売却期間が主要エリア別に紹介されています。
上記記事によると主要エリアの平均売却期間は、最新の2019年時点で東京は3.78ヶ月、大阪は3.4ヶ月、愛知では3.45ヶ月となっており、東京は他の地域より売却期間が長期化しやすい傾向であることが明らかになっています。
中古マンション平均的な売却期間の推移(月単位)
【東京都】
【大阪府】
【愛知県】
出典:三井住友トラフト不動産「不動産マーケット情報:2020年3月号」
なお、東日本不動産流通機構のデータによると、直近5年間における首都圏の中古マンション平均売却日数は以下の通りです。
登録から成約に至る日数
年 | 日数 |
2019年 | 81.7 |
2020年 | 88.3 |
2021年 | 74.7 |
2022年 | 71.4 |
2023年 | 80.1 |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2023年)」
おおむね3ヶ月程度で推移していることがわかるでしょう。
ただし、この日数は販売が開始されてから成約が決まるまでの期間を表しています。したがって不動産会社に査定を依頼する期間や、契約成立から引渡しまでの期間などは含まれていません。
2019年から2023年までの推移を比較すると、大幅な日数の変化はないため、東京においては現在も3.75ヶ月前後が平均的な売却期間と考えておくようにしましょう。
マンション売却に必要なプロセス
中古マンションが売れるまでの間、売主はどのようなことをしなければならないのでしょうか。
中古マンションが売れるまでの期間を「売却活動前」、「売却活動」、「売却活動後」の3つのフェーズに分け、それぞれどのような手続きが必要で、どのくらいの期間を要するのか解説します。
フェーズ | 手続き | 期間 |
---|---|---|
売却活動前 | ①査定&不動産会社探し | 2週間 |
売却活動前 | ②媒介契約の締結 | 1週間 |
売却活動中 | ③売却活動 | 3ヵ月 |
売却活動中 | ④売買契約の締結 | 1週間 |
売却活動後 | ⑤引渡し | 1ヵ月 |
売却活動前と売却活動後に約1ヵ月ずつ、売却活動に3ヵ月はかかることと考えておきましょう。
特に、住み替え先が決まっていたり、競売が迫っていたりなどの「早めに売りたい事情」がある場合は、売れるまでの流れとそれぞれにかかる期間をしっかりと把握しておく必要があります。
中古マンションの売却期間に影響する要素
中古マンションが売れるまでの期間は、平均で4ヵ月とお伝えしましたが、それは売却活動がスムーズに進んだ場合です。
中古マンションが売れるまでの期間は、さまざまな要素の影響を受けます。中古マンションが売れるまでの期間を左右する要素には、次の4つがあります。
それぞれについて解説していきます。
売り出し価格
売却期間に最も強い影響を与えるのは、売り出すときの価格です。
一般的に高値の売却を狙う場合は、「相場価格+10%」程度の少し割高な価格で売り出して、買い手がつかなければ、徐々に値下げするという戦略が用いられます。この戦略を用いる場合は、一定期間は売れないことを覚悟する必要があります。
もし、短期間での成約を目指すなら、相場通りもしくは相場より少し安い価格を設定するのがおすすめです。マンションは売り出した当初が買い手からの最も引き合いが強いので、このタイミングで割安な価格を提示すれば、「お得な物件が売り出された!」という強い印象を与えることができるでしょう。
築年数
築年数が長くなるほど、マンションは売れづらくなります。特に築30~35年が境目で、築35年以上のマンションは一気に売れづらくなるでしょう。
特に、耐震基準が改正された1981年前後に建てられたマンションは、「旧耐震」か「新耐震」かがわかりづらく、買い手に敬遠されるかもしれません。新耐震基準を満たしていることを確認し、それを伝えることで、マンションは売れやすくなるでしょう。
なお、耐震基準は2000年6月1日に再度改正が行われています。最新の2000年基準を満たしたマンションであれば買い手は安心するでしょう。
専有面積
専有面積とは、玄関やベランダを除いた部屋として活用できる面積のことです。これは狭すぎても広すぎても売れづらくなる傾向にあり、60~80㎡ほどの部屋が最も売れやすいです。
部屋の階層
高層階にある部屋ほど売却期間は短くなる傾向にあります。特に15階までは階層が高くなるほど売れやすくなりますが、15階以降は階層が高くなっても売却期間にはあまり影響しないようです。
階層が高い部屋なら外からの人目が気にならず、カーテンを開けやすくなります。周りの建物に採光が遮られることも少なくなり、虫も部屋に入ってきづらくなるでしょう。
室内の状態
中古・新築にかかわらず、室内の状態は売却期間に大きく影響します。傷や汚れがなくきれいに整った部屋ほど売れやすく、そうでない部屋は売れづらい傾向にあります。
特に内覧前は清掃を入念に行い、見栄えの良い状態にしておくことが重要です。落とせない汚れがある場合は、ハウスクリーニングを検討しましょう。
また、トイレやキッチン、エアコンなどの設備が古く劣化していると、購入後に故障や不具合が起こるのではないかという不安を与えてしまいます。
状態によってはリフォームや修繕の実施を検討しましょう。
売却を依頼する不動産会社
仲介の場合、中古マンションが売れるまでの期間には、不動産会社の力量が大きく影響します。
厳密には、不動産会社の担当者の実力が最も重要です。不動産の売却に関するほぼ全ての業務は、一人の担当者に一任されます。そのため、担当者の実力が売却活動の成否に直結するのです。
腕のいい担当者は、以下のような観点から見極めることができます。
- 査定価格や販売戦略を明確な根拠をもって説明することができる。
- 長期的な見通しを持っている(この時期までに売れなかったらこれくらい値下げをする、というような戦略がある)
- 過去の販売実績が豊富。
- 連絡が取りやすく、レスポンスが早い。
- 人当たりが良く、コミュニケーション能力が高い。
媒介契約の種類
不動産会社と結ぶ媒介契約の種類も、売れるまでの期間を左右する大きな要因です。
一般媒介契約は複数の不動産会社に売却活動を依頼できますが、積極的な売り出しをしてもらえない可能性があります。一般媒介契約は、特別な努力をしなくても勝手に買い手がつくような「人気の高い物件」に向いていると言えます。
対して、専任媒介契約や専属専任媒介契約は一社のみに売却活動を依頼するので、より積極的な売却活動をしてもらえるでしょう。ただし、契約した不動産会社が実力不足だったり、意図的に活動を怠っている場合、売却期間が長引いてしまう可能性があります。
それぞれの媒介契約のメリット、デメリットを押さえた上で、適切な契約形態を選択しましょう。媒介契約について詳しく知りたい方には、以下の記事がオススメです。
マンションの売却期間を短縮するためのポイント
中古マンションが売れるまでの期間をなるべく短くするには、どうすればいいのでしょうか。マンションを早く売るためのポイントは以下の3つです。
- 不動産会社選び
- 売り出し時期
- 売り出し価格
不動産会社選び
マンション売却のカギを握るのは、売却活動を任せる不動産会社と営業担当者です。特に営業担当者の実力や誠実さは、きちんとチェックしましょう。具体的には、次のようなポイントを確認します。
もしこれらの要素に全く該当しない場合は、その営業担当者は、売り手(あなた)のことよりも、自社の契約やノルマを気にしている可能性が高いです。売り手にとって満足のいく売却活動を、二人三脚で進めてくれる担当者を選びましょう。
また、不動産会社の実績や得意分野、エリアを把握することも重要です。中古マンションの売買実績が豊富で、売却する物件のエリアに精通した不動産会社であれば、売却活動がスムーズに進むでしょう。
不動産会社の選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
売り出し時期
売り出し時期も、中古マンションが売れるまでの期間を左右します。中古マンションを早く売りたいなら、2月や3月などの新生活が始まる時期、競合物件が出ていないタイミングなどの「マンションが売れやすい時期」を狙うといいでしょう。
競合物件の有無は、売れるまでの期間だけでなく売却価格にも影響するため重要です。早く売りたい事情がないのなら、競合物件が少ないときに売り出すといいでしょう。
また、金利もマンション価格を決める重要な要素です。一般的に金利が上昇すると、不動産価格は下落する傾向にあります。
したがって、マンションを売却するのであれば、金利が低い時期のほうが高く売れやすくなります。日本では低金利の状態が長く続いていますが、今後上昇する可能性もあります。金利との関係においては、今は中古マンションの売り時といえるでしょう。
マンション売却のタイミングの見極め方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
売り出し価格
売ろうとしている中古マンションは、かつて高いお金を出して買ったはずです。なるべく高く売りたいと思うのが人情ですが、相場より高すぎてもなかなか売れません。
売れない状況が続くと売り出し価格を下げたり、値下げ交渉に応じたりしたくなるものです。相場を把握し、はじめから適正価格か少し高いくらいの価格で売り出すと、売却活動はスムーズに進むでしょう。
売り出し価格の決め方について詳しく知りたい方には、以下の記事もオススメです。
マンション売却がスムーズに進まないときの対処法
中古マンションがなかなか売れないときは、どのような対策を取ればよいのでしょうか。
売主ができる主な対処法として「売却価格を見直す」、「他の不動産会社へ相談する」、「リフォームや修繕を施す」の3つがあります。それぞれの内容を解説します。
売却価格を見直す
マンションの売却価格は、立地条件、周辺環境、建物の築年数、劣化状況などによって決まります。
一般的な相場よりも高い価格に設定すれば、当然ながら買い手はつきにくくなります。
そのため、もし相場より高めの金額で売り出している場合は、適正な価格まで引き下げれば、買い手の興味を引くことができるでしょう。
また、どうしても買い手がつかない場合は、相場よりやや低い売却価格まで見直せば、買い手がつく可能性も高まります。
しかし、その場合は自分の利益を削ることにもなりかねないため、すぐには決断せず、さまざまな手段を尽くしても売れない場合の手段として残しておくことをおすすめします。
他の不動産会社へ相談する
買い手が一向に見つからないときは、他の不動産会社への相談も検討しましょう。
不動産会社の力量によっても売却の成約率は大きく異なるため、他の不動産会社へ依頼すればすぐに売却先が見つかることも決して珍しくありません。
また、不動産会社によって得意とするエリア、物件の種類などが異なるので、売却するマンションと相性の良い会社へ依頼することが大切です。
相談する前に不動産会社の過去の実績、口コミなどを見て、売却するマンションと相性が良いかどうか判断するようにしましょう。
なお、一般媒介契約は複数の不動産会社と契約を交わせるので問題ありませんが、専任媒介契約、専属専任媒介契約を交わしている場合、不動産会社と契約できるのは一社のみです。
したがって、他の不動産会社へ依頼するためには、契約を一旦解除する必要があります。
専任媒介契約、専属専任媒介契約は原則として契約期間中の解除ができないので、契約期間がいつまでか、把握しておくようにしましょう。
リフォームや修繕を施す
リフォームや修繕を施すのも効果的な方法です。
古いマンションであっても、トイレやキッチンなどの設備を最新のものに交換したり、新しい壁紙に張替えたりすれば、見栄えが良くなり内覧時に好印象を与えられます。
費用はかかりますが、なかなか買い手が見つからないときは検討しても良いでしょう。
また、物件広告に「リフォーム済み」の表記ができれば、購入希望者の興味を引くこともできるでしょう。
ただし、物件広告にリフォーム済みと記載する場合は、たとえば「2024年1月リフォーム済み(キッチン・ トイレ)」のように、リフォームの時期と内容を明示する必要がある点に注意しましょう。
中古マンションを早く確実に売る方法
ここまで解説してきたように、中古マンションが売れるまでの期間は平均4ヵ月、準備も含めると6ヵ月ほどかかるといわれています。
とはいえ、中には「そんなに時間をかけていられない」という方もいるのではないでしょうか。そのような方にはすむたす売却がオススメです。
すむたす売却では、売却スケジュールを自由に設定できる(最短2日〜)ので、売却活動が長期化する心配はありません。また、仲介会社を間に通さずにすむたすが直接物件を買取るため、仲介手数料ゼロでお得に売却することができます。
物件は買取後にリフォームを行うため、売却前のハウスクリーニングやリフォームは一切不要。築古などで状態の悪いお部屋でも、そのままの状態で売却できます。さらに、また、不要な家具や家電については、追加費用なしで処分可能です。
少しでも興味のある方は、まずは査定だけでもしてみてはいかがでしょうか。電話番号や氏名などの個人情報の入力は不要なので、迷惑な営業を受ける心配もなく、「まずはいくらで売れるかだけ知りたい」という方も安心して利用できます。