【この記事で分かること】
- リノベーション済みのマンションが売れない理由と対処法
リノベーションが原因で売れないことはあるのか?
「リノベーションをしたマンションは売れない」という意見がありますが、リノベーションをしたことが原因でマンションが売れなくなることは、基本的にありません。
その詳しい理由を説明します。
リノベーションで資産価値が低くなることは少ない
マンションの資産価値は、「築年数」「立地」「広さ」「間取り」「室内状況」などにより、総合的に決まります。リノベーションはこのうちのおもに「間取り」や「室内状況」を変えるものですが、多少それらの要素が変わっても、資産価値が大きく落ちることはないでしょう。
古い物件の場合は、デザインが現在の生活様式とマッチしていない場合も多いので、それらをうまく直せば、売れる物件になる可能性もあります。また設備のグレード高めることも資産価値を高めるでしょう。例えば窓をダブルガラス・トリプルガラスにして断熱性と防音性を高めるようなリノベーションです。
このように、万人にとって暮らしやすさや利便性を向上させるようなリノベーションであれば、資産価値が下がることはありません。
大きなリノベーションも、誰かにとっては価値ある物件
大きなリノベーションにより、マンションが売れづらくなることはたしかにあります。例えば2LDKのマンションの壁を取り払って大きなワンルームにしたり、内装を少し奇抜なデザインにしたりといったリノベーションです。このような変わった物件は万人受けするものではありませんから、買い手も限られてきます。
ただ、このような斬新な物件に魅力を感じる人もいるでしょう。リノベーションで変わった間取りやデザインにしたのなら、それを強くアピールすることで、その物件を気に入ってくれる人の目に留まるかもしれません。
仮にそのような人が見つからなくても、最悪、買取なら問題なく売れるはずです。買取については、記事後半で詳しく解説しています。
マンションが売れない理由はリノベーションではない
リノベーションしたマンションがなかなか売れないとなると、「リノベーションしたから売れないんだ」と感じるかもしれません。しかし、先述の通りリノベーションでマンションの資産価値が低くなることは少ないですし、多少変わった間取りや内装でも、そこに価値を感じる人もいます。
リノベーション以外に、マンションが売れない原因には次のようなものが考えられます。思い当たるものがないか、チェックしてみましょう。
- 立地が悪い
- 築年数が古い
- 売り出し価格が高い
- ニーズと間取りがマッチしていない
- 不動産会社の実力不足や囲い込み
立地が悪い
リノベーション以外の、マンションが売れない1つ目の理由は、「立地が悪い」ことです。マンション選びにおいて、立地は価格に並ぶ重要ポイントです。最寄り駅やバス停からの距離はもちろん、通勤や買い物のしやすさ、生活環境など、立地はさまざまな観点からチェックされます。
特に最寄り駅からの距離は重要で、「駅から徒歩何分か」でフィルターをかけ、不動産サイトで検索をする人もいるでしょう。駅から遠いマンションは、このような人の目に触れることもないかもしれません。
もちろん、立地を変えることは不可能です。駅から遠いなら、せめて周辺にバス停はないか探してみましょう。バス停や路線によっては、駅から離れていても通勤アクセスはいいかもしれません。
ほかにも、周辺にどんな施設やお店があるのかチェックし、生活しやすさをアピールしてみましょう。
築年数が古い
リノベーション以外の、マンションが売れない2つ目の理由は、「築年数が古い」ことです。築年数が上がるほど、マンションの価値は落ちていきます。特に築年数25年までは価値の下がり幅が大きく、新築の半分ほどにまで落ちるといわれています。ただ、築26年以降の下落は緩やかです。
築年数が古いマンションを高く売るのは難しいかもしれませんが、安いマンションを探している人もいます。適正価格なら、築年数が古くてもマンションは売れるでしょう。
なお、築年数が古いマンションにおいては、リノベーションをしていることが有利に働くこともあります。築年数が古いマンションに対して「設備も古いのでは?」「見た目が汚いのでは?」といった不安を感じる人は多いですが、リノベーション済みであることにより、これらの不安を解消できるからです。
売り出し価格が高い
リノベーション以外の、マンションが売れない3つ目の理由は、「売り出し価格が高い」ことです。買い手の予算を大きくオーバーしていたり、相場よりも極端に高かったりといったマンションは、買い手の検討候補に入らないでしょう。価格を見ただけで候補から外されてしまえば、物件の詳細ページを見てもらうこともできません。
まずは不動産サイトで類似サイトを探して相場感をつかむこと、複数の不動産会社に査定をしてもらい適正価格を知ることからはじめましょう。
複数の不動産会社に査定依頼を出すときは、「一括査定サイト」が便利です。そのサイトに登録している不動産会社に、いっせいに査定依頼を出せるサービスで、一度の情報入力で複数社の査定価格がわかります。ただ、複数の会社に個人情報を渡すことになるため、「うちと契約しないか」という営業電話がたくさんかかってくるかもしれません。
一括査定サイトの使い方や注意点、おすすめサイトを知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。
マンションの一括査定サービスとは?7社のサービスを徹底比較
ニーズと間取りがマッチしていない
リノベーション以外の、マンションが売れない4つ目の理由は、「ニーズと間取りがマッチしていない」ことです。極端な例ですが、ワンルームマンションを欲しがる子育て世帯や夫婦世帯はいないでしょう。反対に、一人暮らしに4LDKは広すぎます。自分のマンションはどんな層のニーズとマッチしそうか見直し、訴求を工夫してみてください。
なお、記事前半で「将来の売却を考え、リノベーションを我慢するのはおすすめしない」とお伝えしましたが、マンションのあるエリアの人口構成は考慮に入れましょう。例えば「子育て世帯に人気の街」で、4LDKのマンションを大きなワンルームに変えるようなリノベーションはおすすめできません。大きなワンルームが欲しい人は、子育て世帯が多い街を好まないでしょう。
不動産会社の実力不足や囲い込み
リノベーション以外の、マンションが売れない5つ目の理由は、「不動産会社の実力不足や囲い込み」です。どこに原因があるのか見極め、不動産会社を乗り換えたり、担当者を変えてもらったりしましょう。
不動産会社には得意・不得意があります。例えば戸建て住宅の売買やマンションの賃貸がどんなに得意でも、マンションの売買が不得意なら、売却活動は難航するでしょう。不動産会社の得意・不得意を見極めるには、その会社のHPにある「実績」をチェックするのがおすすめです。ほかにも、口コミサイトやSNSで、客観的な評判を集めましょう。
客観的な意見、利用者の生の声を集めていくうちに、その会社が「囲い込み」をしていることがわかるかもしれません。囲い込みとは、売主と買主の両方と契約することで、「両手取引」ともいわれます。不動産会社は売買を成立させると、売主や買主から、物件価格の数%の「仲介手数料」を受け取ります。売主と買主の両方と契約できれば、仲介手数料は2倍になるため、これを狙う不動産会社も少なくないでしょう。
たまたま両手取引になるのなら問題ありませんが、両手取引を成立させるために、他社から入った問い合わせを勝手に断ってしまう不動産会社もあります。このような状態を囲い込みといい、売主や買主のどちらかが不利になることが多いです。
リノベーション済みのマンションが売れないときは?
リノベーションをしたからといって、それでマンションが売れなくなることは少ないです。ただ、リノベーション済みのマンションだからこそ気をつけたいこともあります。
リノベーション済みのマンションが売れないときにチェックすべきこと、なるべく早く売るためにできることを3つ紹介します。
リノベーション費用を売却価格に上乗せしていないか
問い合わせや内見の申し込みすら入らないようなら、マンションの売り出し価格が高すぎるのかもしれません。「高すぎるマンションが売れない」のは先述の通りですが、リノベーション費用を売却価格に上乗せしているケースも、なかなか売れないでしょう。
リノベーションにはそれなりのお金がかかりますし、お金をかけた分、部屋はきれいになっているはずです。しかし、買い手からしたら「リノベーションをしたこと自体」に価値はありません。同じ築年数帯のマンションよりきれいな分、多少高くても売れるかもしれませんが、リノベーションの元を取ろうとするのはおすすめできません。
媒介契約の種類を見直す
仲介(個人の買い手を、不動産会社を通して探すこと)でマンション売却をするなら、不動産会社と「媒介契約」を結ぶことになります。これは売主が売却活動で不利になることのないよう、宅地建物取引業法で定められた契約で、売却活動の進め方や成約時の報酬額をハッキリさせるためのものです。
媒介契約には次の3種類があります。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
他社との契約 | 可 | 不可 | 不可 |
自己発見取引 (売主が買主を見つけること) | 可 | 可 | 不可 |
売却活動の報告義務 | なし | あり (14日に1回以上) | あり (7日に1回以上) |
契約期間 | 法律による規定なし (一般的には3ヵ月) | 最長3ヵ月 | 最長3ヵ月 |
※表は左右にスクロールできます
このうち「一般媒介契約」では、不動産会社が売却活動に力を入れてくれないこともあります。売却活動の報告義務はありませんし、他社契約もできるためです。他社で買主を見つけられてしまうと、その不動産は報酬である「仲介手数料」を受け取れません。
一般媒介契約で売れないなら、専任媒介契約か専属専任媒介契約に切り替えてみるのもいいでしょう。
それぞれの媒介契約について気になる方は、こちらの記事もぜひお読みください。
不動産会社や担当者を変えてみる
不動産会社には得意・不得意があり、同じ不動産会社でも、担当者ごとに力量は異なるでしょう。実力不足を感じるなら、不動産会社や担当者を変えてみるのもひとつの手です。
不動産会社を変えるなら、リノベーション済み物件の取引実績が豊富なところを探してみるのもいいでしょう。口コミサイトやSNSで、リノベーション済み物件の売却に成功した人を探し、その人が利用していた不動産会社をチェックしてみるのもおすすめです。
「売却のためのリノベーション」は避けるべき
古いマンションや、汚れたりくたびれたりした印象のあるマンションも、なかなか売れないかもしれません。「見た目をきれいにしたら売れるかも」と、リノベーションをしたくなるかもしれませんが、これは避けた方が無難です。
リノベーションをしても、そのための費用を売り出し価格に上乗せすることはできません。上乗せすること自体はできますが、それでは「相場と比べて高すぎる物件」となり、買い手が見つからないでしょう。購入後に自分でリノベーションをしようと、安いマンションを探している人もいます。リノベーションをしたせいで、このような買い手を逃してしまうこともありえます。
売却のためのリノベーションは避けるべきです。しかし、汚れたままの状態では、マンションはなかなか売れません。なるべくお金をかけずにマンションをきれいにする方法、どうしても売れないときの対処法を紹介します。
内見対応に向けて、マンションをきれいに保とう
「広告写真はきれいだけど、内見に行ってみたら写真と全く違う印象だった」というマンションはなかなか売れません。まずは家中を掃除し、水回りや窓ガラスといった汚れが目立つ部分をピカピカに磨き上げましょう。
特に、売ろうとしているマンションに住んだまま売却活動をするなら、マンションをきれいに保つ努力は欠かせません。内見の直前になって慌てることのないよう、こまめな掃除と整理整頓を心がけましょう。
水回りの手ごわい汚れは、ハウスクリーニングにお任せ
内見時に特に厳しく見られるのが、「玄関」「水回り」「バルコニー」です。このうち「水回り」は、水垢やカビなどの汚れがつきやすく、きれいにするのが難しいです。手ごわい汚れがついているなら、水回りだけでもハウスクリーニングに任せるといいでしょう。
水回りだけでも6万円ほどの費用がかかりますが、リノベーションよりもずっと安いです。不動産会社の中には、売却活動の一環として無料または安価でハウスクリーニングを提供してくれるところもあり、そのような会社を探すのもいいでしょう。
汚れてしまったマンションを売るコツは、こちらの記事で詳しく解説しています。
汚いマンションを売るには…?買取・仲介、それぞれでの売却方法
どうしても売れない、早く売りたいときは買取も検討
マンションがどうしても売れない、とにかく早く売りたいときは、仲介から「買取」に切り替えるのもいいでしょう。
仲介とは、「このマンションに住みたい」と感じる個人への売却を目指す方法です。買い手が個人であるため売却価格は高くなりやすいものの、買い手が現れるかどうかには運やタイミングも絡んできます。
買取とは、不動産会社にマンションを直接買い取ってもらう方法です。不動産会社の目的はマンションを買い取り、別の個人に再販することです。
査定価格は不動産会社の利益やリフォーム・リノベーション費用を加味した金額となり、仲介の7~8割ほどになることが多いですが、金額に納得さえできればすぐに売却できます。もちろん、売主がリノベーションをする必要はありませんし、「仲介手数料」もかかりません。
リノベーション済みの売れないマンションは、仲介も買取もこなせる「すむたす」へ!
本記事では、リノベーション済みのマンションの売れない噂について解説しました。
一見、リノベーションしたマンションは売れづらいと感じる方もいるかもしれませんが、今回の記事で解説した内容を元に売却活動に取り組んで、ベストな売り方ができるように頑張っていきましょう。
しかし一方で、「どうしても売れない」「売却したい時期が迫っている」という方々もいるかもしれません。そんな時はぜひ一度すむたすにご相談ください。すむたすは不動産の仲介も買取も柔軟にこなせる上、すむたすではお客様に合った最適な選択肢をご提示させていただくことをお約束します。「できるだけ楽に売却活動を進めたい」「そもそも何から準備すればよいか分からず不安だ」という方は、まずはオンラインの無料査定からお気軽にお申し込みください。